経営しているイタリアンで創作寿司を披露したい。元自動車デザイナー矢部さん
江戸前寿司集中特訓コース第141期の卒業生に卒業後の進路についてお話を聞きました。
(写真左:平田さん 写真右:矢部さん)
編集部:矢部さん、平田さんよろしくお願いいたします。平田さんは福岡県出身の30歳ということで
平田さん:もう31になりました。
編集部:自動車販売のお仕事をされてたんですよね?
平田さん:はい。当時、2014年にアカデミーの福岡説明会に参加させてもらって、そこからずっと検討してたんですけど念願叶ってやっと入学できたって感じです。
編集部:オーストラリアを目指されているんですよね?
平田さん:そうですね。ワーキングホリデーのビザを取りました。なんですけど、まだちょっと悩んでいて。
編集部:どうしてオーストラリアなんですか?
平田さん:特に深い理由は無いんですけどカナダとか、オーストラリア辺りのワーキングホリデーのビザはすごく日本人が取りやすいと聞いて。で、どっちかってなったら、じゃあ暖かいほうが良いかなってホント軽い理由で決めたくらいです。
やりたことが何も無かったので、そういうのを一回やってみるのも良いんじゃないかと思って。
編集部:矢部さんは現在、中国でイタリアンレストランを経営されているそうで。どれくらいやられてるんですか?
矢部さん:はい。2013年からなので5年ほどやってます。その前は日本で働いてました。
編集部:中国でお店を開こうと思ったのはどういったきっかけなんですか?
矢部さん:まぁ、開こうとは思ってなかったんですけど、知り合いがイタリアと関係のある方で、イタリアンレストランを出したらどうだということで声をかけてもらいまして始まりました。
編集部:ご自身もシェフとして働かれてるんですか?
矢部さん:そうです。
編集部:イタリアンシェフの経験は長いんですか?
矢部さん:いえ。その前は僕も自動車の仕事をしてて。デザインとか、試作とかそういう関係でした。飲食についてはずっと前から興味があって、イタリアの大学にいる頃に色々アルバイトとかして、それが飲食業との出会いでした。
編集部:イタリアンのお店ではお寿司をどんな風に提供されるんですか?
矢部さん:前菜とか、まぁ、前菜に限らず使いたいなって思ってます。今日、バラちらしっていうのをやりましたけど、あれをシーフドサラダみたいにしてもいいですし、ちょっと変わったことをやっていこうかなって思ってます。
編集部:現地のお客様のお寿司への関心度は高いですか?
矢部さん:そうですね。中国の方は韓国料理とか、日本料理とかベトナム料理はよく食べますね。距離が近い国の食べ物ほど食べる頻度が高くて、イタリアンとか、ドイツ料理とか距離の遠い国の料理は食べる回数も1ヶ月に一回とか3ヶ月に一回食べればいいっていう位置づけじゃないでしょうか。
編集部:イタリアンレストランでお寿司を試してみて評判が良ければお寿司の専門店を立ち上げようみたいなお考えはあるのでしょうか?
矢部さん:お寿司の専門店は今の所は考えてないですね。まぁ、年齢のこともあるんですけど。アカデミーで二ヶ月で技術は学べますけどお店の経営となりますと変化があった時に対応するにはどうしても経験が必要。だからそういうシェフにやってもらった方が良いとは思いますね。
編集部:経営者の目線で、今回一緒に受講された方の中でスカウトしたいなって方はいましたか?
矢部さん:それはもう平田くんなんかそうですよ。
平田さん:爆笑
矢部さん:もうちょっと大人になんなきゃいけないけどね(笑)
平田さん:おっしゃる通り(笑)
編集部:矢部さんからオファーがありましたけど中国はいかがですか?
平田さん:もう少し経験を積んでからお願いします(笑)
編集部:海外がやっぱり興味があるんですか?
平田さん:そうですね。見てみたいなっていうのはあります。
編集部:海外はどんなところに魅力を感じているんですか?
平田さん:かなり漠然としてるんで。語学にしてもそうですし、まぁ、働く手段のひとつとしてこの学校良いなっていうのは最初思っていたことではあるんですけど。
矢部さん:海外にまだ行ったことがないからね。行ってみればまた考えが変わってくることもあると思うけどね。
平田さん:そうですね。ただ憧れだけで喋ってるんでなんとも言えないっていうのが正直なところです。
矢部さん:僕なんかは彼に期待するのは東京すしアカデミー出て、ミシュランの星を取るようなシェフになってもらいたいんです。ミシュランていうのは我々西洋料理のシェフの中では大事なひとつの評価みたいなもので、日本でもお寿司は結構色んな所がミシュランの星を取ってますよね。
平田さん:ふふふ
矢部さん:学校の名前が高まるのはそういうところですよね。何人卒業生がいてもさ、二つ星、三ツ星、そういうシェフが出ればね、学校にとっては良いことなんじゃないですか?
編集部:そうなんです!学校のこともまで考えていただいてありがとうございます(笑)
平田さん:照れ笑い
矢部さん:彼なんかはチャンスがありますよ。そのかわり死ぬ気でやんないとね。世界中の人がミシュランの星を取ろうと思って、しかも才能のある人たちがすごいシェフのもとでやってても取れないわけですから。生半可じゃ出来ないですよ。だけど可能性がないわけじゃないよね。ぜひ頑張ってもらたいですね!
編集部:スターシェフになっていただいて、学校で後輩たちに講演していただけるとすごくありがたいですね。
矢部さん:せっかくやるんだったらね。そうすると国は選ばないですよ。どこの国でやりたいとかじゃなくて、どこでもできるから。
平田さん:そうですね。こんな感じで、学校入ってから色んな方とお話させていただいて考え方もかなり変わってきてて、全く選択肢になかったこともちょっとどうなんだろうって考え始めてます。
編集部:例えばそれはどんなことですか?
平田さん:日本で少し修行するとか。いきなり海外行くことばっかり考えていたんですけどそういう選択肢もありなのかなって。
編集部:アカデミーの元講師で、今は『鮨かねさか』という高級店で店長をやっている薄葉さんという方がいるんですが、先月講義をやってくれて、その中で海外を目指している生徒さんが質問したんです。
海外で働きたいんですけど国内でも経験積んだほうが良いんでしょうか?って。薄葉さんは日本で修行積んだほうが良いよっていう答えだったんです。海外に行くと、教えてくれる人がいないんですって。
そうなると学べない。上達しないっていうのがあるので、日本で、詳しい方がいるなかで経験積んでも良いんじゃないかって言ってましたね。
平田さん:なるほど。
編集部:今日はありがとうございました。ご卒業おめでとうございます!
※この記事は2018年8月に東京すしアカデミーのWEBサイトで公開されました。
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