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私の育休取得記(前編)

 こんにちは。地域循環型ミライ研究所(以下、ミライ研)の中山です。昨年7月にミライ研に着任し、本年2月より第二子の出産に伴い半年間の育休を取得しました。政府は、民間企業の男性育休取得率を25年までに50%、30年までに85%とする目標(こども未来戦略方針より)を掲げており、最新の調査では男性による育児休業の取得率が2023年度は30.1%にまで上昇しています。しかし、8割を超える女性の取得率とはまだ開きがあり、取得期間についても女性は9割以上が6か月以上の期間となっている一方で、男性はおよそ4割が2週間未満にとどまっているなど、男女間の開きがあるのが現状です。

 「地域循環型社会の共創」を掲げる当社ですが、その土台となる価値観・行動基準の一つである「ワークインライフ 多様な働き方で幸福感アップ」の一つの実践事例として、私の育休経験を共有させていただきます。この記事が育休取得を迷われている方の後押しに、また、希望する方がより育休を取得しやすい雰囲気の醸成につながればと願っております。


育休取得のきっかけ

生後2週間の我が子

 今回私が育休を取得しようと思った一番の理由は、第一子出産後の大変な時期にあまり育児に関わることができなかったという反省からです。当時の私は出産直後に数日休んだ以外は、毎日会社に出勤していました。その間妻は初めての子育てで慣れないことばかりの中、泣き叫ぶ子どもを前に肉体的にも精神的にも追い詰められていたとの話を聞き、そのような経験は二度とさせてはならないと思い、取得を決意しました。人生100年時代と言われる中、子どもと完全に向き合う時期が半年ぐらいあってもよいのではという思いも、取得理由の一つです。

 ただ、私自身も育休を取得すること、まして半年間取得するということに関しては、決断まで悩むこともありました。男性が、かつ半年間取得するというケースは自分の身近ではあまり聞いたことが無く、社内でどのように受け止められるのだろうかという不安もありました。それから、社内に点在する育休取得の体験記などを読み漁る中、最終的には一緒に業務に携わったことがある身近な先輩の体験談(育休を半年間取得)に行き当たり、直接話を伺う中で背中を押していただき、決断に至りました。

育休取得までの流れ

 育休を取得するまでの大まかな流れは、会社ごとに区々の部分もあろうかと思いますが、一般的には妻が妊娠をした旨の上司・職場への報告、育休取得の相談、業務の引継ぎ、各社が定める様式の提出等の事務手続きを経て育休開始という流れになろうかと思います。

 上司にいつ報告すべきかについては特段の決まりはありませんが、私の場合は母体が安定期に入ると言われる妊娠5か月頃に、妻が妊娠した旨の報告行いました。育休取得の意向があれば、このタイミングで併せて頭出ししておくのがよいかと思います。しかし、私自身はまだ取得の心づもりが固まっていなかったこともあり、後日改めて、時期的には妊娠6か月頃まで引っ張ってしまい、相談が少し遅くなってしまったなとの反省があります。仕事や人員のやりくりには一定の時間がかかりますので、取得の相談はなるべく早くすることが望ましいです。

 なお、上司の反応ですが、取得について快諾を頂けたのがありがたかったのと、しっかりと妻を支えることはもちろんのこと、赤ちゃんにかかりきりで長男が寂しがるだろうから、その長男をしっかりとケアしてあげるようにとの助言を受けました。この助言はその後半年間の育休期間中、常に私の頭の片隅にあり、行動の指針となりました。

 続いて具体的な引継ぎですが、案件ごとにこれまでの経緯、次のアクション、関係者や資料の格納先をまとめて実施しました。私の場合、あまり早く引き継ぐのも、、という遠慮をしてしまい、引継ぎが育休取得の前月になり同僚にはハラハラさせてしまったなと、ここでも反省がありました。1度に完璧な引継ぎをすることは難しいという前提に立ち、引継ぎ後疑問点、不明点を挙げてもらい引き継ぎ書をブラッシュアップする時間や、できれば引き継ぎ書をもとに実際に業務を進められるかの検証を取る時間を確保することが望ましいかと思います。

