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海洋ゴミを減らすためにITで何ができるか1日考えてみた

こんにちは、Riko @Microsoftです。本note ではMicrosoft Japan 社内で定期的に行われている「環境×IT」をテーマとした社内横断活動の様子をまとめています。

この記事では2022 年7 月8 日に行われた1Day ハッカソンにて作成したアプリについて紹介します。ちょうど夏本番ですが、今回はきれいな海をまもるため、海に漂着したごみを計測することで将来的にはゴミの減少に役立つソリューションを考えてみました。

活動について

弊社では、定期的に社内の有志メンバーで集まり、地球環境の問題に取り組んでいます。この活動の目的や、2022 年最初に行われた活動報告は以下記事にまとめられていますので、ご興味ある方はチェックしてみてください。

この活動のDay2 となる今回は、前回同様、1日という期間で「地球環境×IT」をテーマにハッカソンを行いました。

※ ハッカソンとは?
ITエンジニアやデザイナーなどが集まってチームを作り、特定のテーマに対して決められた期間内でアプリケーションやサービスを開発するイベントです。

海をきれいに保つために

地球環境を脅かす問題のひとつに、海洋ごみ問題があると思います。海に漂流したプラスチックごみが、海洋環境や漁業に与える影響はとても深刻で、改善が急がれるもののすぐには解決できない世界的な課題となっています。

実は筆者は沖縄県の宮古島在住であり、海に行く度に浜に漂着したゴミをみていた私には、この問題がとても身近でした。(筆者撮影↓)

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「このゴミがなければもっと綺麗な景色なのに」とは思いつつ、ごみの量が多く人の手で拾うには1 日あっても足りない。

これこそIT の力で解決できないのかなーと、常日頃思っていました。

海洋ゴミの入り口は無数、出口はひとつ

ではこの浜に漂着したごみはどこから湧き出てくるのか。拾っても拾ってもなくならない感じがしますが、その出所は他でもない、私たちの日常生活ごみが風で飛ばされるなどし海に出て流れ着いているはずです。

となると「入り口は無数にある」状態。そのため今回は無数の可能性を考えるよりも、すでに出口である海にでてしまっているごみに着目してソリューションを考えていきました。

海洋漂流物を画像から計測してみよう

といことで、今回私たちハッカソンのメンバーが考えたのが、海洋漂流を物計測するアプリ。

コンセプトとしては、衛星や現地の画像データから、どの季節にどの地域にどんなゴミが流れ着いたかを計測することでデータを貯め、将来的に減少に役立つことを見据えるものです。

チームメンバーで意見を出し合い、アプリの構成はざっくりと下図で考えました。下図ではデータの入り口2 つ、①Planetary Computer による衛星画像と、➁現地の方のデータ提供となっています。これは衛星データと現地データを掛け合わせることで、より計測の精度を高める狙いがあります。

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これらのデータをデータベースに連携し、Power BI を使って海洋ごみの分布を計測するアプリを作成します。

Power BI でアプリを作成してみる

「何をするか」は決定したので、あとはゴールまでのタスクを分解し、もくもくと進めていきます。

タスク一覧【所要時間: 計5時間】
・アイデア出し
・方向性決定
・衛星データを解析し「海洋ゴミ」画像を取得する (今回は間に合わず手持ちの漂流物の写真を使用)
・Azure Custom Vision にて集計した「海洋ゴミ」画像を学習させる
・AI による画像解析データの掃き出しテスト
・Power apps にて現地データ集計フォーム作成
・データベース作成 (今回は仮のcsv データを用意)
・Power BI にてアプリのモック作成
・Power BI にデータ連携、動作確認

1日という短い時間ではありましたが、上のタスクを、尋常じゃないチームワークでこなしました。
最終的に仕上がったアプリがこちら。

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今回はPower BI を使用し、データを地図上にマッピングすることで、どの時期にどの地域にごみが多く漂着したかを直感的にわかりやすくしました。

宮古島在住者としては、東側の海岸にごみが多いイメージなのですが、このアプリにデータが貯まるとそういった推測があっているかも検証可能。

今後は、アプリの計測情報を元に漂流物の除去に役立てた事例等を生んでいけるか、が課題になってくると思います。今回私たちが作成したアプリが、いつか何かの形で美しい海に貢献できますように。

まとめ
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この画像は今回、画像認識AI を作る際に使用した教師データの一例です。
何か手を打たなければ、今後もこの景色は変わらず、海洋ごみは増え続けます。
ということで、今後は海洋業に関わる方へアプリを配布できるよう整え、使用を呼びかけてみるなど、活動を続けていくつもりです。

また現在、海洋環境系の活動をしているという方の中で、私たちの活動と関連できそうな方はお声がけください。お気軽に意見交換しましょうー。

今回の報告は以上です。
海水浴に行かれた際にゴミを見つけたら、この活動を思い出していただけますと嬉しいです。
では!

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