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息子に伝えたい

長男が来春から社会人スタートです。
夢いっぱい膨らませ、希望通りの出発です。

つい自分の就職したての頃を懐かしく思います。いや、苦く苦しい思い出です。

当時、奈良県に住んでいた私は、1時間半かけて大阪市内に通勤を始めました。
朝、1時間に4本しか停まらない上本町行き準急に乗り、途中で急行に乗り換えて、鶴橋で環状線に乗り換えます。
もちろん、最初の駅から駅員さんが後ろから押してくるほどの満員電車です。
大阪環状線はすぐに次が来るので、あまりにも人が溢れていると次を待ちます。
油断すると、痴漢に遭遇するし、お腹が痛くなった時は地獄です。身動きが取れない状態で、30分間揺れる電車から逃げられません。
慣れない私は、よく貧血を起こしその場で蹲ってました。

仕事は設計事務所だったので、定時に帰宅したことはありません。
帰宅はいつも22時以降。
仕事は楽しかったというより、覚えることと人に慣れることに必死なので、感情がほぼ『無』でしたね。

ニキビ知らずだったツルツル肌が、就職してから3ヶ月で、顔中ぼこぼこのでっかいニキビだらけになりました。
通勤・人間関係・仕事のトリプルストレス半端ない
思い出しながら人ごとのように、『それはアホになっちゃうわ〜〜〜』と叫んじゃいます。

2年後とうとうアホになりました。
まだ真っ暗な早朝、『朝だ、、』と布団を畳んで正座して『あ、まだ3時だ、、』
1時間後、『朝だ、、』とまた布団畳んで正座して『あ、まだ4時だ、、』
これを毎朝数回繰り返す、、、やばいです。
そうしているうちに、日中の思考回路もおかしくなります。

流石にこれはおかしいと思い、冷静になるために近所の神社へ仕事帰りにお参りに行きました。、、、既に深夜12時。
かなりの怖がりだった私、よく行けたナ、、と思います。
それは、アホになってたから。

石の上にも三年
三年はしがみついて頑張れなんてよく言われますが、あのまま三年しがみついていたら、私はアホを通り越してパーになっていたことでしょう。

会社を辞めて、北海道へフェリーに乗って一人旅に出ました。
飛行機ではなく、時間をかけた旅。
目指すは礼文島。北の果てへ行ってみたかった。

リセットしたかった。

息子は安定した会社から内定をいただきました。
今までよく頑張ったと、心から祝ってます。
けれど、決して安心はしていません。
むしろ心配です。本人には言えませんが、、、
遠く離れた一人暮らしなので余計です。

組織に飲み込まれないように
自分を見失わないように
時間に追われすぎないように
会社に染まり過ぎないように

時には立ち止まり一息つくことを忘れないように、、、
たまにはプラリと家に帰ってきてね。










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