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鉄筋コンクリートの恋① 現状認識

 仕事が終わり、自販機の前でほっと缶コーヒーを飲んでいると先輩が声を
かけてきた。

「最近、調子はどう?」
 
「だんだん時代に取り残されていくって感じですよ。昔は耐震性と耐火性に優れているともてはやされた時もありましたっけ。でも今やー脱炭素の時代ー
ハイブリッド木材や竹筋コンクリートも登場し、先はどうなる
ですかね~」
 
「なんかお前の話を聞いていると、こっちまで気が滅入っちゃって
かなわない。ところでおまえ、彼女いる?」

「俺、かっこよくないし、口下手だから、いないです」
 
「おまえに彼女ができないわけ、俺はわかったような気がする。マッチング
アプリも無理のようだし。また、万が一、会ってくれたとしても、今の
お前じゃ付き合ってくれないだろう」
 
「どうだ?俺がおまえの恋愛指南役になろうか?元々俺らは似たタイプだし、アドバイスは適切かも?」

「そうだった。先輩は結婚してもう2人お子さんがいるんでしたね。
このままじゃどうしようもないと思ってたから、お願いします。」

「めでたく彼女ができて、付き合いができるようになったら、成功報酬として焼き鳥屋で一杯おごってもらうというのはどうだ?」

「先輩、なんでもおごりますよ。俺は服装にも無頓着。たいした趣味もないので、結構お金はもっています。ただ働くばかりですから」
「そら、楽しみだな」
にやっと先輩は笑った。

「それじゃ、早速いくぞ。」

① 自己分析をする

 なぜ、おまえは彼女ができないと思う?

「それは、かっこよくないから。お世辞の一つも言えないから」

「まずそこから完全にアウト! TV等が作った『かっこいい男』の
イメージに惑わされていないか? 
 すべての女性がそのような男性を求めていないことは、よく考えてみれば
わかるはず。逆に、口先だけの不実な男に辟易している人は多い」

「原因は自己肯定感の低さ。話していると自分を卑下している言葉ばかり。ネガティブな空気がこちらまでやってきそうで、なんとなく離れたくなるんだ。

俺が知っているおまえのよさ
・仕事に手を抜かない
・体力があり、身体が丈夫
・嘘をつかない
 ざっとまず、これだけあるぞ。

 欠点のない者はいない。まずは自分の頑張っていることをノートに書き出してながめてみるのも、いいかもな。自分のよさは自分で気が付かないことが多い。今まで褒められたことを思い出し、付け加えたら結構あるはずだ。

 ② 話しかける緊張感をなくす
「俺の思い込みだったら、堪忍な。女性を映画とかに誘うとき、がちがちになって緊張していないかい? もしそうなら、相手は何となく怖くなって逃げるよ」

 今、この瞬間から、女性と話す訓練をはじめよう!

具体的には、
・子どもに話しかけるのはやめよう! 不審者と間違われるから。
・お店の人か、お年を召した女性にまず声をかける。あいさつからでよい。
恥ずかしいなら、はじめは顔をみなくていい。

お店の人がベターだろう。
「いらっしゃいませ」
「これ、お願いします」
親切な対応をしてもらったら、
「助かったよ」
 たくさんしゃべらなくっていい。まず、ひとことでいいんだ。
慣れてきたら感謝の気持ちを「ありがとう」で伝えるといいな。
そうやってだんだん人と話すハードルを下げていくんだ。

 清潔感を心がける
 
着ているものが、どうのこうのではない。髪形もさっぱりさせる。
面倒くさがらず、シャワーでなくお風呂に入る。
 彼女ができてから気を付けるのではない。順序が逆。
清潔感に気を付けるから、彼女ができる。
 家の中の段ボールや不要な紙をその都度処分し、水回りを
中心に掃除や片付けをする。
いらないものを捨てて断捨離をすると、心がすっきりして
行動的になるとも言われている。

 これらのことを継続してやってみて。一か月後、君が気になっている人への
具体的なアプローチについて、アドバイスをしよう。じゃ、またな!


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