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【weekly post】2022年5月建設・不動産領域Pre-Seed~SeriesA資金調達inUS

平田拓己

やっと、USの建設不動産領域のみリアルタイムに追いつくことができました!
年初から遅れに遅れまくっていたので、追いつけて少し嬉しいです。
一方で、WeeklyPostは欧州の建設不動産やUS教育・ヘルスケアも見てまして、こちらは全く追いつけてない状態です。
ということで、大変よろしくないのですが、ペース的に全て追いつくのはかなり厳しいので、US建設以外は、ここまでの分を一旦スキップないし、22年上半期総集編的なもので代替させていただいて、直近のものから再開させていただくような感じにしようと思っております。

もし少しでも楽しみにしていただいている方がいらっしゃったら、申し訳ありません。
上半期総集編はなんとかやっていこうと思ってますので、7月中に出せるように準備していきたいと思います。

さて、5月のUS建設不動産ですが、Weekly始めて以来初となる出来事が起きていたり、ここ最近、著名VCをよく見かけるなと思っていて、今月もFounders FundやらFirst Round Capital、Plug and Play、Building Venturesなど入っている案件があり、さらに驚いたのは、Amazon創業者のJeff Bezosのファミリーオフィス(Bezos Expeditions)が投資している案件もありました。

Bezos Expeditionsを始めて見かけたので、ちらっとどんな投資先があるのか触れておくと、エンジニアさんなら馴染み深いかもしれないエンジニア向けQAサービス「stock overflow」財務人材管理SaaS「Workday」みんな大好き「Twitter」などなど様々なサービスに投資しているようです。

それでは早速本編に入っていきます。

5月のサマリー

月別調達企業数推移

綺麗に数字が並びすぎてて、やや作為を感じますが、特に操作をしているわけではありません笑
今月も引き続き20件と高めの水準でした。
前回のWeeklyで触れたんですが、やはり金利上昇などを受け、住宅関連の領域で少しずつ変化が起きる余地が出てきたことが影響してるんでしょうか。
住宅関連の指標の変化などは前回のWeeklyで少しグラフなど用いて書いてますのでよろしければ下記ご覧ください。

■対象企業
所在地:US
対象領域:建設・不動産領域
企業ステージ:プレシード~シリーズA
ファイナンス時期:2022年5月1日~5月31日まで

ステージ分布

冒頭でWeekly始めて以来、初の出来事として書いていたのがこちらのグラフです。
大体毎月、10-20%程度存在してるPre-Seedでのファイナンスが今月は1件もありませんでした。
これが何を示しているか、明確にこれだよねと言えるものがあるわけではないです。
基本的にファイナンスのデータはCrunch baseから持ってきていて、ラウンドの定義もCrunch baseのものを使っているのですが、その定義によると、Pre-Seedは、機関投資家がいないもしくは$0.15M未満のラウンドを指しているとのことでした。
ここからはあくまでも仮説ですが、利上げや上場マーケットのクラッシュを受けアメリカではVCからのファイナンスもかつてに比べ状況が変わっているとのことですし、小さいラウンドで事業検証をして、少しバリュエーションをあげてすぐにファイナンスしようという形で小さく刻むのではなく、集められるうちにできるだけ大きく集めてしまおうということで、$0.15M未満の小さなファイナンスはしなくなっているという見方ができたりするのかなと思いました。

ステージ別平均調達額

その傾向が出てるかもというとやや大袈裟かもしれないのですが、年初来緩やかに上がり続けていたSeriesAの平均調達額は引き続き緩やかに上昇を続けており、直近減少傾向にあったSeedに関しても少し調達が増えています。
引き続きステージ分布とファイナンス額を見ていきながら、仮説が正しそうなのか全然違うっぽいのか見ていきたいです。

領域別調達企業数と調達額

先月は、右側のカテゴリーが多くなるという少し珍しい傾向だったんですが、今月は例月通りといった感じの分布になりました。
PreSeedのファイナンスがなかったこともあり、各カテゴリーの調達額は大きめになってます。


①【Arrived Homes】$100からの小口不動産投資(SeriesA)

Arrived Homes

設立:2020年
今回調達金額:$25M
調達総額:$162M
リード投資家:Forerunner Ventures(協調投資家にBezos Expeditions)
サービス内容等
$100から始められる小口不動産投資のサービスを提供しています。(ちなみに、小口という意味では$10から始められるサービスもあるようです)
この手のサービスって他にも結構あるのですが、特徴的なのは現時点で唯一のSECの認定を受けているというところです。
すでに100を超える物件を取り扱い、取り扱い総額は$42Mとのことで、5/24のYahoo financeの記事によると直近の売出では6軒総額$1.7Mが8分で売り切れたとのことで注目の高さがうかえます。

