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浦和のマイホーム #鮨乃すけ

 カウンター鮨の食べ歩きを初めて早1年。そろそろ自分も"ホーム"と呼べる鮨屋があるのではないかと考えた時に思い浮かぶのがここ、浦和の鮨乃すけさん。簡単にホームなんて呼ぶのはおこがましいかもしれませんが、去年だけで10回お世話になったお店なので許してください。

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登美粋さんの車海老と箱崎親方

 ホームと言えば家族。家族で言えば箱崎親方は父親のような存在でしょうか。鮨屋とは何たるか、対話を通して教えていただいた気がします。客とどんな関係を築いていくかは、人によって個性の出るところです。私は親方の雄弁に語る姿が好きです。"みんな違ってみんないい"ではなく"俺のこだわりはこれなんだ!"と言い切るのが難しい時代ですが、鮨屋はしつこいくらいに"個"を主張していいと思うんです。

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「重力に負ける中トロ」鮪は稲良さんから

 カウンターの醍醐味である板前さんとの対話それ自体もここで学びました。出てきた鮨をすぐに食べる、これだけ見れば一瞬ですが、この裏には相当の時間と手間と努力が隠されていて、それを知るには板前さんと直接話すしかありません。どこで獲れて、どの経路でここまで来て、どう仕込まれて、どんな思想の下で提供されているのか、この一連の流れを知ることで美味しさが一層増す気がするんです。いい意味で"頭で食べる"ということ?逆に言えば、裏にある努力や思想を知らずにその店を評価するのは"頭を使わずに食べる"ことであり、失礼な気がしてしまいます。

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箱崎親方は白雲丹(=紫雲丹)にこだわる

 乃すけさんも1年で変わりました。初めの頃はネタの上に薬味を乗せることもあったように記憶していますが、今では薬味も皮剥の肝も全てシャリとネタの間に忍ばせるように。外は着飾らず、"能ある鮨は薬味を隠す"ような凛とした姿が個人的に好みです。最近ユーチューブに取り上げられてからはパフォーマンスと撮影ポイントが明確になり、より一層楽しい鮨屋にもなりました(笑)。箱崎親方は今年1月11日から新店舗の鮨はこざきをオープンされました。これからは親方の第2ステージを楽しみに、そして新たな鮨乃すけの更なる発展を願って、ホームへ通い続けようと思います。

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親方の新店「鮨はこざき」は鮨乃すけの目と鼻の先
こちらの鮪は結○花さんから仕入れるとのことで期待が高まる

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