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独り言ショートショート 春色🌸トレイン

昔昔、転校生に告られたことがある。
彼女は良く転校している娘で…最初優しくしていたら告られた。
明るい子で、どこか寂しげだった。
中学生でうぶな時代の僕らはなにをする訳でもなく…今の中学生に比べてとても子供だった。

休日に近所に合ったマクドナルド風の偽マクドナルドを食べるぐらいで…なんのことはないただの友達だった。
きっと彼女は友達が欲しかったのだろう…
女性の魅力という武器を使ったのだろうか…w

漫画の話などして、たわいもなく時は流れたが…
半年ほどしてまた九州に転校して行った。

私は気になっていたが彼女の親御さんの職業は聞きそびれていた。なんだか彼女も話したがっていなかった。
お別れの前日会った時、彼女は乗っていく新幹線の時間を何故か教えてくれた。
山の上の公園に何度か出かけたからだろうか?
そこは新幹線がよく見える私のお気に入りの静かな場所だった…

彼女の乗る新幹線を見に日曜日の昼頃山に出かけた…(大した山では無い)
親父の古い腕時計を借りて…正確に時を待った…新幹線はだいぶ彼女が教えてくれた時間より早くて…間違えたのかどうかすらよく分からず……高速で通り過ぎて行った。

一応少しベンチで過ごして…見送ったことにして、家に帰ったが…

よく考えると

山→駅→九州方面なので

彼女が乗るはずの新幹線を見送っただけであることに気づくのはそれからずっとあとのことである。

この時代、中学生ぐらいの男の子は馬鹿であった。いや、私だけなのかもしれない……。

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