#2 「ナチュなる坊や」の思い ママがぎゅ〜っ!
今日はいつきちゃんのところに遊びに行った。家が近所で幼稚園が
いっしょ。
ぼくのママが、いつきちゃんママに相談している。「うちのはるま、先週3歳になったのに、まだ『ナチュナル』しか、言葉が出ない。心配だから、どこかに相談した方がいいのかなあ」
「そうねえ〜。私は、はるまちゃんの『ナチュナル』には、いろいろな意味があるように思えてしかたがない。一回一回表情が違うし、言い方にも変化がある気がするんだよね。何よりはるまちゃんの笑顔は、まるで天使のようだから。今はこれでいいのかと思ってしまう」
それを聞いて、うちのママは考え込んでいた。
(やっぱりいつきちゃんママは、わかっている。料理もママより上手だし、、、あっ、これは言ってはいけないことだった)
ぼくと幼稚園が同じいつきちゃんには、2歳上のあさひくんというおにいちゃんがいる。なんでもお兄ちゃんの真似をしたがり、やってみたらできなくて、ぐずぐず言ういつきちゃんに、あさひくんは手を焼いている。
「いつき、そこは、こうして」
と初めは優しく教えていたあさひくんも,いつきくんが全く言うことを聞かないので、だんだんイライラが募っていく。
(これじゃ毎日大変だ。弟のことが好きでも、言うことを聞かない状態が続けば、怒りが爆発するぞ!)
「いいかげんにしろ。お兄ちゃんの言うことを聞いて!」
あさひくんはつい、大声を出した。
「どうしたの」
いつきちゃんママが、子ども部屋をのぞく。
「おにいちゃん、いつきくんはまだ小さいから、優しくしてあげてね」
(その言葉は、あさひ君にとってつらいよ。お兄ちゃんとしてずいぶん頑張っているのだから)
(どうにかして、いつきちゃんママにあさひくんの気持ちが伝わらないかなあ)
「そうだ!かくなるうえは、ナチュなる光線を出そう」
「ナチュなるぅ~~~」
ほわわ~~ん
みんながしばらくフリーズ状態に。
いつきちゃんママは考えた。
(お兄ちゃんは、いつもいつきくんに優しい。大声を出すのは、よっぽどだな。たった2歳しか歳も違わない。私がいつきのことに手を取られているから、あさひは、さみしいのかな)
「あさひくん、いつも、いつきくんに優しくしてくれてありがとう。いつきくんのお世話にママは時間がかかっているけど、あさひくんのこと、大好き。だから、ハグしてい〜い?」
「う・・・ うん」
ママがぎゅ〜っ!・・・
ああ。おひさまのようなママの匂い。
あさひくんのハートに温かさが充電された。しばらく僕は大丈夫!
「お兄ちゃんだけ、ずるい〜。ぼくもハグして」
「はあい、はい。いつきくんもね」
みんなじんわりとしあわせ。
ナチュなる〜〜っ!~(⋈◍>◡<◍)。✧♡」~
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