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記録として残す評価(特にパフォーマンス評価など)の考え方まとめ

中学校社会科教員をしています。
現在育休中ですが、来年4月の仕事復帰に向けて、学習評価について勉強中です。

・学習指導要領
・国立教育政策研究所が出してる「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料
これらを何度読んでも学習評価の付け方や考え方(特に主体的に学習に取り組む態度や思考・判断・表現のパフォーマンス課題による記録に残す評価の取り方)についてスッキリできていなかった部分を、元指導主事の先輩先生に質問し、学んだことをまとめたので共有したいと思います。

質問に答えてくださった先生は英語の先生なので、教科的に異なる部分もあるかもしれませんが、どの教科にも共通する考え方や学びもあると考えてまとめました。

私が聞き取ったことを正しく受け取って表現しきれていない部分もあるかもしれません。
もし、ここはおかしい!こういう捉え方では?などご指摘あれば、ぜひコメントいただきたいです。

パフォーマンス課題について

・単元の終末で20分とか一定の時間をとって、個人で書かせる(今まで学習してきたノートや教科書は見てもOK)
→先輩先生は全部の単元で実施しているわけではない様子
→仲間との学び合い(意見を参考にしたり話し合いながら)取り組む課題はここに至るまでの過程で行い、単元終末の記録としての評価をとるパフォーマンス課題は1人の力で取り組む

•単元を通して積み重ねてきたものが表出するものであれば、同じ課題で主体と思考判断表現は一緒に取ることができる
→ 自己調整が測れなければ、思考判断表現力もないから、主体と思判表の2つの力はほぼ一致する(英語の場合はほぼ一致とのこと、社会はどうなんでしょうか?私は思考=主体ではないという認識でしたが、課題の出し方によっては一致させることもできるのでしょうか?今後調査継続します。)
→せっかくパフォーマンス課題とるのに(労力大なのに)1つの観点だけでしか取らないのはもったいない

・パフォーマンス課題のルーブリックはあまり早く生徒に示してしまうと塾に対策して準備されてしまう危険があるので、先輩先生の場合は実施する1週間前や3日前などに発表している

※定期テストの問題であっても、単元を通して積み重ねてきたものが表出するものであれば主体的に学習に取り組む態度で取ることも可能

主体的に学習に取り組む態度などを評価するパフォーマンス課題のルーブリック作成について

AやA⚪︎になるのはどんなものか?
•教えたことだけでなく、実体験に触れて詳しく書けている
•実生活に関連付けて書けている
•自分の考えが明確
※パフォーマンス課題を主体と思考一緒に取れる課題の時は思考のルーブリックの文末を「〜しようとしている」に変えてそのまま主体のルーブリックを作成することが可能と先輩先生はおっしゃっていました。

振り返りについて

•1時間単位の学びの振り返りではなく、常に単元のゴールに対する振り返りをさせる
(例えば単元全8時間で6時間目の授業が終わった時は、その単元の1時間目〜6時間目の学びを振り返って単元を貫くゴールに対する振り返りを書かせる。)
→積み重ねていくイメージ
→模範となるような振り返りは次の時間に発表してもらうことで、振り返りを書くことが苦手な子供の自己調整の機会を与えることができる

・例えば、8時間の単元である場合、全部の振り返りを見るのが大変な場合は、最初のほうの時間(例えば3時間目の振り返りを見ると決める)と最後の時間の振り返りを見て変容を見とる

・振り返りの書き方、型は生徒に提示する
できるようになったこと
どんなことに気づいたか?
どんなことが学べたか?
どんなことがわかったか?
自分はどうしてきたか?
次の時間はどうしたいか?
※〇〇さんの表現を使ってみたら、、、、
〇〇さんや先生の真似をしてみたら、、、、
のようなGoodな振り返りは次の時間で発表してもらうことで、振り返りを書くことが苦手な子供の自己調整の機会を与えることができる

補足:学習評価の基本的な考え方(指導と評価の一体化)について

ここで最後に、記録に残す評価とは目標に沿って授業を通じて評価と指導を重ねてきた結果を最終的に評価し記録(ABCなど)に残し、指導した責任を明らかにするという考え方を確認して終わります。

いま私が参考にしている「できる評価・続けられる評価」(良書です!私はずっとこのような本に出会えることを欲してました!)の著者で大妻女子大学教授の澤井陽介さんは、教師は自分が指導したことを記録に残すのであって、指導していないことまで記録に残し、責任を負う必要はないと言っています。


1 評価したことを指導に生かす
目標の実現を目指し資質・能力を育成する
指導の在り方を振り返り指導改善に生かす
2 指導したこと (の評価) を記録に残す
指導した結果を記録 (ABC) に残し評定へ

できる評価・続けられる評価より引用

追加

将来的には評価規準やルーブリックの作成にAI(chat GPT)を活用できると強そうです。

https://twitter.com/saruesteacher/status/1689229656657174528?s=46&t=LwX0swinoq_vETfn9gzGig


おわりに

教科的な違いはあるものの、指導と評価の一体化の考え方についてとても勉強になりました。
今後も勉強、研究を続け、新たに分かったことは追加・修正していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
もし何かおかしな認識の部分があればコメントにてご指摘頂けると勉強になります。
よろしくお願いいたします。