見出し画像

ケニアとエチオピアのトップ中長距離選手のジムでのフィットネスエクササイズ

(写真 ATHLE.ch ©︎2021 Guillaume Laurent

私がこの1年間でケニアやエチオピアのトップクラスの中長距離選手が行っている練習で印象深かったのが、ジム内での練習である。

とはいっても、どちらの国もジムという施設は一部の場所にしかなく、全ての選手ができるような練習ではない。

そういった意味で、東アフリカにはフィジカルトレーニングはあまり普及していないのかもしれないが、優秀な欧州/現地の指導者とともにトップ選手の間では日頃からフィジカル練習を重視しているチームもある。


エリウド・キプチョゲとGSSキャンプ

現在、福田穣が合宿を行っているケニアのカプタガトのグロバルスポーツキャンプ(通称GSS)では、基礎構築期に多くのジムセッションが行われる。

↑はスンバ(ZUMBA)のような動きで、さらにそれよりも高速かつ動きが大きめであるのが特徴である。

(リオ五輪女子1500m金メダリストのフェイス・キピエゴン)

このように基礎構築期ではたくさんのジムセッションが入る。これは、筋力強化に重点が置かれており、去年のロンドンマラソンを終えたキプチョゲも去年の11月に同じシステムでトレーニングを行っている。

ケニアの中距離選手の動きは大きく速いことが特徴である。そのためストライドも長くピッチもそれなりに速い印象である。特に世界トップクラスとなるとその切り返しの動作が速い。

彼らのキャンプはジムがあるエルドレッドから車で1時間ほど離れた場所にあるので、普段はキャンプでコアトレーニングを行う日があり、ジムが目と鼻の先にある、という状況ではない。

以下は、GSSキャンプの選手ではないが、ナイロビから車で数十分のところのロンガイという場所を練習拠点にしている選手のジムセッションの様子である。

(男子1500m現世界王者のティモシー・チェリヨットのジムセッション)

(チェリヨットのトレーニングパートナーのエリジャ・マナンゴイ:2017年世界王者のバックランジとスクワットの組み合わせ)


エチオピアのアディスアベバに目を向けると...

エチオピアでもトップ選手のジムセッションの様子を見ることができる。

このジャンプ動作は先ほどのケニアのものと同じくリズミカルで素早くて動きが大きい。ジャンプ系、ラダーでやるような素早い動きもかなりシャープな動きであることがうかがえ、彼らがこのエクササイズやフィジカルトレーンングを重視していることがひと目でわかる。

ゲンゼベ・ディババの縄跳び。速い。隣の人も速い。

スクワット。軽めの重さで動きは素早い。

ちなみに彼女は1500mの世界記録(3:50.07)保持者であるが、ドリルで素早い動きができることでも有名である。

もっと長い↑の動画を見ると、ジャンプ系、素早い動きの連続、またS.バレガ、A.ベリフといったトップレベルの選手もエアロバイクで軽いギアで素早く漕いでおり、L.デシサの動きもやはり素早い(T.ベケレも登場する)。

この動画は最新のものであり2021年3月下旬に撮影されたものである(必見!!)。


写真で学ぶエチオピアの生活とトレーニング

画像1

(出典: ATHLE.ch ©︎2021 Guillaume Laurent

↑に載せたような動画も参考になるが、その他にも写真を見ることで学べる部分も多い。3月にスイスの陸上メディアがエチオピアで中期取材を敢行しており、以下のURLからその様子を見ることができる。

https://www.facebook.com/612418822/posts/10158468782218823/?d=n


【関連記事】


サポートをいただける方の存在はとても大きく、それがモチベーションになるので、もっと良い記事を書こうとポジティブになります。