【垣間見えた闇】スラバヤで新規ビジネス探しに行ってみた


参加したEXPOについて

先週末、スラバヤの市内中心部で行われたフランチャイズエキスポに参加してきました。

主催しているのはIFBC(Info Franchise & Business Concept )で、
フランチャイズを展開したいフランチャイジーと提供したいフランチャイザーをマッチングさせる組織です。

各都市でスポンサーを集めて、会場を借り、出展者を募集してイベントを開催しています。

今回、スラバヤで行われた会場はそこまで大きくはなく、
出展している事業主の数としては50程度と、
ジャカルタで開催されるイベントと比べると小さいと言えます。

今回の会場 "ICBC Center"

今回のスポンサーさんは写真の通りです。

貿易省やスラバヤ市、日系企業もサポートしていました。

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メディアパートナーも数多くいました。
イベント前にオンライン記事、SNS等で発信して、来場者を増やす協力をしてくれる心強い味方ですね。

メディアパートナー



会場の様子

開催されていた9月8日(金)〜9月10日(日)の間で、私が参加したのは3日目の朝一番でした。

入場時の受付で混雑するかもしれないと思って、
会場に向かう車内でチケットをオンラインで購入しましたが
行ってみると全く混んでいませんでした。

ちなみにオンラインチケットはイベントホームページから購入でき、
gopayや銀行振込など電子決済で簡単に済ませることができました。
(価格はRp31.059、日本円にして300円程度でした。)

会場受付の様子


まず入ってみると、どのイベントでも目にするであろう、
大企業の面積のおおおおおきなブースに所属するSPG(Sales Promotion Girl = ビラ配りの女性たち)が笑顔でビラを渡してきます。

大手のコンビニAlfamartはどのイベントに参加しても常に入り口付近にブースを構える


そして奥に進んでいくにつれてさまざまなブースが広がってきます。


飲食店のブースではその場で商品も購入して食べたり飲んだりできる


ブースの装飾もきっちり
さまざまな出展者


こういったイベントに参加して毎回思うのは、

■フランチャイズ獲得の熱意がみんなすごい
■ブースに惜しみなく投資している

ということです。


ブースの横を通り過ぎると、積極的にスタッフの方が早口で話しかけながらビラを渡してきてくれます。

ちょっと話を聞くと、すぐに電話番号を聞かれ、番号を伝えると、
その翌日からは積極的に
「その後どうですか?」
「フランチャイズ、やりますか?」

とフォローアップの連絡がきます。

ビラは毎回たくさんもらってしまいます


そしてほとんどの出展ブースは、
「これで1つの店舗ができるんじゃないか?」
と思わせるくらい、実店舗さながらの内装(装飾)を作り上げているところが多いです。
来場者に実際フランチャイズをするイメージを与えるためには非常に効果的だと思います。
このスタンスには毎回脱帽させられます。


本イベント中にフランチャイズ契約が決まった地域を張り紙でアナウンスしている床屋さん



垣間見えた闇

色々とブースを回って、ビラをもらったり、話を聞いたりしている中で、
これはちょっと大丈夫か?と気になるテナントがあったのでご紹介。

ポイントは2点。

1)賃金
2)登録商標(HAKI)


とある飲食店の簡易収支表

1)賃金

この飲食店の簡単な収支表。
ツッコミどころは多々あるように思えますが、一番個人的に注目したのは
白い紙の左下部分 OPERASIONAL > 11 Karyawan。

オペレーションにかかるコスト=OPERASIONAL
Karyawan=人件費

ここがRp2,000,000と設定されています。
日本円にして約2万円。

これは少し低く見積もりすぎではないかな??と思う反面、
インドネシアの大半の事業主が設定している給与はこれくらいが妥当なのかなとも思います。

インドネシアの各都市・地域では最低賃金が設定されていて、

2023年:首都ジャカルタ = Rp 4,901,798(日本円で約4万9000円)
2023年:第二都市スラバヤ = Rp 4,525,479 (日本円で約4万5000円)

と、ここの飲食店は最低賃金の半分以下で設定されていました。

私の知る限り、しっかりとしたオフィスを構えている法人の従業員でさえも
最低賃金以上の給料を受け取っている人は多くないと思います。

モールや路面店などの飲食店や小売業に関していえば
個人事業主で事業を展開している人の方が多く、
もう基本給がRp 1,000,000(約1万円)/ 月なんてところもザラで
地方へいけばいくほど低くなっていくとよく耳にします。

小売経営者がよく嘆いている「人材の確保や長期雇用が大変」という問題は
個人的には「適正な給料とインセンティブを与えていないから」ということが原因だと思っています。

固定費を抑えたい雇用主にとっては給与に関しては永遠の課題ですし、
この飲食店のRp 2,000,000という数字には驚きもしなくなりましたが、
人員の入れ替わりが激しそうな給与の金額設定なので、
従業員管理が大変そうだなと思いました。

2)登録商標(HAKI)

通常、インドネシアで店やオフィスを構えたり、商品を販売する際、商標権(HAKI / Hak Patenとも言う)をとってビジネスをスタートします。


「Tempura Taguchi」という天ぷら屋さんをオープンする、という例でお話ししましょう。
会社を作り、名前も決め、ロゴも決めます。

その次に、他の誰にも「Tempura Taguchi」という屋号のお店を出させないようにするために、商標を役所に登録した方が絶対にいいと思います。

せっかくこだわった衣を使った美味しい「Tempura Taguchi」を作ったのに、「Tempura Taguchi」という全く同じ名前、同じロゴで、全然美味しくない天ぷら屋さんを隣町に勝手に系列店として謳われ、知らない人にオープンされてしまうリスクもあります。

このような事態を防ぐために、しっかりと役所にロゴとお店の名前を申請して、他の誰にも使用権を与えないようにします。
一つの防衛策ですね。

基本的なフローとしては、

役所にロゴと名前、申請主情報などを提出
→提出後、半年間待って、他の申請者がいなければ自分に商標が付与される
→他の申請者がいれば、協議・審議に時間を要する(期限不明)
→一度商標を取ることができれば基本的に10年間有効
→10年後、そのまま使用したければ再度申請

という形になります。

https://pdki-indonesia.dgip.go.id/

上記のサイトから、どのブランドが申請中だったり商標権取得済みだったり、という情報が見れます。


前置きは非常に長くなりましたが、
前述の飲食店に関しては、登録商標を調べてみたところ、まだ申請もされていない段階だと言うことがわかりました。

仮にフランチャイズの権利を渡してあげます、と言われても、
信用できませんね。

何か問題が起き、揉め事になった際は、フランチャイズオーナーが商標権を持っていないことになるので、ドロ沼なの戦いが起こりそうな予感しかしないと個人的に思いました。


本文を書きながら「闇」というまでの問題でもないなかと思いました。笑

何はともあれ、どんなビジネスをする際にも言えることですが、
上手な見せ方や調子の良い口調で誘ってくる人には
知識や経験を増やして自分でしっかり見極めていく必要がありますね!

特に海外ですとなおさら!


最後までご覧いただきありがとうございます。

私、田口弘樹は、「スラバヤ研究所」という
インドネシア第二の都市「スラバヤ」で事業をチャレンジする方に向けた
進出前支援
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などのサービスを提供しております。

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