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【weekly post】2022年11月建設不動産領域SeriesA資金調達in欧州

年始の1週間が終わり2週目に入りましたが皆様いかがお過ごしでしょうか

僕は実質6日から仕事始めという感じでしたので、「え、もう1週間終わったの?」という感じでおります。

年始のnoteでも書いた通り、今年のQ1まではインプット中心かつ、その仕組みづくりに時間を使おうということで、思ってた以上に、いろんなメディアを覗く時間であったり、本を読む時間が増えています。

正直、本当にこんな贅沢にインプットに時間使っていいのか?という焦りのようなものもあります。。

今まで、ガツっと時間使って贅沢にインプットという時間を取ったことがなかったので、それが故の焦りというか、やや気持ち悪さという感じなのかなと思っています。
ただ、滅多に取れる時間でもない(本当は取らないといけないんだけど)と思っているので、テーマを決めて贅沢に使いつつ、この期間が終わっても、一定続けていけるような仕組みづくりも並行して進めていこうと思います。

ちなみに、この期間ひとまずしっかりインプットしようと思っているテーマが「カーボンニュートラル」「Web3・メタバース」です。
あと1つくらい何かと思っていて、もしこれ面白いよみたいなものがあればぜひ教えてください!

さて、今回ですが、昨年のnoteでも書いていた通り本来であれば今日はお休みの予定だったんですが、

>正直、本当にこんな贅沢にインプットに時間使っていいのか?という焦り

このような焦りもあり、何かせねばと思ってしまったのと、年末に結局やらなかった禊のような意味合いも込めて11月の欧州建設不動産領域をやっていきます。

欧州建設不動産は、カーボンニュートラルのことをしっかり理解できるとまた見え方違ってくるんだろうと思っているので、今後どのように見え方が変わっていくのか楽しみなところです。(カーボンニュートラルのインプットは1月~2月上旬ぐらいでやっていく予定です)

今月最大の特徴はとにかく、調達企業数が多いことです。

同じ11月のUSを見ると16社、9月のEU(10月を僕がさぼったので..)も同じく16社だったにもかかわらず、今月は24社とぶっちぎりで多くなっています。

USの1月~11月を通しで見てもここまで多かった月はないです。

また、数のわりに欧州らしい環境文脈の強い企業がそこまで多くなかったというのも特徴でしょうか。後ほどその辺も見ていければと思います。

今月ののスケジュール再掲しておきます。

1月3日:休み
1月10日:11月建設不動産@EU
1月16日:12月建設不動産@US
1月23日:12月教育@US
1月30日:12月ヘルスケア@US

1月中に、2022年版が終了する予定なので、2月から新フォーマットでのweekly noteにしようかなと思っております。(遅くとも新年度のタイミングでは変える)

それに伴い取り上げるテーマの構成も少し変えるかもしれないので、またその時にお知らせできればと思います。

それでは本編に入っていきましょう。

11月のサマリー

■対象企業
所在地:ヨーロッパ地域
対象領域:建設不動産領域
企業ステージ:PreSeed~SeriesA
ファイナンス時期:2022年11月1日~11月30日まで

冒頭で記載した通りで調達企業数は、USの数字と比較しても圧倒的に多く、USの11月までの最多調達件数が23社なのですが、それをも上回ったという数字になりました。

その影響もあってか、どこかのステージに偏るということはなく、ステージの分布としてはいつも通りといった感じのSeed中心でSeed>SeriesA>PreSeedという順になっています。

領域ごとの分布としては、ぱっと見USの調達領域分布を見ているような分布になっています。

件数が多い割に環境×建設の調達は多くなく、効率化文脈が強い月でした。
建材についても、EUだとCO2固定化コンクリとかその辺か?と思われそうですが、建材のtoB ECです。

というわけで、今回は環境系のSUの紹介は少なめですが、調達件数が多いこともあるので、各社簡単ににはなりますが5社ご紹介しようと思います!(年始ですし多めに(笑))

①【Giraffe360】物件販促画像撮影キットとAI画像処理サービス

設立:2016年
今回調達金額:£13.2M
調達総額:£28.3M
リード投資家:Founders Fund
サービス内容等:
不動産販売事業者や賃貸仲介事業者向けに物件リスティング用の素材撮影に使うカメラをサブスクで提供しているサービスです。

ただカメラを提供しているだけでなく、カメラで取得したデータを用いて、間取り図、バーチャルツアーの作成も行ってくれるサービスです。

間取り図については、カメラの特徴を生かしていて、カメラにはLidarを搭載しており、物件の写真を撮るのと同時に間取り図も作れるように素材を取得できる仕組みになっています。

また、サービス上でバーチャルツアーの機能を使って、営業の方が物件の説明ができるようなオンライン営業ツールも提供しています。

②【SearchLand】土地情報検索とデータ分析サービス

設立:2019年
今回調達金額:£2.3M
調達総額:£2.5M
リード投資家:Fuel Ventures
サービス内容等:
住宅用商業用問わず、オンラインで土地の情報収集と市場価値評価などのデータ分析ができるツールになります。(現状イギリスでの提供)

情報収集については、土地の所有権や用途、特定の法人が所有する土地の一覧、所有期間などを取得することが可能で、データ分析では、その土地における、ユースケース別の過去から現在までの市場価値を出してくれます。

