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エニアグラムについて part2~センターによる分類~

エニアグラム診断をやってみると、自己発見、自己理解が深まると思います。
では、9つのタイプそれぞれの特徴を簡単に説明します。


タイプ1:改革する人
一貫性や良識で他の人を導く。一方、完璧主義で憤慨する場面が増えることも。
タイプ2:助ける人
寛容さや癒しの力で輝く。一方、人を喜ばせることに走りすぎる。所有欲に悩む。おせっかい。
タイプ3:達成する人
優秀で真正であることの模範となる。一方、成功や地位を闇雲に求めてしまう。
タイプ4:個性的な人
創造性や直観力を発揮。むらっ気があって、自意識に足をひっぱられることも。
タイプ5:調べる人
未来を見通す知性や独創性がある。一方、エキセントリックになり孤立することも。
タイプ6:忠実な人
サービス精神や献身の見本となる。一方、不安や反抗心に悩まされる。
タイプ7:熱中する人
多くを達成し生き生きしている。一方、衝動や短気に襲われる。飽きっぽい。
タイプ8:挑戦する人
パワフルで寛大なリーダー。一方、他人を威嚇したり支配する。
タイプ9:平和をもたらす人。
人をまとめ葛藤を癒す。一方、消極性や頑固さに足を引っ張られる。

複数が当てはまったり、全部を持ってるよ!という気持ちになったりするかもしれません。
それは、この要素は元々誰もが持っている本質的なものだからなんだと思います。
しかし、実生活の体験を通して振り返れば、各個人によってその偏りはどこかに出ているはず。

そして、エニアグラムタイプはこの9つを更に2つに分けて、18通りの分け方へと細分化していきます。
それぞれのタイプの横のタイプ(タイプ3なら1か2)に近い、というサブタイプまで決めていくとさらに詳しい分け方が出来ます。これにはさらに詳しいテストが必要です。

誰でも、きっちりそのタイプに当てはまる訳ではないけど、どこに比重が大きいかを自覚しそこにいったん軸を立てることにより、自分が無意識に見ている世界の姿、そのフィルターを意識することが出来ます。

更に面白いのが、この9つのタイプは3つのグループ分けをすることが出来ます。
分け方としては、それぞれのタイプがどこの欠損から生じたのかという分け方です。
これは人間が生まれて、乳児、幼児期と成長していく中で、主に親との関係で築かれた世界の中で欠けていると、無意識に感じている部分から来ていると考えられます。
その3つとは
『本能』『感情』『思考』

人間にとって大切なこの3つが欠損の原因となっているグループがそれぞれ3つずつで分けられています。見ていきましょう。
エニアグラムでは、この3つの分け方のことをセンターによる分類と言います。

①本能の欠損から出来たタイプ(センター:本能)


タイプ1:改革する人
タイプ8:挑戦する人
タイプ9:平和をもたらす人
この3タイプです。

改革しようとしたり、挑戦したり、平和を愛したりするポジティブな行動の裏の欠損にあえて目を向けましょう。

そこには本能の欠損があるというのです。
表面だけを見ていると信じられない気がしますが、心の奥深くに本能の欠損を抱えていると判断します。
どういうことかというと、自分の生命の生存を守る。自分自身の縄張り、領域をまもりたいという欲求が深いところにあるのです。どうしてこの欲求が生まれたのかというと、幼少期に親からの干渉によって自分の自立性を保てなかった経験があったからと考えられます。そこが欠けていると思うから、自立を目指し、変えていかなきゃ、挑戦しなきゃ、平和でなくては、という衝動で動くことになります。
親から具体的にどう言われたかより、本人がそれをどう受け取ったか、ということが大切です。幼少期ながら、その言葉のニュアンスや背景を読み取って、落とし込んでいるのです。
タイプ、1,8,9の人はそういった本能、アイデンティティの確立に難があると無意識に思い込んでいるから、そこを求める強烈なパワーがあるのです。

②感情の欠損から出来たタイプ(センター:感情)


タイプ2:助ける人
タイプ3:達成する人
タイプ4:個性的な人

この3つタイプは人を助けたり、達成しようとしたり、自分らしくあろうとします。その裏にどんな欠損があるのでしょうか?
これは感情、イメージの欠損です。良いイメージでありたいという思いです。元々は親が自分をどう見ているのか気になるという感覚があったのでしょう。いつの頃からか、ありのままのイメージでは愛されないと思い始めたのです。
だから人を助けたり、何かを達成したり、人とは違う自分を求める、そんな衝動が突き動かすのでしょう。無意識にイメージアップを図ろうとしてしまう面があります。
ですので、このタイプは他人からの評価を気にする傾向があります。認められているのか?愛されているのか?「関心」が大事。それが大きなパワーとなるのです。

③思考の欠損から出来たタイプ(センター:思考)


タイプ5:調べる人
タイプ6:忠実な人
タイプ7:熱中する人

よく世の中のことを調べたり、社会に忠実であったり、何かに熱中することの裏にどんな欠損が眠っているのでしょうか?
これは思考的な概念の欠損です。

世の中に対して、思考的な理解にかけていると無意識に思っているから、一生懸命調べます、社会の常識に忠実です、そして色々なことに手を出して、知らないことが無いようにしたいのです。もしかして、幼少期に自分は世界のことが分からない。分からないと安心できない感覚を持った経験があったのかも知れません。
なのでいつも、思考的欠損を思考の力で補おうとします。考えていないと不安なのです。安心を得たい思いがパワーになっているのです。

このように3グループに分けて根源的なところからの欠損を考えてみました。

エニアグラムの特徴はここにあって、一見ポジティブに見えるところを、ひっくり返して、その裏でそれを支えるネガティブな面に注目するのです。
ここが面白いし、ちょっと初めは受け入れがたい思いもあるかもしれません。
しかし、しかし、よくよく自分と向き合うと納得がいくのです。
腹に落ちるのです。
ここがとても大切だと思っています。


エニアグラムは統合へ向かうプロセス。陰陽の統合です。

この観点が出来ると、感情から自由になれます。どうしても、自分の性格にジャッジを入れがち。価値観に固執しがち。
そこで、一度ネガティブ側からひっくり返して、冷静に俯瞰するのです。
そうして、初めて過去のことをたくさん振り返ることが出来ます。
良くも悪くもわたしらしいというところに落とし込めたら、徐々に自分を受け入れているサインです。

今日はエニアグラム9つのパターンの簡単な説明。そして、人間にとって大切な3要素、本能、感情、思考の3つ、どの部分の欠損からその性格が生まれているのかを3グループに分けて(センターによる分類)理解を深めました。

自分の欠損、傷に目をやるのは、そんなに楽しいことではありません。
でも、傷は気付きに繋がります。(シャレです)

どんどん自己を観察していききましょう。

次はもう少し、それぞれの性格パターンを深く説明していきます。