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「ローマ人の物語Ⅱ ハンニバル戦記」/これはめちゃくちゃ面白い

「ローマ人の物語Ⅱ ハンニバル戦記」のご紹介です。
すでに、

「ローマから日本が見える」、「ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず」はご紹介しました。

この「ローマ人の物語Ⅱ」は、ハンニバル戦記という副題がついているように、三次にわたるローマとカルタゴのポエニ戦争の戦記と言ってよい巻にあたります。

やはり、歴史ものは、日本で言えば戦国時代が何より面白いのと同様に、戦記物が一番面白いですね。
このポエニ戦争を描いた第2巻も、人物描写、戦闘描写とも塩野七生さんの筆が踊るように走っています。

シチリアでの紛争で始まった第一次ポエニ戦争がローマの勝利で終わり、平和が訪れたように思えたが、父の無念を晴らすべく臥薪嘗胆を胸にした知将ハンニバルがスペインからアルプスを越え、イタリアに侵入、連戦連勝し、一旦南イタリアを拠点にローマ殲滅を伺う。
虚々実々の駆け引き、小競り合いを繰り返す中で、勝機がどちらに訪れるかわからない。しかし、寡頭政治をひくローマには人材の供給がひきも切らないという絶対的優位があったと思わせる、戦況の形勢逆転。
しかしそれでもハンニバルは踏ん張る、なかなか手ごわい、ローマも傷つく。スキピオが登場し、いよいよ第二次ポエニ戦争も終盤、形成は一気にローマ優勢に傾く、、、、
アフリカに引き返したハンニバルとスキピオの横綱同士の対戦、ザマ会戦、ついにハンニバルが敗れる。
ここで講和となるが、カルタゴをそのままで置かない主戦派と世界情勢の変化が訪れ、さしもの栄華を誇ったカルタゴも地中海の露と消えた。

そこには、生々しい人間模様が渦巻き、繰り返される、帯に書かれているように「戦争は、ありとあらゆる人間の所業を際立たせる」・・・ふむフム、まさに然り!とはこのこと。

やっぱり歴史物語は面白い、とつくづく思わせてくれた「ローマ人の物語Ⅱ ハンニバル戦記」でした。


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