【伊豆ぽた×宮ぽた交換留学編 Ep2《下田で海の街巡り!》】SURUGA Cycle Journal Vol.135
伊豆急行さんとの共同企画「伊豆ぽたでサイクリング」と、富士宮市さんとのコラボ企画「宮ぽた」の豪華なコラボ、「伊豆ぽた×宮ぽた交換留学編」第2回目です!
お互いのエリアへ出張し、それぞれのホームタウンで立ち寄りスポットをご紹介していくこの企画。第1回では富士宮市の朝霧高原を巡り、富士山麓の大自然で緑豊かな景色とグルメを堪能しました。
第1回の記事はこちら
今回は伊豆急行さんのホームタウン、伊豆半島南部の下田をポタリングで巡ります。下田といえば白い砂浜の美しい海。そしてペリー提督率いる黒船来航により、開国の舞台となった場所です。
ナビゲーターは、伊豆ぽたチームから伊豆急行の春田さん(右)、宮ぽたチームから富士宮市職員の臼井さん(左)、山本さん(中央)の3名です。
宮ぽたチームは「リゾート21」のキンメ電車で伊豆急下田駅に到着。下田には初めて来たというおふたり。可愛い車両と車窓から見た景色で気持ちが高まっています。伊豆急行の春田さんと合流して、ここから自転車旅が始まります!
伊豆急行の観光列車「リゾート21」は、海側を向いた座席や前面展望席を備えた、見て楽しい・乗って楽しい電車です。こんな豪華な見た目なのに全車自由席の普通電車なんです!「キンメ電車」「黒船電車」の2種類あり、それぞれ伊豆の名産「金目鯛」、下田に来航した「黒船」をイメージしています。伊豆急行の公式サイトに時刻表が掲載されているので、チェックしてみてください。(黒船電車は2023年7月頃まで検査のため運行休止中です。)
伊豆急下田駅でレンタサイクル「伊豆ぽた」をレンタルして、これから下田の美しい海と街を巡るぞ!と意気込む3人。晴天で最高のお天気なのですが、とても…とても風が強い。ここは無理せず安全運転で行きましょう。それでは下田巡りの旅スタートです!
まずは「伊豆白浜アロエの里」にやってきました。温暖な気候がアロエの栽培に適しており、白浜の板戸(いたど)地区にはアロエが多く自生しています。特にアロエが多く自生していたこの場所を、20数年前に地元有志が手入れをして「アロエの里」と名付けました。
背が高くて生命力あふれるアロエたち。アロエの花言葉は「万能」「健康」で、アロエが古くから民間薬として利用されていることに由来しているそうです。
撮影をした12月中旬にはアロエの花が見頃を迎えていました。アロエで作られた巨大なクリスマスツリーを発見!どうやって作ったんでしょうか。
例年、花が咲く時期に合わせて「アロエの花まつり」が開催されています(今年度は2022年11月26日から2023年1月9日の開催で終了しています)。海岸沿いに1km続くアロエ遊歩道は往復で約30分。
真っ赤なアロエの花と青い海・空を眺めながらのんびりと散歩していたら、まるで南国に来たような気分。ちなみに、伊豆半島に多く見られるアロエはキダチアロエといい、木のように立つ姿が和名の語源と言われています。
遊歩道の脇にピンク色のドアを発見!これはもしかして…遊び心のあるフォトスポットですね。
アロエの花まつり会場の売店では、アロエ製品や白浜の郷土料理「さんま寿司」などの地場産品が販売されています。
店内で無料サービスのアロエ茶をいただきました。スッキリとして飲みやすく、冷えた体が暖まります。地元ではアロエのことを「医者いらず、医者泣かせ」といい、火傷や切り傷の症状緩和に活用しています。
続いては、伊豆半島最大の海水浴場「白浜大浜海水浴場」にやってきました。白浜でもメインとなる海水浴場で、南北に約800mの広々とした開放感あふれる砂浜が広がります。砂浜が国道に面していて、国道沿いにはマリンスポーツのレンタルショップや、食事のできるお店が立ち並びます。海水浴のシーズン中は多くの観光客で賑わいます。
スタートから弱まることのない強風でしたが、下田といえば白浜海岸!せっかくここまで来たので、綺麗な海をより近くで見るため波打ち際まで行ってみました。
