驚くほど上品!【低温調理式ブリ大根】のすゝめ
昨年10月にイナダで冬場のブリに向けて調理実験を行いました。
その結果、「ブリと低温調理は相性が良いのではないか」と予感しました。
ブリ料理って味付けがしっかりしたものが多く、塩焼きでも脂のパンチがありますよね?
上品系のお料理として【ブリしゃぶ】なんかがありますが、基本的にはこってり方面の魚…
なので、「逆に上品に仕上げてみたら面白いのでは」と感じたのです。
そして、ブリ料理の中でも「こってり代表」と言える【ブリ大根】を低温調理をアレンジ&チャレンジしてみました。
新感覚の【ブリ大根】の世界に、ようこそ。
ブリのタンパク質組成と適切な設定温度について
ブリは筋原線維タンパク質が豊富なので、「50℃以上で徐々に硬くなる」性質を考慮します。
よって、前回のイナダは「50℃・25分」で行いました。
しかし、もう少し火を入れた方が美味しいと確信したので、今回は「52℃・20分」に設定しました。
結果的に理想に近い火入れとなったので、一般的に買えるサクの厚みであれば「ブリは52℃・20分」としてオススメ出来ます。
厚みが無い場合は中心部に火が通ってしまいますので、「51℃」で行う方が良いかもしれません。
【低温調理式ブリ大根】についての詳細
【低温調理機の設定と使用する調味料】
設定温度:52℃
設定時間:20分
調味料:煮切った日本酒、醤油、みりん、おろしショウガ
【調理の手順】※今回は少々複雑に見えますが、実際は楽です
1. ブリに塩を振ってトリメチルアミン(魚の臭み成分)を取り除き、出てきた水気を拭いて、ピチットシートで脱水(1.5時間)
2. フレッシュマスターに包んで2日間熟成(寝かせ)
3. 熟成後、血合いを除去
4. ブリを煮切った日本酒、醤油、みりん、おろしショウガと合わせ、20分漬ける
5. 4と同時に紅芯大根に塩を振り、脱水する。くにゅっと曲がるようになれば水洗いで塩を落として、水拭き
6. 4と5を合わせて真空パックに詰めて、低温調理開始
7. ブリを切り、盛り付けて完成!
※ピチットシートとフレッシュマスターについては、後述する記事リンクをご参照ください
【注記】
1&2. 薄味で仕上げるのでブリ自体の旨味を引き出す事が重要です
下ごしらえの写真
低温調理の写真
実食!【低温調理式ブリ大根】
味わいとしてはブリ大根ですが、甘みを削ぎ落しているので、ブリの旨味と風味を楽しめます。
そして、中心部は熱が入りつつ生っぽさを維持しているので、まさに低温調理らしいレアの状態です。
ブリ大根の味覚を維持しつつ上品に仕上げると「再構築出来た!」と言う満足感を得られます。
薬味は白髪葱に柚子皮を加えても良いでしょう。
一般的なブリ大根は純米酒で頂くのが美味しいと感じますが、低温調理式のブリ大根は純米大吟醸で頂きたくなります。
味付け的にご飯は進まないものの、お酒が進む魅力的なブリ大根だと思います(笑)
自然派の微発泡系白ワインとも合わせられるはず。
おつまみ仕様のブリ大根として、是非とも試してみてください。
ピチットシートとフレッシュマスターについては下記のリンクをご参照ください。非常に便利な調理アイテムです!
低温調理に関心のある方は、【低温調理器についてのブログ記事】をご参照ください。