②【BuildOps】請負業者向け売上・コスト改善SaaS(SeriesA)

BUILD OPS

設立:2018年
今回調達金額:$43M
調達総額:$48.8M
リード投資家:Next47(協調投資家にFounders Fund)
サービス内容等
請負業者向けのSaaSを提供していて、現場とバックオフィスを繋ぎデータを可視化していくことで売上の拡大とコスト削減を支援しています。
提供している機能としては、スケジューリング、作業員さんの管理、見積もり、契約管理、請求、プロジェクト管理(コスト含む)、会計などかなり幅広で、現場向けにはモバイルで簡単に作業ができるようにappも提供しており、できる限り現場とオフィスを行き来しないで済むように機能設計がされているようです。

③【Ownwell】固定資産税節税(Seed)

Ownwell

設立:2020年
今回調達金額:$5.8M
調達総額:$5.8M
リード投資家:First Round Capital
サービス内容等
住宅の固定資産税を成功報酬形式で削減するサービスです。
固定資産税は、資産の評価額に応じて決まりますが、その資産価値について「Property Tax Appeals」(直訳:固定資産税不服申し立て)を起こすことができるようです。
Ownwellに物件の住所等を入力すると節税額を簡易的に見積もり、正式に依頼をすると不服申し立てのプロセスを勧めてくれるというものになります。
削減ができなければコストは一切かからず、削減できた場合に25%を成功報酬として支払うというものになります。
固定資産税の平均節約額は、$1,457とのことだったので改善インパクトはかなり大きいですね。

④【Finish Robotics】自動塗装ロボット(Seed)

Finish Robotics

設立:2021年
今回調達金額:非公開
調達総額:$150K
リード投資家:99 Tartans
サービス内容等
カーネギーメロン大学系スタートアップでシリアルアントレプレナーの方が創業されています。
ロボット制御を行う独自のAIシステムを開発しており、作業時間を最大75%削減できるとのことでした。
すでに初期のパイロットプログラムを終えており、年内にさらにプログラムを拡大して建設現場に導入していくようです。

編集後記

今回は4社取り上げました。
前回は、建設不動産ど真ん中というよりかは、少し本筋から逸れたものが多かったですが、今回は割とテーマに近い内容だったかなと思います。

個人的に面白いと思ったのは2つ目に取り上げた売上・コスト改善SaaSと3つ目の固定資産税削減サービスでした。

2つ目の方は、中小事業者さんにとっては魅力的に見えるサービスだなと思いました。SaaSというと、割と業務効率改善が中心で、コスト削減しましょうという訴求が多いと思っているのですが、少なくとも日本国内で色々な方とお話ししていると、コスト削減という軸が刺さりやすいのは、すでに売り上げが一定ある大きめの企業で、中小企業の場合は売上拡大の軸の方が大事な印象を持っています。(おそらく中小事業者さんからすると、売上事態がめちゃくちゃ大きいわけでもないのでコスト削減しても得られるインパクトが大きくないから、天井のない売上拡大の方が足元は大事となるのではないかと思っています。)

どの程度貢献できているのかは分かりませんが、売上貢献もしっかりできるサービスになると中小事業者さんにスムーズに入っていくんじゃなかろうかと思いました。

3つ目の方は、法的手続きの代理というのも面白いなと思いましたけど、toCで成功報酬でやるサービスも珍しいなと思いました。
サービス内容的に、普通に弁護士さんに依頼すると考えれば(もちろん手付金はかかると思いますが)成功報酬だと思うので、「当たり前か…」とも思うんですが、それなりに手間もかかっているだろうと思うので、高い確率で申し立てが通ることがわかっている(自信がある)のだろうと思います。
そういう意味では、この課金モデルを真似してみるようなサービスが他に出てきても面白そうだなと思いました。

ちなみに、資産価値評価についての不服申し立てですが、そんなにコンスタントにやるものでもないのかなと思ったら、サービスとしては年1回くらいやることを推奨していたので、もしかするとLTVも結構高いかもしれないです。

今月は以上になります。
今月はPreSeedのファイナンスがないなど、もしかすると利上げやマーケットクラッシュの影響を受けてるかもしれないような傾向が出てきたので、引き続きそのあたりの動向は意識して取り上げてみたいなと思います。

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平田拓己
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