会社を辞めるヒトとそこから残るヒト
中間管理職というポジションなので、必然的に課員の進退によく関わる。
「実は…会社辞めようと思ってます」
「辞めます。もう社長には伝えてあります」
「ドミニクさん、まだ続けるんすか?」
去るヒトが放つ言葉も色々だ。
辞めると宣言した後は最終出勤日まで、残り数日という消化試合に入るわけだが…心なしか元気に見える。いや、気のせいではない。
最後まで折り合いが付かなかった上司の会話にも、明るく返事ができ、かと思えば周りに聞こえるような声で愚痴まで放つ始末。
(流石に自由すぎる。もう少し周りに配慮してほしいな…)
心ではそう思う。
だけど、ここで一旦区切って考える。
そして、最後の日までも、いつも通り付き合おうと決める。
確かに去るヒトからすれば、人生の転機になり、起点となるわけで。
だけど…私や周りにとっては日々の業務が続き、むしろ引き継ぎに追われながら、されど時は止まらず、刻々と日常が流れていくわけで。
感謝しつつも、他の課員のタスク管理や上司からの無茶ぶりの雨は止まず、平常運転にならざるをえないわけで。
「今まで〇年間、一緒に働けて光栄でした。
ありがとうございました。そしてお疲れまでした。
次なる場所でのご活躍を心よりお祈りしております」
…って心任せに書くとこうなったけど。
こんな、誰にでも当てはまりそうな、汎用的な言葉でしか感謝を表せなくなっちまったのか、俺は。
まだまだ残って考えなきゃいけないことがありそうだな、おい。
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