名前のとおり白く美しい砂浜と、透明度が高いコバルトブルーの海が本当に美しく、県外から多くの方が訪れるのも納得です。普段なかなか海を見る機会がないという、宮ぽたチームのおふたりも感激していました。冬でも泳げるんじゃないかと思うほど透き通った海。次は夏に来て泳ぐぞ!と心に誓って海水浴場を後にします。
白浜海岸の美しい海を眺めながら海岸線を南下し、次の絶景スポット「爪木埼(つめきざき)」に到着しました。見てください!この青く澄み切った海、青い空、丘の緑。ここは楽園でしょうか…。
爪木埼は伊豆半島南東部にある岬です。岬の先端には水仙の群落地があり、ピーク時には300万本もの水仙が花を咲かせます。毎年12月20日から翌年1月31日には「水仙まつり」が開催されます。地場産品の販売や飲食ブースが設置されて、多くの観光客で賑わいます。
丸太のベンチでひと休み。観光パンフレットに載っていそうな写真が撮れました。右側にうっすら見えているのは伊豆七島の伊豆大島です。
水仙まつり開催前の12月中旬に撮影を行いましたが、水仙の花が少しずつ咲き始めていました。顔を近づけると、爽やかで甘みのある香りがしました。見頃の時期には、可憐な水仙が一面に広がり、あたりが水仙の花の香りに包まれます。
「野水仙群生地」の石銘板を発見しました!まばらですが、丘の斜面に白い水仙の花が咲いていますね。
水仙の見頃には少し時期が早かったですが、真っ赤なアロエの花が咲き誇っていました。鮮やかな赤い花と青い空・海のコントラストが見事です。
水仙群落地の奥には、青い空を背景にそびえる白亜の灯台「爪木埼灯台」があります。灯台の先端からは、伊豆七島や10kmほど沖合に浮かぶ神子元島(みこもとじま)を見ることができます。
美しい景色で心が癒された後は、下田の市街地を観光しましょう。下田港は幕末にペリー艦隊が入港し、開国の舞台にもなった歴史的にも重要な港です。そんな幕末開港歴史の港である下田港を、遊覧船に乗って一周する予定だったのですが…強風のため欠航。残念ですが安全第一なので仕方ないですね。
遊覧船の「サスケハナ」号が、乗り場に停泊していたので記念撮影しました。ペリーの黒船を再現したデザインがお洒落でかっこいい!
ちなみに遊覧船の乗船時間は20分で、海岸沿いの街並やペリー艦隊の停泊所、南伊豆の遠景が楽しめます。秋から春にかけては船から「カモメの餌付け」体験ができます。うーん、乗りたかった!別の機会にリベンジしましょう!
そろそろお腹が空いてきました。「道の駅開国下田みなと」1階中央棟の「地魚の御食事処 さかなや」さんでランチにしましょう。下田港に隣接しているので、新鮮な海の幸がいただけます!
本日のおすすめ「地あじ刺身定食」と、人気No.1メニュー「脂金目のづけ丼」を注文。下田港は金目鯛の水揚げ量が日本一で、下田で水揚げされる8割が金目鯛と言われています。
食券の番号が呼ばれたらカウンターまで料理を取りに行くシステムです。づけ丼の脂金目も、地あじの刺身も輝いています。
「地あじのお刺身」は切り身のサイズが大きくて鮮度抜群!小鉢が付いてくるのも嬉しいですね。
イチオシの「脂金目のづけ丼」は身がプリプリ。甘味のあるづけ丼のタレがこれまた絶品!港町で食べる海鮮は最高ですよね。下田に来たらぜひ金目鯛を食べていただきたいです。
食後は「道の駅開国下田みなと」で楽しみましょう!電動キックボードのレンタル実証実験を行っていたので、体験させてもらいました。(2022年9月10日から2022年12月31日までの期間限定。現時点ではレンタルは終了しています。)
下田市観光協会が下田市から委託を受け、街中の新たな交通手段の創出として行われた実証実験です。
電動キックボードは原動付自転車に分類される車両です。利用には運転免許証が必要で、車体にはナンバープレートがついています。
利用のルールや操作方法の説明を受けて、いざ実践!