 なお、今回は育休取得が目的の引継ぎでしたが、普段から業務を見直し、可視化を行うことにより、何かしらの病気や事故で欠員が生じた際にも業務が継続できる柔軟性を持った職場環境に繋げられるのではないかと思います。

 最後に、手続き面では当社規定で定められた書式を休職開始2週間前までに提出、承認を得て育休開始となりました。

育休期間中のできごと(前半)

沐浴後、洋服を着せる

 無事に生まれてきてくれた喜びもつかの間、赤ちゃんの退院日が延びてしまい、長男の預け先を毎日探しながら、夫婦で少し離れた病院に通い詰めるところから、私の育休がスタートしました。その後、無事退院したと思ったら今度は妻が高熱を出して夜間救急に問い合わせるなど、最初の1,2週間ぐらいは息つく暇も無いという日々でした。

 それから産後の約1か月は、妻の体調回復を優先するため、授乳以外の自分ができる家事はひととおりこなすようにしました。主夫の一日は忙しく、朝食の準備・片付け、洗濯、少し経つと昼食の準備・片付け、掃除、沐浴をして少し休憩すると夕食の準備・片付け、その間も24時間体制でミルク作りとおむつ替えということで、本当に休まる暇がなく、無理がたたったのか、ついには自分も高熱で倒れるに至ってしまいました。

 この経験から、家事はやればいくらでもやることがあり、終わりが無いものであることと、そして睡眠時間を確保すること、そのためには多少洗い物が残っていても、部屋が散らかっていてもまあいいかと、ほどほどに手抜きをすることの大切さを学びました。

 出産後は出生届や育児休業給付金の申請、健康保険証の手配などの各種手続きも重なります。ちなみに、育休期間中は無給となりますが、一定の要件のもと育児休業給付金の支給を受けることができます。申請のタイミング等との兼ね合いで、支給までにタイムラグがあることから、資金計画には余裕を見ておくことをお勧めします。ちなみに、私のケースでは申請から約4か月後の入金となりましたので、その間一切収入がなくても耐えられるよう、例えば、投資用の口座に資金を振り向けているご家庭などでは注意が必要です。

育休期間中のできごと(後半)

長男・次男と

 区の子育て支援センターが行っている親子向けのイベントに参加したときのこと。15,6組の参加者の大半がママと赤ちゃんの組み合わせで、夫婦参加は我が家のみというシーンがありました。同様のケースで、保健所が実施する4か月検診に行った際のこと。こちらもやはりママのみ、もしくはちらほらと夫婦での参加が見受けられ、パパのみでの参加は自分一人という状況でした。このような機会に遭遇する度に、子育ての役割が女性に偏在している世の中の実態を痛感しました。

 この時期は、出産後休みなく続けている子育ての疲労もだいぶ重なるタイミングでした。そこで、夫婦交代で外に出てリフレッシュできる機会を作り、例えば妻の地元の友人が上京してきた際には週末の2日間、日中帯は思う存分羽を伸ばしてもらい、その間長男と赤ちゃんと3人でお留守番をするということにも挑戦しました(これはさすがに大変でした)。

 いくら赤ちゃんが可愛いといっても、四六時中のお世話は精神的にも体力的にも疲弊しますし、何と言っても親自身が元気でないと子どもにも余裕を持って接することができないだろうということもあり、この後もお互い一人になりたいときは時間を取って外出するなどし、意図的にリフレッシュできるよう調整していました。これも半年間というまとまった育休を取得したからこそできたことなのではないかと思います。

私の育休取得記(後編)につづく・・・

(出典・参考)
・こども未来戦略方針[令和5年6月13日閣議決定]
kakugikettei_20230613.pdf (cas.go.jp)

・厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」[令和6年7月31日公表]
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r05/07.pdf

・厚生労働省「若年層における育児休業等取得に対する意識調査」
(速報値)[令和6年7月31日公表]
https://www.mhlw.go.jp/content/001282074.pdf

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