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Leica Summicron M 50mm f2 4th (ライカ ズミクロン) のすゝめ

長い間フォクトレンダーAPO-Lanthar50mmをライカm10Rにつけてライカライフを充実に送っていました。ある日、ふと入ったカメラ屋さんで中古のズミクロン50mm4thを手に取り試し撮りをしてみたのだが、液晶画面をみて衝撃が走った。「何か」が違う。APO-Lantharの超解像とは違い自分の写したい抽象的な「もの」を写してくれる。巷に言われるライカは空気も写すと言うのも理解できた気がした。

家に帰ってからは自分の取る写真と睨めっこしては何かが違う感覚と押し相撲するという日々を送ることに。この時点でもうライカレンズの魔法にかかってしまっていたのです。こうなってからの行動は早く、持っている機材を整理してズミクロン50mm4thを買うことになった。

帰り道にふと撮った写真がこちら。

教会の前でくつろぐ女性。

光をこんなに柔らかく写せるのかと感動したのを今でも鮮明に覚えている。フォクトレンダーの写りを決して貶すつもりはない。コントラストが強くカミソリのようにシャープに被写体を表す。金属に関しては光沢が浮き上がる感覚ですら湧き上がる。だが時にそれは光の柔らかさを殺すことにもなるので諸刃の剣にもなり得る。編集でどうにかしろよというのはごもっともだが、素で出てくる写真が編集でどこに持っていくか左右するという面も否定できない。

これはJPEGの撮って出し。このようにRAWをいくらいじってもライカが出してくれるJPEGに勝てない事が度々起きる

このズミクロンが発売されたのが1994年、光学設計は第3世代(1979年)から継承されている。同じズミクロンのラインナップであるのはアポズミクロンのみでかなりのロングセラーだ。これを聞くだけでライカのこのレンズに対しての自信が垣間見える。

大口径で派手にボケる訳でもなくクセがある訳でもない。見たものを曇りなき眼で写真に仕上げてくれるレンズ。つまりは写真の根本にある「何に感動して何を表したいのか」を問う大切な道具であり、写真とゆっくり向き合う長い旅にぴったりの相棒。

長々と話をするのではなくここからは作例を載せて写真に語らせることにする。

雪に覆われた春のコペンハーゲン



雪に覆われた春のコペンハーゲン2


コペンハーゲンの顔・ニューハウン


とある城の庭にあるとある木


陽が落ちていくと共に眠る城


見つめる先にあるのは


照らされる中世の王の棺


noteの他にもヨーロッパを中心とした旅や北欧での暮らしを写真を交えてブログで配信しております。誰もが行くような名所ではなく脇道に逸れたところを少し深く掘り下げた記事を書いています。よろしかったら見てみてください。


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