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日常にエロが足りない(2月エッセイ③)

エロ自由律俳句に自分の作った俳句を載せられたい。
エロ自由律俳句とは、お笑いコンビ・かが屋の加賀翔さんと放送作家の白武ときおさんが「エロ」をテーマに自由律俳句を詠むというクイック・ジャパンでやっている連載である。X(旧:Twitter)のおすすめ欄に唐突に現れた「前の恋人の影響を持ち寄っている」という俳句に心を掴まれた。それから遡って、色々な俳句を眺めていると、読者投稿のものがあることを知った。
何とかしてここに自分の俳句を載せてもらいたいと思った。3つくらい考えて、そこから全く俳句が浮かばなかった。自分の中のエロが圧倒的に枯渇している。

最近アイドルの特典会に行った際に、推しから「最近全然可愛いって言ってくれない」とクレームを受けた。たしかに「可愛い」以外のポジティブな言葉を全然知らないから相手を具体的に褒めるという行為を怠っていたし、唯一の「可愛い」というカードすら切っていなかったことに気づいた。女性を褒める言葉をほとんど持ち合わせていない人間には、エロどころか恋愛的なシチュエーションを描写した表現をすることは土台無理な話だ。
友人の女性と飲んでいる時に、髪型の違い、カラコンの違い、メイクの違いを気づいて褒めないとダメだと言われた。ほとんど気づけない。仮に気づいたとしても恥ずかしくて言えない。

恋愛、友情、ビジネス、どんな人間関係も、自分に感情が向いている間は安心しきってしまう。会社でもまだ新人だから、『わかんなかったら後で聞けばいいや』というスタンスで仕事をしているけれど、そろそろ色々なことを知っている前提で話が進んでいく。その場その場で話を理解して、分からなかったら質問をしないと、置いていかれる。でも、まだ大丈夫でしょ?と気が抜けた状態が続いている。
本当は感情が向いている間にたくさんお返しをしなければいけないのだけれど、感情が自分に向かなくなってから焦って行動を起こす。愛想が尽きてからの行動にはほとんど意味がない。

自分の中にエロが足りていないから俳句が思い浮かばないと思っていたら、バキ童ことぐんぴぃさんがゲストで出ている回があった。読まれた俳句にはお二人とは全く違う視点からエロを捉えていて、凄みを感じたし、すごく面白かった。同じ土俵に上がるだけじゃなくて、自分の立場で一番面白い表現をする。自分にないものを追いかけるのはやめようという気持ちと、まだ若いから何とかなるんじゃないかという気持ちが錯綜している。

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