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ケーキの切れない非行少年たち

おはようございます。エミです。
ちょっと前ですが、新幹線に長時間乗る機会があったので、久しぶりに参考書っぽくない本を一冊買いました。
発行当初もかなり話題になっていたので、知っている方も多いかもしれません。
この本には、児童精神科の宮口先生が、医療少年院に勤務していた時に出会った少年たちと、その背景にある知的なハンディの関係について書かれています。


★ケーキが切れない★
このインパクトのあるタイトル。
医療少年院の少年に、「丸いケーキを3等分にして」というお題を出すと、ケーキを真ん中で半分に切った後に右半分を2等分にしたり、スイカの模様にみたいに縦に線を複数入れてしまったり、ケーキを等分に切ることすら出来ない少年がいるそうです。
・・・その事実が意味するところ。
非行少年は、更生のために自分と向き合い、反省しなくてはなりません。
そして当たり前ですが、反省するには、反省できるだけの能力が必要です。
例えば、「被害者家族の思いを想像する」「なぜ、自分が被害者を殺してしまったのか考える」といった洞察力。
ところが、医療少年院には、知的ハンディを抱え、反省できる力がない少年が少なからずいるのです。
知的ハンディがあり、見る力・聞く力・想像する力が弱い子は、そのために人の話を聞き間違えたり、状況が読めなくて周囲とうまくいかなかったり、それが原因でイジメに遭ったりしやすいといいます。

 
★小学2年生★
知的ハンディのある子どもの多くは、小学2年生くらいから勉強についていけなくなります。
そして、学校に行かなくなったり、暴力行為や万引きなど問題行動を起こすようになる子もいるのです。


★軽度知的障がい★
近年、ADHDなど発達障害の認知はかなり広まってきてますが、一方で、知的障がいに関しては、なかなか教育現場でも関心が注がれず、その結果、軽度知的障がいがあったとしても、気づかれることがなく、「厄介な子」として扱われることが多いのだそう。
彼らはやがて社会に出た後も「厄介な人たち」と攻撃されたり、騙されて搾取されたりしてしまいがちで、気づけば反社会的な行動に巻き込まれているというケースも少なくないといいます。


★コグトレ★
では、知的なハンディが原因で罪を犯すことがないように、子供の時から出来ることはないのでしょうか?
近頃、重要性を認識されてきた「認知機能」を向上する支援として有効なトレーニングで「コグトレ」と呼ばれるものがあります。
コグトレは、パズルやゲームのような形式で、子供が楽しみながら取り組めるうえに、「学習」という印象がないので、できなくても傷つかないそうです。
こちらを、一日5分使ってやるだけでも、効果があるとのこと。
HPにコグトレの問題がいくつか紹介されているので、URLを貼っておきます。



漢字を覚えるのが苦手だったり、想像するのが苦手だったりする子にも、ベースとなる良いトレーニングになりそうだなぁと思いました。

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