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鍋物に、コンクリートに。白菜の持つポテンシャルに驚いた初雪の夜

東京は本日、初雪。平年より10日遅い観測だそうですが、寒の内らしい気候になりました。

寒い冬の日に食べたくなるのは、鍋物。そして鍋物といえば白菜だよね!ということでたくさん買い込んで料理したあと、なにげなくネット検索をしていたら「白菜がコンクリートの材料になる」という話を見かけて驚いたので、今日はこの話をnoteに書いておきたいと思います。



食品廃棄物を建材等に加工できる新技術

私が今日読んだのは、こちらの記事。
東京大学 生産技術研究所発のベンチャーである「fabula(ファーブラ)」さんの話です。

食品廃棄物から建材などを作ることができる同社の新技術は、食品廃棄の問題とコンクリートの問題を同時に解決できる可能性があるのだとか。

…あれ?
食品廃棄の問題はわかるのですが、コンクリートの問題っていったいどんな問題なのでしょうか。


コンクリートの大きなサステナビリティ課題

記事によれば、コンクリートには3つの課題があるそうです。
そしてその3つは、いずれもサステナビリティの文脈でとらえることができる課題でした。

――コンクリートの課題というのはどんなところにあるのでしょうか?

大石:その研究室で取り扱っていた課題としては3つあります。

まずはコンクリートの原料の1つであるセメントを作る際にCO2の排出量が高いこと。世界のCO2排出量の内8パーセントは、セメント生産によるものといわれています。

もう1つは、使い終わった後の処理の問題です。現状、使い終わったコンクリートは、道路建設の際、舗装の中に埋められるくらいで、コンクリートがら(がれき)の有効的な活用方法が見つかっていない状態なんです。

――最後の1つは?

大石:あとはコンクリートの原料の問題ですね。コンクリートの原料となる砂は粒度が規格化されており、砂漠の砂などは利用できません。良質な砂が世界的に不足している現状があるんです。

――では、何年後かにはコンクリートが使えないような状況になってしまうということでしょうか?

大石:そうですね。「何年後」とも言っていられないくらい、もしかしたらもっと直近で起きるかもしれないです。

普段生活している中ではコンクリートの原料不足について感じることはないかもしれませんが、海外ではコンクリート用の砂を巡って「サンドウォーズ」と呼ばれる争奪戦が起きているほど苛酷な状況なんです。

出典:「大阪万博で白菜がコンクリートの代わりに?食品廃棄物が建材に生まれ変わる新技術」

3点目の課題、「サンドウォーズ」と呼ばれるほどの”砂”の争奪戦が起きているということは、私、お恥ずかしながら今日までまったく知らなかったため、早速調べてみました。

すると、確かにありました。色々な記事が。

砂は世界で最も利用されている資源のひとつであり、乱獲は地盤沈下を招き、インドやインドネシア、ナイジェリア、イタリアなどで「砂マフィア」と呼ばれる犯罪組織が暗躍しているのだそうです。

(これからは「砂」に関する報道にも目を向けていきたいと思います…!)


白菜がコンクリートに代わる未来は来るか

さまざまな食品廃棄物の加工を続けているfablaさん、すでにタイルなどの建材は試作段階にあり、「2025年に開催される大阪万博のあるエリアでは、fabulaの建材が使用される予定」とのことです。

私としてはfablaさんの技術がコンクリートの課題を解決してくれることに期待したいのですが、こちらは「開発段階」とのこと。そして、素材としては「白菜」が強いのだそうですよ!

現段階では白菜がコンクリートの曲げ強度(折れにくさ)と比べても4倍あり、厚さ5ミリメートルで30キログラムの荷重に耐えるという結果も出ており、可能性は十分にあると思っています。

出典:「大阪万博で白菜がコンクリートの代わりに?食品廃棄物が建材に生まれ変わる新技術」


fablaさんのnoteでも、白菜の強さが紹介されていました。

白菜は芯、外葉などの不可食部も多くある食材の一つです。
不可食部や規格外の白菜を弊社の新素材に変えると、
最も強度のある素材に生まれ変わります。
タイルなどの建材や椅子の脚などの強度を求められる場面では
大活躍する原料です。
70種類以上の食品廃棄物を試作していますが、
白菜を超える食材が出てきていません。


冬の献立で大活躍する白菜にこんなポテンシャルがあったなんて…!と感動しつつ、これからはコンクリートや砂の問題、そしてfablaさんの今後にも注目していきたいと思います。


以上、サステナビリティ分野のnote更新1000日連続への挑戦・96日目(Day96) でした。それではまた明日。










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