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サークル設立にあたってのご挨拶

息子がまだ保育園に行く前のことです。
私は年を取ってから出来た子供との日々の為、
育休を取り過ごしていました。
ある日動物園に行ったときのことです。
平日の動物園は人が少なく、自分好みの場所でした。
息子は物心ついての動物園に期待に胸を膨らましていました。
まず象がいて大喜び。
次の動物は虎でした。

さぞや、喜ぶことだろう。

ところが息子は虎の檻を見もしませんでした。
ただただ怖がっていました。
いくら手を引っ張っても近づこうともしません。
「大丈夫だから、檻があるから。」
私は息子に話しました。

それでも息子は近づこうともしません。
妻が手を引っ張って息子を励ましています。
しまいにはいやだいやだと、息子は泣き出しました。

周りの人達はそんな息子を見て、
クスクス笑って通り過ぎていきます。

私は思いました。遺伝している。

私はいつの頃からか、人が怖くなりました。
そこで私は対応策として仮面を被ることにしました。本心を隠し、違う自分を演じればいい。
母が教えてくれた生きる方法論はそう告げているように思えました。
今となれば私は間違っていたのかも知れません。

その結果、弱い自分を守る演者の自分という、
変な精神構造が生まれました。細分化し演者は次々と増え続けていました。

ずっと自分はなぜ怖いのか解りませんでした。
泣いている息子をみて解った。ような気がしました。

虎が放つ殺気が怖いんだね。

檻に這入っていても、安全は完全には保障されてはいないんだね。

だって君は檻の意味さえわからないんだから。

その強度や成り立ち、動物園の意味さえ、まだ君は知らない。

そして今ただ虎が持つ本能的殺気を感じているんだね。

たまらなく息子が愛しかった。
そして擦り切れて壊れそうになっていた自分の心を堪らなく抱きしめた。

妻の励ましに背を向けて、私は泣きそうになった。

振り向くと虎が威圧するように、また関係ない興味ないとでも言うように檻の中をゆっくりとぐるぐると歩いていた。

今年息子は中学2年になります。

多感な時期です。
励まさなければ、駄目な背中でもいい。
ありのままの人間をみせるんだ。もうここしか機会はないかもしれない。愛するものにしかみせられない飾り気のない人の真実を。うまくは言えなくても何がいけないことなのか考え感じさせるんだ。父に学んだ私の何かが告げています。

私は人見知りで、孤独な変人で、
臆病者です。
でも人は自分を変えることだって出来る。
勇気をふり絞って、哀しみだって、
挫折だって乗り越えて進むんだ。
前の自分とはおさらばするんだ。
冒険せよ。
愛する僕らが作った君よ。
負けたっていい。泣いたっていい。
時間が掛かったっていい。
歯を食い絞って立ち上がれ。
繋いで行け。
君は君のやり方で。

故人は言いました。

人は自分を変えることだって出来る。
おやりなさい。
腹を決めなさい。
出来ないと思う事をやらなければ、
天は微笑まないのよ。


設立にあたりご挨拶に替えて。
読んでくださってありがとうございました。

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