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「自立とは依存先を増やすこと」に励まされる

先日、腫瘍精神科で診察とカウンセリングを受けてきた。
インナーチャイルドとアダルトチルドレン、機能不全家族について調べて悩んで考えて、を繰り返した私。
頭がそれらで埋め尽くされて、映画やドラマや本の中に小さなつながりを引っ張ってきては結びつけて共感したり不安になったりして泣いたりしていた。

沼にハマっていた。
もうドロドロの沼に自ら落ちて足掻いている状態。
何やってんだか。
インナーチャイルドのチェックリストを読み返しては、これが私なのかと思い込み自分がよくわからなくなっていた。

心が過敏になっていて、考えが止まらなくて、突き詰めて考えすぎていたのだと思う。今考えるとそう思う。

心理士さんにそれらを伝えなくては!と思うが、考えが暴走して想いが溢れて止まらない。まとまりのない話になりそうだったから、カウンセリングに向けて院内のカフェでノートの話したいことをまとめて臨んだ。こんなことは初めて。

心理士さんから。
「過去の自分と今の自分の区別、変化がわからなくなっている状態ですね。
自分だと分かりにくいのは今は当然です。混乱していますね」

私は、アダルトチルドレンに関して書かれていた一言が特に胸に突き刺さっていた。
アダルトチルドレンは精神的に自立できていない状態を指す。
精神的に自立できていない。
これがなんだか非常に情けなくて嫌だった。
心理士さんは「あなたは違いますよ。自立しています」と始まり、私が自立している根拠をゆっくりたくさん話してくれた。

「まだ心の傷が燻っている最中だから、過去の自分から成長して変化しているのに、過去の自分を振り返って今の自分と混同しているのですよ」
と言われて涙が滲んだ。ホッとした。

そして、東京大学先端科学技術研究センター准教授熊谷 晋一郎先生のことを話してくださった。
「僕の好きな言葉があるんです」

自立とは「依存先を増やすこと」

心理士さん曰く、私は好きなこと興味のあることが多い。それはうつ病の診断前(つまり癌で入院していた時)から感じていたことだと。
誰しもが何かしらに少しは依存して生きている。何かあっても、ここが、これがあるから大丈夫、と自分を逃して休めて希望にして生きていると。
私にはその場所が本来たくさんあると。

確かに私は好きなことは多い。映画もファッションもアートも本も友達と出かけるのも食べるのも大好きだ。最近はエクササイズも大好き。
やりたいこと行きたいとこで溢れている。
自分のパーソナルスペースをより強固にしていけば、いずれ仕事にも意欲が出てくる。不安が減ってくる。うまくいかなくても大丈夫と思えてくる、と。

安心した。ホッとした。私が持つ生命力を認めてもらった気がした。

そして、今日。ふと思った。

私は相談援助にやりがいを感じている。
医療ソーシャルワーカーとして、相談援助をすることにやりがいを感じている。
患者さんやその家族の意向を引き出すこと、強みを感じてもらうこと、そのことに非常に意味があると思っている。

ここまできた。
ただ、やはり組織であちこちに板挟みになり、職業ヒエラルキーの中で仕事をすることを思い出すとげんなりする。
全員ゾンビに食われろ!!と思っていた頃を思い出す(一度そういうリアルな夢を見て自分にゾッとした)。
追い詰められて押しつぶされて喉が塞がれたようになって言葉が出なくなって、黙って俯いて全てを飲み込んでいた頃の、あの自分には戻りたくない。絶対に。

やりたくないこと、やりがいを感じていたこと、なりたくない自分。
これがやっとはっきりわかった。
やっと?!と思われるでしょう。ははは。そう、やっとここまで来れた。
それが私にとってはなかなかの気づき。

上等、上等。

ヘッダーの写真は近所の地元野菜や食品の販売店で見つけた可愛いチョコレート。ジャケ買い。ソルトキャラメルって響きに抗えなかった。

そして最後にずっと気になっていたヴィーガンクッキー。お店も可愛くて美味しくて体にも優しいなんてありがたい。

美味しかった!
夫と半分こ。
右上のクッキー形看板も可愛い。

せっかく食べるなら、美味しくて体に優しいものを選べたら嬉しい。他のフレーバーも食べてみたけど、大人っぽい味(ローズマリーやアールグレイ)もあって楽しかった。

こういう行きたいお店や見たい映画や欲しいものがたくさんあることを、どこかで贅沢で遊ぶのが好きなキリギリス的人間と思い、後ろめたさがあった!ははは。
それが、依存先が多い、好奇心旺盛なのは悪いことでは決してなくて個性、と気づけたのはよかった。

もしかすると、誰しもが、自分でも気づかない個性や長所があるのかもしれない。
自分ではよくないところ、と思うことが長所だったりするのかも。
それって、すごく面白いしワクワクする!

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