女尊男卑思想における女性の実相とその影響ー概要編

 まず、私のスタンスをお伝えしますと、男尊女卑にも女尊男卑にも反対で男女平等(男尊女尊)社会が理想的であると考えています。
 合理的、効率的に定量的指標を用いて、男女平等社会を形成していくことが重要であることは言うまでもありません。
 
 現在、大変問題があるのは完全な男女平等である点は少なく、男尊女卑と女尊男卑が混在している状況であるという点にあります。

 例えば、完全な男女平等に関していえば、戦前のような長男が家督を相続云々というのはなくなり、男女でなんら相続面において差がある規定はありません。

 今回は、男女論ではなく、女尊男卑思想の女性の実相とその影響に関する概要を提示したいと考えています。

 まず、制度、文化、思想等様々な面が女尊男卑思想に影響を与えていると考えられます。
 基本的な共通認識として、時代を経るにつれて、特に、戦後に関していえば、一部の革新的な女性の権利向上の思想や制度が改定していき、時間をかけて文化的要素も変容していっているということがあげられます。
 一応「保守」である自民党政権下において本当にそうなのか?とお考えの方もいるかもしれません。
 次の点からも明らかでしょう。
法令:あくまでも一部です。

  • 男女雇用機会均等法

  • 育児・介護休業法

  • DV(ドメスティック・バイオレンス)防止法

  • ストーカー規制法

  • 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)

  • 政治分野における男女共同参画の推進に関する法律

制度:
女性のみを対象にした「〇〇相談会(女性特有の問題ではないことに関して)」「〇〇相談ダイヤル(女性特有の問題ではないことに関して)」「女性に使途を限定した予算や取組」

 さて、本題に入りましょう。
 女尊男卑の定義は、「女性が男性よりも優位である」ことですが、何をもって優位というのでしょうか。
 優位とは、「一部ではなく全体として優位であること」を指します。
 一部だけをみても無意味です。全体を見る必要がありますが、革新的な思想や保守的文化が優先するのではなく、あらゆる要素を定量化することで、「パレート最適」を実現することが肝要です。
 もちろん、全体的な資源を分配する場合、一部で不平等な点はでてくるでしょう。例えば、生理休暇などが考えられますが、これは一部の点しか見ていないのであり、全体をみた場合にどうなるかが重要です。
 この際には思想もどう配分するかで関わりが出てくるものの、一部のみをみて、理念優先と個別政策・施策が優先しており部分最適の実現をしたいと考えるものの、全体最適化のための政策施策は極めて乏しいものです。

 そのようなちぐはぐな制度改定等が行われる中で、女尊男卑思想を持つ女性が出現し、増加中です。
 そのような女尊男卑思想を持つ女性が増加したのが現在の日本です。もちろん、過去と比較して女尊男卑思想を持つ女性が日本で太平洋戦争後増加したという事実であり、善悪の価値判断ではありません。
 全ての事象には光の面と影の面があります。光の面としては、女性の大学進学率の増加が一つとして挙げられます(勿論、これ自体にも様々な見解があるでしょう。)。影の面としては、社会の効率的な運営を阻害しているという点でしょう。
 具体的な一例をあげましょう。とある会社が女性のみを雇いたいとか、男性のみを雇いたいといった際に男性募集、女性募集という表記は規制されています。
 これは本当に男女どちらかにとって得なのでしょうか?
 使用者が男性のみを募集したい場合、男性のみが採用され、使用者が女性のみを募集したい場合、女性のみが採用されます。そうです。男女の求職者と使用者全てにとって損失です。
 様々な手間や無駄な期待、不要な事務作業といったものばかりが発生します。
 使用者が類似した例でとっている方策として学歴フィルターがあります。
 会社の説明会(キ〇ノン)の空き状況で、
 東京大学の方⇒空きありに始まり、マーチや関関同立あたりまでの具体的な大学名の方⇒空あり
 その他の大学の方⇒空なし
 となっています。会社に雇入れの自由があるとともに、当社は応募者に無駄な労力や時間は割かせず、また、採用候補大学以外の選別の時間や労力等は割かない合理的な会社ですという紹介ともいえるでしょう。

 他にも、暗黙の了解で感じ取ってくれといった表記をするといった知恵もあるでしょう。これはあくまでも一例です。
 
 今回は概要ではありますが、身近に感じてもらうため、みなさんの周りやSNS上でよくみられる例を示しましょう。

 夫婦が喧嘩をしている例を見てみましょう。

夫:男女平等思想をもつ
妻:女尊男卑思想をもつ

という前提です。

 論点は家事、仕事、お金に関してです。

 妻は専業主婦で、夫の収入で暮らしているという前提です。

〇家事について
妻「私が専業主婦で子どもがいないからといって家事を全てしないといけないとは決まっていない。あなたももっと家事をして。」
夫「そんなに家事を完璧に求めているわけではないし、具体的にどの家事をしてほしいの?」
妻「具体的にといわれても困る。名もなき家事があるの。色々としっかりとやってほしい。」
夫「君は専業主婦だけど、僕も一部家事をやっているし、夫婦二人暮らしで誰がくるわけでもないからそんな完璧な家事は求めていないよ。」

