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#1 「ナチュなる坊や」の思い 不毛な夫婦の口喧嘩について

ぼくは はるま3才、みんなから「ナチュなる坊や」ってよばれているんだ。なぜって ぼくの話す言葉は、なぜか全部「ナチュなる」に変換されるから。

たぶん、パパやママがぼくの本当の言葉を聞いたら、腰を抜かすだろう.だって、ぼくは、3歳とは思えない洞察力をもっているから。

今朝のパパとママの会話だってそうだ。いつも同じことがぐるぐる回っているばかり。

今日はパパのお休み。ママはパパの大好きな唐揚げを入れたお弁当を作り、公園にみんなで出かけ、芝生でくつろごうと楽しみにしていた。

ところが、部屋の隅に合ったパパの脱ぎっぱなしの靴下を見つけた瞬間にいつもの不毛なやりとりが始まった。

「パパ。いつも靴下を置きっぱなしにしないでと言っているでしょ。どうして、できないの」「毎日のように言っているよね」

「そういうママだって、冷蔵庫の隅に賞味期限切れの食品が結構あるじゃないか」

「私は、毎日はるくんの世話で大変なの。食品の管理まで手が回らない。
ないと困ると思って買ったら、家にあったことも多いし、責めないでよ」

(あ~あ 始まってしまった。エンドレスで意味のない会話が、、、このままじゃ、公園に行けなくなるぞ)

(大人は、どうして素直に謝れないのだろう)

(仕方ない。ナチュなる光線を出そう!)

ぽわわ~~ん


一瞬、パパとママの会話は途切れて、2人はフリーズ状態に。

「ごめん。パパ、言いすぎた。言い出したらとまらなくなっちゃって。
今度から気を付けて。洗濯がやっと終わったと思ったら、あとで見つけてがっかりすることが多いから」

「僕こそ悪かった。子どもも小さいし、完璧に家事をこなすことは無理だ。そんな中でも今日は気分転換にピクニックに行こうとお弁当まで作ってくれた。ありがとう。はるまも待ってるし、早く出かけて、向こうでのんびりしよう。今日は天気もとてもいいし、、、」

よかった。一件落着。

「ナチュなる~(⋈◍>◡<◍)。✧♡」



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