みなさん初体験とのことで最初は恐る恐るでしたが、難しい操作はないのですぐに乗りこなせていました。バランスを取るのが難しいかと思いきや、足を乗せる部分が広く安定していてスイスイ走れます。
これで街巡りをしたら絶対に楽しいですね!下田の街にも電動キックボードのレンタルが開始される日が来るかも?レンタサイクルもそうですが、移動手段の選択肢が増えると街巡りがさらに楽しくなりますね。
続いては「道の駅開国下田みなと」4階の「ハーバーミュージアム」を見学しましょう。
伊豆半島の生い立ちや下田の歴史、日本の開国までの道のりを、貴重な映像と復元模型で紹介している展示室です。
下田湾のジオラマや、昔の下田の写真展示など、美しい自然とこの町が歩んだ歴史を、パネルや精密な復元模型で紹介しています。
鎖国に終止符を打つ黒船来航を受け入れた下田。古代から現代までを時系列で展示しているので、誰でも分かりやすく下田の歴史を学べます。
伊豆急行開通の下田駅の写真も残っています。昭和36年の開通により、伊豆半島は東京からもアクセスのしやすい観光地として大きな注目を集めました。
「ハーバーミュージアム」併設の「JGFAかじきミュージアム」では、毎年下田で開催されている国際カジキ釣り大会の歴史や魅力を紹介しています。
下田・伊豆諸島は昔からカジキの釣り場として有名です。国際カジキ釣り大会は、カジキ漁で栄えた漁師町の伝統を受け継ぐ大会です。
等身大のカジキのレプリカがめちゃくちゃ大きい!こんなに大きなカジキを釣り上げるなんて…漁師さんたちは偉大です。
釣り船を模したディスプレイでは、カジキ釣りの気分が味わえます。釣る魚のサイズが巨大なので、釣竿も大きくて立派です。
「道の駅開国下田みなと」で楽しんだ後は、下田海上保安部から下田海中水族館まで続く海岸沿いの道、「ベイサイドプロムナード」をポタリングしましょう。湾内の小島や防波堤、灯台など、下田湾の景観をゆっくりと楽しむことができます。遊歩道が整備されているので、海を眺めてのんびり過ごしてもいいですね。
吊り橋で渡れる小さな無人島「雁島(かねしま)」に立ち寄りました。こちらで釣りを楽しむ方も多いそうです。
無人島に立派な吊り橋が掛かっています!早速渡って上陸しましょう。
島内はごつごつとした岩場が多いので、足元には気をつけて進みます。探検のようで少しワクワク。
「きんめだいの魚霊碑」がありました。金目が有名な下田ならではですね。
島の1番高い場所には、「石室神社」という小さな社があり、下田の船乗りの方々を見守ってくれています。
海沿いの景色を楽しんだ後は、「ペリーロード」にやってきました。幕末に黒船で来航したペリー艦隊が、日米下田条約締結のために了仙寺(りょうせんじ)まで行進したことから名付けられた道です。レトロな街並みが美しく、下田の代表的な観光スポットのひとつになっています。
平滑川(ひらなめがわ)沿いを石畳の道が続き、伊豆石やなまこ壁の家並みが特徴的です。いずれも江戸末期から明治、大正あたりまでの建物が多く、下田の街並を代表する建物です。さらさらと風に揺れる柳並木が独特の風情を醸し出しています。
ここは自転車を押し歩きして、のんびりと街並みを眺めるのがおすすめです。あじさい祭で有名な下田公園や、日露和親条約締結の場所である「長楽寺(ちょうらくじ)」があり、年間を通して多くの観光客が訪れるエリアです。
ペリーロードを抜けて「了仙寺」に到着しました。1635年(寛永12)に下田奉行の今村伝四郎正長(いまむらでんしろうまさなが)によって創建された、日蓮宗のお寺です。そして1854年(嘉永7年)に締結された日米和親条約の付加条約として結ばれた、下田条約の交渉・締結の場です。