〇仕事について
夫「そういえば、パートにでる件どうなってた?」
妻「今は働くべき時期ではないと思っている。」
夫「具体的働く時期はいつなの?以前言ってたことと違うよね?分かった。君が働かないと何か変わるわけではないからいいよ。」

〇お金について
妻「生活のためにもう少しお金が必要」
夫(これまでを踏まえ・・・無言になり・・・)「君は家事はもっと僕にしてほしいというし、お金ももっといれてほしいという。さらに、仕事もしたくないという。僕は、お金と家事を提供してきた。もちろん、多くの家事をやってもらっているのは感謝している。でも・・・」
妻「私が働いてもどうせ家事は私がやらないといけないんでしょ。」
夫「・・・」

 さて、よくありがちな話です。
 この事例における問題点は何でしょうか?
 妻は家事の大部分はやっているし、私が働いてもどうせ家事をしないといけないし、もっとお金が必要という主張です。
 夫は家事の一部はやっているし、お金もいれている。パートでの労働であればそもそも負担になりにくいはずだし、完璧な家事も求めていないのに
不平等だという主張です。
 
 では、どうすればいいのでしょうか?不満がたまれば危機的状況になりかねません。

 夫の提供しているお金とサービス(家事)=妻の提供しているお金とサービス(家事)

 このとき、夫婦は平等であり、男女平等になるのです。
 この場合、平均的な時給は様々な計算によりますが、最も高くても1,300円ほど(女性の平均時給)でしょう。

 どうやらこの妻の場合、一日で平均3時間家事をしているようです。
 概ね1日4,000円です。1ヶ月あたり、4,000円×30日=120,000円です。
 しかし、これにも問題があり、妻が一人暮らしであっても1日1時間は家事(食事、洗濯、掃除等)が必要と考えると、実質、夫に提供したのは3分の2である80,000円が妥当です。

 では、夫がやっている家事は1日20分程度で、こちらも夫が一人暮らしである場合の家事を差し引くと、妻に提供したのは1日15分程度です。
 家事という同一労働の点からいえば、稼いでいる夫とはいえ、時給は同じ1,300円とします。15分×30日=7.5時間妻に提供する家事をしていることになります。
 そうすると、1,300円×7.5時間=9,750円となります。

 それでは、70,250円を夫が生活費としていれれば対等ということになります。
 地方では2人暮らしができる物件で5~6万円というところもあります。
 都内だと狭い八王子の物件が7万円ほどです。
 もしこれを完全に平等にするとなると、夫は家賃の7万円のみをだすだけで対等になってしまいます。
 では、全ての家事を妻が担当した場合、1万円ほどの生活費が生まれますが、電気代すら賄えないのではないでしょうか。

 昭和の夫婦で子どもがいない場合、全ての家事+夫の様々な相手に加え、家での雰囲気づくり等をしていたのだと思います。

 これは現在では通用しないかもしれません。
 というのも、夫のあらゆる相手やご機嫌とりも含め、これを職業価値に換算し、そこから妻が得る分を割り引くという手法で計算したところで、お金に換算すれば男が損だからです。
 しかし、昭和の夫はそれをよしとしたのです。

 令和の妻はどうすべきでしょうか?
 まず、上記のケースだとパートにでて103万円ギリギリまで稼ぎ、85,000円を家にいれます。そして、家事を全て行うと90,000円です。
 合計提供分は175,000円となります。
 一方で、夫は175,000円家にいれれば平等ということになります。

 これが男女平等の考え方です。

 しかし、女尊男卑思想の女性は家事は男女半々であり、経済的な支出も半々であるというのではありません。男がお金は全てだし、家事もある程度担うべきであるという女尊男卑思想があります。
 経済的価値に換算すると上記の場合、夫が184,750円を家にいれる価値と仮定すると、妻は80,000円の価値しか提供していません。

 そうすると、夫婦の総提供価値を264,750円とした場合の負担(=提供)割合は夫:妻=7:3となります。

 もちろん、育児という新たな仕事がでてくれば当然ながら、妻の負担は増えるでしょう。

 上記の問題点は、ほぼ1:1の平等ではなく、あきらかに夫が不利な割合であり、それを感謝せず、さらなる要求をして、女優位をさらに強化するということです。

 まさに、この昭和から続く上記のような状況は女尊男卑思想でしかありません。
 
 では、影響とは何でしょうか?
 ・定量化して比較しないので、そもそもの問題点が不明瞭になる。 
 ・実施する政策・施策は群衆の感情に基づき、個別課題優先にするため非効率的な政策・施策になったり、無意味あるいは有害なものになったりする
 ・そのような政策・施策が存続することが目的となり、新たな手段として様々な口実をつけて予算を獲得し、新たな利権を産み、重税国家になる
 ・理念である目的を達成する手段が誤っているので永久に問題が解決せず、様々な利害関係者(ここでは特に男女間)の摩擦が強まる
 ・その結果、社会の効率的な運営を阻害する
 ・最終的には意図した目的と逆の結果を産む



 


 

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