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常用フィルムにピッタリ。富士フイルム C200レビュー

常用フィルムは何を選ぶか?

もしかしたら、今のフィルムユーザーにとってこれが一番の悩みかもしれません。安かったフィルムは次々と値が上がり、生産が中止される銘柄もチラホラ。KodakのPORTRAやエクターは評判は良いけど高くて、せっかく装填してもなかなかシャッターを切れない。そんな人も少なくないでしょう。

こうして状況でも、毎日使いにちょうどいいフィルムはまだ残っています。その1つが富士フイルムのC200。これは富士フイルムの海外向け製品で、国内流通品はいわゆる逆輸入品になります。

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もちろんパッケージもオール英語です。

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このnoteを書いている時点(2018年12月18日)での店頭価格は1本450円前後。10本セットなら4000円程度で買えるお店も見かけます。これより安いフィルムはおそらく業務用100くらいのもので、今手に入るフィルムでは最安クラス。たくさんシャッターを切る方にはぜひオススメしたいフィルムです。

ツイッターで見つけたチャンプカメラさんの10本パックも税込4000円でした。安い。


(2019/10/21 追記)
このnoteを書いた後もフィルム価格は上昇を続け、2019年10月時点での10本パックの価格は10本パックで5500円でした。業務用フィルムがこれ以上の値上がりをしてしまったので結果的にこのC200が最安クラスのフィルムになっています。

C200 × OLYMPUS TRIP35

それではこのフィルムの描写です。さまざまなカメラでこのフィルムを使っているので、まずはOLYMPUSのTRIP35で撮った写真から紹介します。

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いいなと思ったのが、この空のグラデーション。すごくフィルムっぽい。こういうのを求めてフィルムをやる人が今は多いんじゃないかな。

結論を先に言ってしまうと、C200はこのZuikoレンズとの組み合わせが一番良かったように思います。

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夕日の色合いも絶妙。安いからスナップでも気兼ねなく使えます。

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かの写真家・森山大道さんも、「スナップでは100メートルを歩く間に36枚撮りフィルム1本を撮りきった」と言います。良い写真を撮るならまずは量は必須で、これを体現するにはお手頃価格のC200はうってつけというわけです。

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人を写しても十分きれい。TRIPの最短より近づいてるのでピンボケしちゃってるのはごめんなさい。ネガらしくハイライトが粘るので、オーバー気味に撮ると今っぽいかなと思いました。

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持ち出しやすいコンパクトカメラとの組み合わせは、C200の特性を存分に引き出しますね。


C200 × Nikon FM

続いて一眼レフとの組み合わせ。カメラはNikon FM、レンズはAi Nikkorの50mm F1.8 Sと35mm F2.8 Sです。

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先ほどのコンパクト以上に解像感の高い写り。比較的新しいMFレンズの性能にもついていきます。

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スナップ中に出会った犬。ものすごく警戒されているけど、この写真では毛並みの美しさを見てください。すごく滑らか...あとは僕とわんちゃんとの関係性。もっと仲良くなれれば笑顔が撮れたはずです。

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C200 × Leica M3

最後はレンジファインダーのLeica M3とC200。こちらは60年も前の沈胴ズミクロンを使ったので、ぐっとレトロな描写になっていきます。

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こうしてカメラを横断して見ると、レンズによってガラッと写りが変わるのがわかりますね。フィルムは減ったとはいえ、フィルム時代のレンズとの組み合わせはまだまだ膨大。好きなマッチングを探すのもフィルムの楽しさですよね。


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ブルーの出方もZuikoレンズとはずいぶんと違いますね。

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ISO200なら室内でも撮れる

もう1つこのフィルムの特徴をあげるとすれば、その名の通りISOが200であること。少しの差のようですが、室内撮影においてISO100とは余裕が違います。

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よほど暗い室内でなければF1.8〜2、SS 1/30〜1/60くらいでいけるかと。これなら手持ちでも十分撮れるはず。屋外・屋内両方で撮影があるときなんかはこの万能さが役に立つんじゃないかなと思います。

途中にも書きましたが、写真ってたくさん撮らないとうまくならないし、好みの写真も撮れない。好きなフィルムで躊躇なく撮りたいっていうワガママに応えてくれるのが、C200なんじゃないでしょうか。

このツイートの通り、子供を撮ったものでプリントしたくなったのはほとんどが業務用かLomoと言ったお手頃フィルムの写真たち。切ないけど、こんなものなんですよね...笑

PORTRAやPRO400Hはきっと今後も使うでしょうが、良い写真として残るのは安いフィルムで撮ったカットなんだろうなぁと思っています。

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