また、土地の取得を検討しているディベロッパーや個人には、土地の所有者に向けてオファーレターを送付できる機能も提供しています。

③【Faradai】エネルギー使用量の測定分析

設立:2017年
今回調達金額:$2.4M
調達総額:$3.9M
リード投資家:ACTAI Ventures他
サービス内容等:
複数のビルや工場のエネルギー使用量やカーボン排出量の測定・分析ツールを提供している企業になります。

センサーやスマートメーターなどのIoTやマネジメントシステムからデータを取得しダッシュボードで状況を表示、物件の請求書等も取得し管理してくれます。

取得したデータをもとに、HVACのパフォーマンス分析・空気室管理、電力インフラの管理、炭素排出に関するレポートの作成、環境パフォーマンス評価の効率化など、分析からアウトプットまで幅広に行います。

クライアントには、IKEA、ボーダフォン、ペプシコ、GAP、BNP Paribasなど有名企業が名を連ねています。

④【EHAB】建設現場の気象リスク管理

設立:2015年
今回調達金額:£950K
調達総額:£1.3M
リード投資家:Insurtech Gateway
サービス内容等:
イギリスの企業なのでイギリスのデータなのかなと思うのですが、建設プロジェクトにおける工期遅延の原因で3番目に大きいのが天候によるものとのことで、天候悪化により、工期が21%程度長期化するようです。

このサービスではデータセットをもとにかなり細かな規模(4km×4km)で天候を予測し、施工計画の作成を支援します。この支援により、プロジェクト期間の削減や重機等のレンタルキャンセル料の削減に貢献していきます。(PJ期間は最良で16%、キャンセル料回避で数千ドルの削減に貢献しているとのことでした)

今後保険のサービスも展開していく予定のようで、重大な気象イベント発生後24時間での支払いを約束しています。

⑤【Staykeepers】学生寮等向けの空き室の収益化支援

設立:2015年
今回調達金額:不明
調達総額:$1.4M
投資家:個人投資家
サービス内容等:
個人宅や投資用物件向けにつくられたサービスはよくありますが、学生寮にフォーカスしたこの手のサービスは初めて見たので取り上げてみました。

提供している機能としては、マーケティング、収益管理、ゲスト対応の主に3つです。

1つ目のマーケティングについては一般的なOTAへのリスティングとOTAサイトでの検索順位を上げるための施策実施を行っており、2つ目の収益管理では一般的な収益管理機能だけでなく地域の競合や季節、地元でのイベントなどの要素を考慮してAIが価格の最適化を自動で行ってくれます。最後のゲスト対応は、ゲストの審査と滞在前中後における連絡とサポートを行っており、ゲスト満足度は☆4.3と高い数字になっています。

編集後記

さて今回は5社を取り上げてみましたがいかがでしたでしょうか?

3つ目のFaradai以外は、「これはヨーロッパっぽいな」と思うものがなかったんじゃないかと思います。割とUSなどの地域でも出てきそうな、またはよく出てくる感じのサービスだったかなと思います。

既に分量がかなり多いのですべてに触れるのはやめようと思いますが、個人的に気になったのは、「Faradai」「EHAB」「Staykeepers」になります。

「Faradai」は、シンプルにもう少し深堀をしてみたいなというところと、今までも可視化するようなサービスはちょくちょく見た気がするのですが、このサービスでは、エネルギー使用料金の削減ができたケースが掲載されていて、単に環境や規制対応だけでなく、しっかりと実益にもつながっているというのはわかりやすくてよいなと思いました。また、クライアント企業がかなり豪華で、そういった実益にヒットするサービスであること以外にも特徴があるんじゃないかと思い個別にもう少し深堀したいなと思いました。

「EHAB」は、2点あって、1点は、気候による遅延って日本だとどれくらい影響があるんだろうか、場合によっては日本でもチャンスあるんだろうかというところです。日本の場合、台風であったり集中豪雨であったりそういった自然災害への耐性がそれなりにある気がしていて、確かに工期が遅延する理由として挙がって入るんですがそんなに大きな影響を及ぼしてなかったりするのではないかと勝手に思っていたりしました。(ヨーロッパは地理的にに台風が起きにくいっぽい)もう1点は、工期遅延の第"3"位の理由というところで第"3"位ってそんなにニーズが強いんだろうか?と少し思ってしまったところがあり、今後どのように成長していくのか気になっています。(1位の理由ってはすごくわかりやすいと思ってるんですけど、3位くらいになると思いのほか改善インパクトがそこまでないということになってしまわないかというのが気になってます。)

「Staykeepers」は、これ、実はコロナ明けの今だからこそ意外とニーズあったりしないのかなと思いました。
コロナ禍でも価格帯により勝敗がはっきりしていた話は有名かを思うのですが、その影響で、訪日外客の中でも比較的低コストで泊まりに来ている観光客の方が泊まるホテルに関しては、需要が急激に戻ってくると、需要過多になってしまうなんてこと起きうるのかなと思っています。(データ調べてから言えよという話なのですが)
一方で、そこに間に合わせるように物件を増やすわけにもいかず、中国のゼロコロナ終了に伴い、感染拡大を警戒する動きもある中で楽観的に訪日外客が急増するとみるのも危険な空気感もありという中においては遊休物件をうまく使うチャンスがあるのではないかと。
そうなってくると意外とこの手のサービスは日本でも需要が高まってきたりしそうだなぁとふわっと思った次第です。(ちゃんと投資検討するんだったら、データもちゃんと見ないといけないけど….)

今回は以上です!
久々に5,000文字超になってしまい読みにくくてすみません。
最後まで長文読んでいただきありがとうございました。

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それではまた次回!
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