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隠れたローマの名所:聖イグナチオ・デ・ロヨラ教会



ローマのとある教会に足を踏み入れると静寂が待っていた。



外の観光客の波とは対比を成すように、聖イグナチオ・デ・ロヨラ教会(Chiesa di Sant'Ignazio di Loyola)の中には祈りを捧げる人や内壁をゆっくりと観察する人がまばらといる。

足を踏み入れて目につくのはイエス・キリストを中心とした天井画、これにはつい感嘆の声を漏らしてしまう。これには17世紀に活躍した建築家、アンドレア・ポッツォの緻密に計算された仕掛けがある。平面であるはずの天井だが、遠近法を用いた絵であたかも飛び込んでくるかのように見える。「迫力がある」と言ってしまったら語弊があるかもしれないが、描かれているイエスズ会の4人の聖人がキリストと処女マリアの所へ誘われる世界観に見入ってしまう。余談だが四聖人の一角には日本でもお馴染みのフランシスコ・ザビエルも描かれている。

遠近法を用いられた天井画


教会の前身は1551年に聖イグナチオが読み書き・経典を教えるために設立した『ローマ学校』。細々とした始まりだったが、半世紀、一世紀と時を経ていくと共に学校施設は2000人の生徒を抱える施設に発展。1626年に学校の一角に過ぎなかった教会は取り壊されて現在の教会の形が出来上がっていき1650年には一般人にも門が開かれた。


勿論、天井画は教会の一部に過ぎない。周りを見渡すと至る所に魅了されてしまう。この記事ではそのごく一部だけ写真を公開しています。できることなら実際にご自分のでみていただきたい。バチカンなどのド派手とは違った素敵な「空気」が漂っている。

ローマのガイドなどを調べてみてもなかなか見つからない隠れた名所かなぁと僕は密かに思っています。


中央祭壇


撮影機材:
カメラ:ライカM10R
レンズ:フォクトレンダーアポランター50mm

写真の趣旨を少し変えて他のブログでも掲載しております。どうぞご覧ください。


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