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コラッツの予想
ある時の夕方、一匹の猫が散歩をしています。どうやら、ミケは飼い主のもとに帰ってしまったようです。
マロ:今日は涼しいし、月がきれいだな~。よし、あの公園のベンチで休憩しよっかな。
マロ:なんか暇だし数学でもしようかな~。なんか面白いものなかったっけな~…
マロ:そういえばこの前飼い主さんがコラッツの予想の話をだれかとしてたな~。えーっと、確か偶数だったら2で割って、奇数だったら3倍して1足すって言ってたっけ?それを繰り返したらどんな自然数でも1になるかもって話だった気がする。
マロ:ん?なんでコラッツの予想って偶数と奇数で場合分けしてるんだろ?3で割ったあまりとか4で割ったあまりとかで場合分けしても1に循環したりするのかな?今日は飼い主さん帰ってくるの遅い日だしゆっくり考えてみよ!
こうして、今夜のマロの数学のテーマが決まったようです。
コラッツの予想について
さっき出てきた「コラッツの予想」の内容はマロの記憶のとおりだけど、調べてみると、
任意の正の整数 n に対して、以下で定められる操作について考える。
n が偶数の場合、n を 2 で割る
n が奇数の場合、n に 3 をかけて 1 を足す
このとき、「どんな初期値から始めても、有限回の操作のうちに必ず 1 に到達する(そして 1→4→2→1 というループに入る)」という主張が、コラッツの予想である。
一見してみると、小学生でも理解できるぐらい簡単な内容だね!
試しに$${n=7}$$でやってみると、
7→22→11→34→17→52→26→13→40→20→10→5→16→8→4→2→1
おぉ、本当に1になった!でも、これは名前に予想ってついてるからまだ誰も証明できてないんだって~。
少し手を加えてみる
さっき「3で割ったあまりとか4で割ったあまりとかで場合分けしても1に循環したりするのかな?」って言ってたから試しにやってみよう!
3で割ったあまりで場合分けする
とりあえず、たぶんこんな感じになるかな?
nを3で割ったときに
余りが0のとき、nを3で割る。
余りが1のとき、nに4をかけて2を足す。
余りが2のとき、nに4をかけて1を足す。
試しに$${n=5}$$でやってみよう!
5→21→7→30→10→42→14→57→19→78→26→105→35→141→47→189→63→
21→7→30→…
残念、1以外で循環しちゃってるな~…。
あ、じゃあこんな感じだったらどうだろう?
nを3で割ったときに
余りが0のとき、nを3で割る。
余りが1のとき、nに4をかけて-1を足す。
余りが2のとき、nに4をかけて1を足す。
余りが1のときに足す値を-1に変えてみたけどどうかな~。リベンジで$${n=5}$$でやってみよう!
5→21→7→27→9→3→1→3→1…
お、やった!循環した!これは短かったからn=62の時やってみよう!
62→249→83→333→111→37→147→49→195→65→261→87→29→117→39→13→51→17→69→23→93→31→123→41→165→55→219→73→291→97→387→
129→43→171→57→19→75→25→99→33→11→45→15→5→21→7→27→9→3→1…
このときも1に循環した!コラッツの予想の亜種みたいなのができたし名前つけたいな~。
あ、そうだ!今までのコラッツの予想の操作は「1次コラッツ操作」って名前にして、この亜種は「2次コラッツ操作」って名前にしよう!
4で割った余りで場合分けする
さっきは余りが1のときに-1を足したら1に循環したけどとりあえず正の数を足すように場合分けしてみよう。
nを4で割ったときに
余りが0のとき、nを4で割る。
余りが1のとき、nに5をかけて3を足す。
余りが2のとき、nに5をかけて2を足す。
余りが3のとき、nに5をかけて1を足す。
よし、この時も$${n=5}$$の時をやってみよう!
5→28→7→36→9→48→12→3→16→4→1→8→2→12→3→16→4→1→…
この時も循環したね!一応$${n=23}$$の時もやっておこう。
23→116→29→148→37→188→47→236→59→296→74→372→93→468→117→
588→147→736→184→46→232→58→292→73→368→92→23→…
残念、これも1で循環しなかったね…。じゃあここで足す値を1じゃなくて-1にしてやってみよう!$${n=23}$$でリベンジ!!
23→116→29→144→36→9→44→11→56→14→72→18→92→23→…
これも循環しなかったか…。ちなみにもうちょっと考えたけど循環する方法が思いつかなかったから思いついたときにまた報告するね!
とりあえずこれは「3次コラッツ操作」って名付けとく。
5で割った余りで場合分けする
2次・3次コラッツ操作の時みたいに確かめた結果を教えるね!
nを5で割ったときに
余りが0のとき、nを5で割る。
余りが1のとき、nに6をかけて4を足す。
余りが2のとき、nに6をかけて3を足す。
余りが3のとき、nに6をかけて2を足す。
余りが4のとき、nに6をかけて1を足す。
ってしたら循環したよ!試しに$${n=17}$$の時やってみると、
17→105→21→130→26→160→32→195→39→235→47→285→57→345→69→
415→83→500→100→20→4→25→5→1→10→2→15→3→20→4→25→5→1→…
こんな感じ。これは「4次コラッツ操作」って名付けるよ。
m次コラッツ操作
この後も5次とか6次とか試した結果なんだけど、
mが3の倍数のとき、循環しない
mが3で割って1か2余るとき循環する。
って感じになった。もしかしたらmが3の倍数のときでも循環する操作方法があるかもしれないけど今のところ思いつかないし、mが3で割って1か2余るときに1以外で循環したり、何にも循環しないでずっと大きくなる時があるかもしれない。そのときは教えてね!
ちなみに、m次コラッツ操作はミケに教えてもらったプログラミングの知識を使ってしたよ。
感想
この研究モドキをしてみて思ったことがある!
循環するときに値を余りで分別してみるとなんか規則性があるように思うんだよね。実際にやってみて!もしかしたらこれを読んでる君なら何かわかるかも?!
もし何かわかったら教えてね!マロの手柄にするかも?
1次コラッツ予想って操作内容は2パターンしかなくて何かが隠れて見えなかったと思うんだよね。だからこうやってm次コラッツ操作をすることで何か見えてくるかもしれない。このことを思いながら今回の研究モドキをしたよ!
最後に
雲の隙間から月明かりがマロを照らしています。どうやらいつの間にかあたりは真っ暗になっているようです。マロが丸くなっているとスーツ姿の飼い主さんが懐中電灯を持って駆け寄ってきました。
すっかり遅くなって飼い主さんを心配させてたみたいです。
マロ:ごめんなさい。少し数学に夢中になちゃって。
マロは今まで考えてたことを必死に飼い主さんに伝えようとしましたが、飼い主さんは猫語がわからないみたいで撫でてくれるだけでした。
by マロ
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