黒船で来航したペリー提督一行は、了仙寺で日本側と条約の細かい規定(日米下田条約)を定める話し合いを行いました。鎖国以来、日本で最初の開港場となった下田。日本の民間異文化交流は、日米下田条約締結の地「了仙寺」で始まりを告げました。
了仙寺は「アメリカジャスミンの寺」としても有名です。境内から参道にかけて数百株が植えられ、5月中旬〜下旬に満開となります。満開の時期にあわせて「香りの花祭り」も開催され、周囲が甘い香りに包まれます。
了仙寺の敷地内の「MoBS(モッブス)黒船ミュージアム」を見学しましょう。
入口を入ってすぐ、大きなペリー提督のお顔がお出迎えしてくれます!こちらは幕末当時に日本人が描いたものだそうです。みんなで顔真似してみたら、全員渋い表情になりました。
エントランスホールは撮影OKなので、パネルと一緒に記念撮影はいかがでしょうか?(※展示室の撮影はNGです。)
無料で立ち寄れるミュージアムショップでは、黒船にちなんだオリジナル絵葉書やお土産品の販売を行っています。
壁際にずらっと並んだポストカードは、黒船ミュージアムが所蔵している図録の中からセレクトされた絵を用いています。ポストカードを眺めているだけでも見応えがあります。
有料の展示室は、『日本人が見た外国人、外国人が見た日本人』をコンセプトにした歴史ミュージアムとなっています。
黒船来航を日本人が描いた絵巻物や肉筆画、錦絵、かわら版、海外で出版・作成された日本についての版画など、約3000点にのぼる所蔵品の中からさまざまな歴史書物等を展示しています。
教科書やテレビで見る黒船・開国の画像の多くはここから提供されています。黒船シアターでは、小学生のお子様にも分かりやすいよう、噛み砕いた内容のビデオ上映が見られます。難しい歴史を分かりやすく学べるため大人の方にも好評です!
下田旅の最後は「NEED U(ニード・ユー)蓮台寺駅店」さんに立ち寄ります。
2022年9月にオープンしたコーヒースタンド&オーガニック食品の販売店です。伊豆急行の無人駅「蓮台寺駅」の駅務室を活用した新しいカタチのお店です。
店舗を出すことによって無人駅に人が集まり、地域が盛り上がっていくことはもちろん、駅の防犯対策にもなればという想いが込められています。
「無人駅をたのしもう」がテーマ。地域の方々をはじめ、駅を利用する学生さんや観光客の方々に楽しんでもらえるよう、こだわりのメニューが揃っています。ドリンクの他に、ホットサンドやベーグルなどの軽食メニューもあります。店頭で販売されているオーガニック食品もチェックしてみてください。
コーヒーと季節限定のホットジンジャーラテをいただきました。小さなカウンター越しにドリンクを受け取るのっていいですよね。
コーヒーもジンジャーラテもいい香り。冷えた体が温まりました。駅を利用しなくてもふらっと立ち寄りたいお店ですね。
透き通った海や美しい景色、開国の歴史ある街並みを楽しんだ下田の旅はここまで。潮風を感じながらのポタリングはとても気持ちがいいです。レトロな街並みと、港町ならではの海の幸を堪能しにお越しください。
「伊豆ぽた×宮ぽた交換留学編」では、それぞれのホームタウンの立ち寄りスポットをご紹介しながら、ポタリングで街巡りを楽しみました。気になるスポットにふらっと立ち寄れて、景色を見ながら風を感じて走れる自転車。街巡りの移動手段としてぜひご活用ください!