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65 指導と評価の一体化で特別支援教育を充実させよう

皆様はご存知でしたか?

知的特別支援学級は当該学年の教育課程に準じなくてよいことに。

つまり、児童の実態に応じて個別に教育課程を編成してよいのです。
その根拠となる指導要領をご確認ください。

イ 特別支援学級において実施する特別の教育課程については,次のとおり編成するものとする。

(ア)障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るため,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動を取り入れること。

(イ)児童の障害の程度や学級の実態等を考慮の上,各教科の目標や内容を下学年の教科の目標や内容に替えたり,各教科を,知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校の各教科に替えたりするなどして,実態に応じた教育課程を編成すること。

小学校学習指導要領(平成29年告示)総則より引用

つまり、通常学級のように統一された教育課程がありません。異学年編成ということもあり、クラス全員で一斉に同じテストを実施することもないのです。

子ども同士で
「何点だった?俺100点!」
「やべー、35点とかお母さんに見せられない💦」
(小5理科のテストで実際に私がありました)
といった恒例のやり取りもできないわけです。

個別の実態に応じた教育過程を編成しているので、そもそも1人1人学習内容は変わります。全員同じ進度、同じ学習内容で全体指導というわけにはいきません。

異学年編成で、学習進度や理解度も個に応じて異なります。
つまり、個々に応じた評価が形となって表せる工夫が必要になります。

例えば…
自作テストを作成する
音読や活動で10点中○点で評価する
◉、○、△の3段階評価する

つまり数値評価するのです。
こうすることで、燃えます。
特に、特別支援学級の子どもは点数に敏感です。
結果が明確で、一目瞭然だからです。

実際に、私の学級では算数は学習内容を確認するためのテストを実施しています。当然、個々で学習内容は違いますので、それぞれ自作テストを作成しています。きっちり100点になるように問題構成するのは難しく、手間がかかるので、「間違えたら5点ひく」という減点方式での採点です。

テスト内容は違っても、同じタイミングでテストを行うので、私の学級では
「ねえねえ、何点やった?俺、100点やった~!」
「テストか!やだ~!(うれしそうに)」
「お母さんが、全部100点取ってこいって言われた!」

など言うのがテスト前の恒例になっています。
継続的に取り組むことで、テストへの意識の高まりが見られました。
学習への取組方も向上し、学力向上につながったと感じています。

また、校長先生や教頭先生、保護者や地域の人などに見てもらい、他者評価する方法も考えられます。ほめられたり、感謝されたりすることで、実施した活動が価値あるものへと昇華するのです。

例えば、制作活動なら…
理科、社会なら新聞やスライド
家庭科なら料理や裁縫
国語なら作文、カルタや詩、俳句など

形に残るものを制作し、他者の目に触れ、文章、直接言葉で感想や意見をいただくことで評価することができます。

指導と評価の一体化により、特別支援学級の学習が効果的で、有意義で、価値の高い実践にすることができます。そのためには指導段階で

「この学習は、ここがねらいで目標だよ。ここができたかどうかを評価するからね」

と目標や評価の視点を常に示しておく必要があります。そうすることで、子ども達はどこを頑張ればよいかが明確になります。

指導と評価の一体化を意識して、授業や活動計画をぜひ実践してみてはいかがでしょうか?

今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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