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月報Okishima Life 2023.3 沖曳き漁師デビュー

見慣れた景色は季節と共に

沖島での春はこれで5回目を迎えます。もう通い始めて5年半。時が経つのは早いですねー。活動を再開し始めた青々とした緑たち、観光客の賑わい、沖合いの春の訪れetc.、見慣れた景色が少しずつ増えているのはとても嬉しいことです。四季折々、いろんな景色がアップデートされていく中、とくにこのまもなく春がきます!っていう頃合いは好きでたまらないです。。

出漁する気満々で外を確認したら、霧で霧で仕方ない日もありました。これはさすがにたまげた。この日は出漁出来ず…。

時間が経つにつれ濃霧に。最終がこれ。

ついに、単独沖曳きデビュー

初日から絶好調

3月1日早朝。新たに気持ちを入れ替え、好天の中出漁。まだ他の漁船に迷惑をかけないよう、エビ曳き漁船が密集する漁場のやや端っこの方で網掛けを開始。順当に3丸(引くロープ・綱の長さ600m)3カワ(網の引き数3回)を引ききり、無事終了。そして、想定以上の漁獲。初日から好発進です。

天気を読む

ある日まだ少し風がある中大丈夫だと天候判断し、出漁。様子を伺いつつ早めに帰ることも考えていましたが、天気が良くなったどころか、漁獲もええ感じに。琵琶湖一円同じような風予報でも現場によって状況が全然違っていたり、風予報よりも自分たちの勘が当たっていたり。これだからおもしろい。

逆に読みが外れる可能性もあるので、慎重さは常に欠かさないように。また、確率を上げるためにいろんなパターンを身をもって経験していきます。

『あんたのエビは綺麗や』

『あんたのエビは綺麗や』と魚屋さんから褒めてもらいました。続けて、『これは、あんたのエビが欲しいって事やでな』と言ってもらえ、これって漁師冥利に尽きるってやつだなと。共にやっていきたいと思える魚屋さんに巡り合えてよかったです。

大流木を拾う

単独沖曳きで、より避けたいのはアクシデント。2人で何とかなる事が1人では対処しきれない、そんなこともある。そして案の定、ついに3m級の流木が網の中に入ってきてしまいました。とにかく網から出してしまわないと、帰る事すら出来ない。あーだこーだ試みたものの、もっと経験値があれば対処できたかもしれませんが、今の僕1人では何ともならず。
近くにおられた方に助けを求め、何とか船に取り込み、帰れることに。そして、破れた網は昼から夕方までかけて何名かに手伝ってもらい、翌日無事に出漁できました。ほんとに感謝です。

いい日もあればこんな日もある。いい経験が出来ました。

成長速度が加速度的に上がる

基本的には自分1人でするようになり、実感を得て理解出来る事がウンと増え、加速度的に成長出来ているように感じます。やはり職人仕事は、自分で経験してなんぼですね。さらに1カ月先、1年先の自分がどうなっているか楽しみで仕方がないですっ。
この色が少し違う個体が混ざっていれば、エビが集まっているところを狙えている証拠という説。いい感じ!

春に近づく気配とエビ沖曳き

今年も日に日に、琵琶湖沖合いでも春を感じるようになってきています。イサザのお腹が黄色くなってきていたり、陽が昇る時間帯が段々早くなってきていたり。春が肌でここまで感じれるこの仕事はほんとに最高だ。
そして、エビは浅瀬に向かい始めました。この一斉に解散したかのように琵琶湖に散らばったエビを探し出すのがエビ沖曳き禁漁(4月いっぱいまで)になるまでの正念場。ここからが勝負です。今の自分がやれるところまでやりきります。

多角的に沖島を見る

2月で地域おこし協力隊を退任された川瀬さんによる卒展”沖島移住日誌”を見に行かせてもらいました。沖島には、多彩な方々が関わってくださっています。こういった形で改めて拝見させてもらうと、いろんな角度からまた違った沖島が感じられて、いいものです。
これからもいろんな人たちとの繋がりが広がるのかなと思うと楽しみですね。

今回はここまで

例年に比べ、だいぶ早い時期から桜が咲き始めました。湖畔に広がる桜。何度見ても、ほんとに綺麗なものです。

さてさて、エビ漁師として比較的忙しい3月を当初の目標を大きく上回り、無事乗り切ることが出来ました。ただ、沖曳きのほんとの勝負はここから。焦る事なく、とにかく経験を積むつもりで4月挑んでいきたいと思います。
では!

湖魚持ち寄り会になった日


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