見出し画像

誰でも匠になれる!?低温調理でしか出来ない【鯖の味噌煮】が超オススメです!

サバって、あらゆる調理法で美味しい魚ですよね…。アジやイワシと並んで日本を代表する青魚で、【塩焼き】や【竜田揚げ】なんかは子どもでもファンが多い調理法ではないでしょうか?

ただ、こと低温調理となると、レシピは少ないように感じました。そして、あったとしても何故か【味噌煮】が多い気がします。ただ、個人的には、鍋で十分に美味しく作れる【味噌煮】を低温調理機で時間を掛けて作る意味があるのだろうか…と思ってみたり。肉類も同様ですが、既存の調理法を単に置き換えただけの低温調理は魅力に乏しいと思うのです。

そこで、僕は敢えて【味噌煮】を選びつつ、【低温調理らしいサバの味噌煮】を検討しました。少し変わったことをやりつつ、鍋では作れない【味噌煮】にしたいなあ…と。結果的に、面白いレシピが出来ましたので、ご参考にしてください!

鯖のタンパク質組成と適切な設定温度について

いつもどおり、ちょい堅苦しい項目から(笑)
鯖は筋原線維タンパク質も多いですが、筋形質タンパク質が40%程とされるので、65℃以上でタンパク質が凝固して硬くなります。
出典:鴻巣章二編:「魚の科学」1.1.c.筋肉タンパク質の組成(渡部終五)p.5朝倉書店(1994)

生でも食べられる魚ですが、食中毒リスクとしてはメチャクチャ有名なアニサキスがあります。アニサキスのリスク回避は中心温度60℃で1分以上。正直なところアニサキスは目視できるので予防で防げますが、今回の料理が【サバの味噌煮】と言うこともあり、設定温度は60℃以上にしました。

そして、「調理で美味しい」設定温度と時間を考えた際に参考にしたのは、3つのソースです。

1. BONIQ公式:70℃20分 or 55℃60分
2. 低温真空調理のレシピ、川上文代氏:66℃40分
3. Under Pressure: Cooking Sous Vide, Thomas Keller:鰆で61℃12分

1は読んで字の通りなのでさて置き、2はAmazonでも大人気な日本の料理研究家、3はアメリカの低温調理料理人の権威です。川上文代さんのレシピ本は恐らく一番売れている低温調理本なのではないでしょうか。特徴としては、火入れはミディアムレアよりもミディアムに近い加減で、設定温度を44℃、55℃、66℃に揃えて覚えやすくするなど工夫が光る一冊です。

画像6

中から自分が選択した温度はThomas Kellerが鰆(Spanish Mackerel)に用いた61℃です。ただ、料理写真を見るとレア寄りの火入れでしたので、調理時間を伸ばすとともに、事前に江戸前鮨の調理法を行うことで調整を図りました。

事前に塩で〆て、一晩冷蔵庫で寝かせてから低温調理をすると、未体験の【サバの味噌煮】になるのです!

【本当に低温調理らしい鯖の味噌煮】についての詳細

【低温調理機の設定と使用する調味料】
設定温度:61℃
設定時間:15分
調味料:味噌パウダー、味醂大さじ1、醤油大さじ1/2、生姜の絞り汁50ml弱


【調理の手順】
1. 鯖をベタ塩で1.5時間〆る
2. 塩を真水で洗い流し、水気を拭った後に冷蔵庫で1晩寝かせる
3. 薄皮を剥ぎ、腹回りの骨を削ぎ切り、小骨を抜く
4. 味噌パウダーをサバにまぶし、調味料と生姜汁を混ぜて調味液を作り、サバと共に真空パックにする
5. 低温調理開始、設定時間経過後、15分ほど置いて味を馴染ませる
6. 出来上がり

【注記】
1.
※ベタ塩=塩のg数を考慮しなくて問題ありません、びっしりまぶしてください
2.
※塩気を浸透させて味を馴染ませつつ、寝かせて旨味をアップさせます
3.
※面倒くさいけど重要!
4.
※味噌ではなく味噌パウダーなのがポイント。低温調理において味の一体感が高いです。僕はカルディのオリジナル製品(163円)を使いました。
※生姜が多いように感じるかもしれませんが、仕上げると適量です
5.
※馴染ませている間に好みの薬味を刻んで、日本酒の用意をしましょう

ちなみに、1本350円のクオリティが高くないサバを使っても桁外れに美味しかったので、良いサバを使うと悶絶級に美味しいと思います(笑)

画像7

画像1

画像2

画像3

画像4

画像7

画像8

実食!【低温調理らしいサバの味噌煮】

画像9

食べる前、パックから取り出す際に「これはヤバいな」と感じました。とろけて崩れそうなので取り出すのが一苦労。

なんとか器に盛り付けて頂いてみると、一口目から笑っちゃうほど美味しいです。身は超しっとり!脂はトロットロ!

僕は鍋でも作りますが、これは別モノと言えるほどに美味しいです。

特に腹回りの脂の部分は濃厚で、脳髄と胃袋を強烈にヒットします。恐らく鍋だと溶け去ってしまうのでしょう。パックに入れて溶け出ないように封印する、真空低温調理ならではな味わいだと感じました。

塩で〆ているところもポイント。調理前の身を引き締める事で、身質を低温調理に最適化しているように思います。

間違いなく、誰しもにオススメ出来るレシピです!

ちなみに、パックに入れる際に尾の手前を切り落としている理由は、ボディに比べて味が落ちる点と、パックに入らないためです。ただ、これはこれで美味しいので、赤柚子胡椒を乗せて酒肴にすると良い味です。

画像10

低温調理に関心のある方は、【低温調理器についてのブログ記事】をご参照ください。

#フード #料理 #グルメ #レシピ #サバ  #サバの味噌煮 #低温調理 #BONIQ

ご支援頂いた分は取材や執筆活動に投資します。より良い情報提供を目指します!