自然派・オーガニック信仰というカルト

今回は「自然派・オーガニック信仰というカルト」と題して、その欺瞞性について書いていこうと思います。

最初にお断りしておきますが、私は自然派やオーガニックを否定するものではありません。

ただし、私の母の様に

・市販の食品・食材は一切使わない
・お菓子を買い食いしようものならヒステリックに1日中怒鳴り続ける
・シャンプーや洗剤も臭くて汚れの落ちないオーガニック製品の使用を強制する
・小学生の時友達に誕生日プレゼントでもらったオモチャを「身体に悪い金属を使っているから」とのことで次の日に全部捨てるetc.

といった様に、それに傾倒し過ぎると周囲に危害を加えるものになり得る、という事をお伝えする為に本記事を書きました。

自然派・オーガニックブームの歴史

自然派・オーガニックブームの歴史を遡ってみると、その源流となったのは1960年代のアメリカで起きた「カウンターカルチャームーブメント」である事が分かります。

戦後経済が順調に成長したアメリカでは、様々な技術の進歩もあいまって「大量生産・大量消費」の時代を迎えました。

そして各家庭が裕福になり大学進学率も上昇した結果、子供達は親世代とは全く違う価値観を持つ様になり、旧来的で保守的なものの考え方や、大企業などを含む既得権力に反抗する様になります。

これがカウンターカルチャームーブメントです。

そして当然、大量生産を可能にした食品添加物や農薬、化学肥料などの「化学物質」を敵視する様になり、自然派・オーガニックを追求する様になります。

つまり古い価値観や権力に「反抗する事」が元来の目的で、何か具体的な根拠に基づいて農薬や食品添加物の安全性にに異議を唱えた訳では無いという事です。

そして一部の極端な若者達はヒッピーとしてコミューンを作り、食糧生産の手段として無農薬の有機農法を実践しましたが、農業経験の無い彼らにとって有機農法はあまりにも難しく、失敗に終わりました。

そしてそういった若者達の多くは（皮肉にも）高学歴人材として社会に復帰します。

その後も彼らがカウンターカルチャーに関心を持ち続けた事により、自然派・オーガニックは（またまた皮肉にも）高所得者層の「文化」として定着し、現在に至ります。

（参考文献:雨宮純,「あなたを陰謀論者にする言葉」,フォレスト出版株式会社,2021年）

食品添加物・農薬・化学肥料は有害なのか

食品添加物、及び農薬はその安全性を審査するにあたって非常に厳格な基準が設けられており、現在の日本では全く問題無いものと考えられます。

ごく簡単にご紹介すると、マウスやラットなどの動物実験をもとに

「ある物質について、人が生涯その物質を毎日摂取し続けたとしても健康への悪影響がないと推定される１日当たりの摂取量（一日摂取許容量/ADI）」

を算出し、それを大幅に下回る様に使用基準を設定する事が決められているのです。

市場に流通している食品・食材は全てその基準を満たしたものなので、安心して食べて大丈夫、という事です。

（参考:食品安全情報-厚生労働省）

また、有機肥料だろうが化学肥料だろうが、生成された窒素は同じ窒素です。
（ここら辺の話になると、自然派・オーガニック信者の人たちとは全く話が通じなくなります）

「嗜好」が「信仰」になってしまうと

小さいお子さんがいる人が「少しでも体にいいものを子供に与えたい」と思ったり、ご本人が化学物質に過敏だったりする場合、「安心を買う」手段として自然派・オーガニックは良い選択肢になり得るだろうと思います。

一方で、科学的なエビデンス無しで食品添加物や農薬を悪者扱いする人達に、私は全く同意できません。

そういう非合理的な考え方の行きつく先は荒唐無稽な陰謀論や狂ったスピリチュアル信仰であり、それこそ社会にとって有害です。

私の体験

一例として、恥をしのんで私の実体験をご紹介します。

以前会社を休職していた時に、「農福連携」を謳っている神奈川県にある某NPO法人に農業を習いに行っていた事があります。

そこは自然農を売りにしている団体だったのですが、職員の人達は全員やはり自然派・オーガニック信者でした（農薬の話になると目がイキまくる）。

また、代表の人が
「藤○市（当該NPOがある自治体）の学校の給食、無農薬の野菜使ってるんだよー!!」

とやはりイった目で話していましたが、学校給食に無農薬野菜の導入運動をしている団体が実は反ワクチン集団だった、という事例が後に多く報告されています。

また受講者は私含め4人だったのですが、うち2人がゴリゴリのスピリチュアル信者でした。

彼らは真顔で「自分は木星人の生まれ変わりだ」とか言ってました（ちょっと面白かったですが）。

また、ある日帰り道を歩いていたら、そのうちの1人に待ち伏せをされて謎のセミナー（「超越何ちゃら」とかいうもの）に勧誘されました。

当たり前の話ですが、科学や理性は大事です。

今回は以上となります。
お読み頂きありがとうございました。

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