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テストを家に持ち帰らない時、あなたならどうしますか?~通級指導教室での対応を紹介~

通級指導教室は、何のために存在するのでしょうか?
学習や生活面で、サポートすることです。
30人学級であれば、そのうちの1人へのサポートとなります。
(1学級に2名以上在籍することもありますが)
それが、担任の先生から、とても喜ばれるのです…!

うれしくてしかたがありません。

私は、その子1人が担当なので、その子のためにできる最大限を尽くします。その実践を紹介します。
テーマは、テストを家に持ち帰らない時、あなたならどうしますか?です。

先日、テストをぐちゃぐちゃに丸めたり、持って帰らなかったりしたAさんがいました。先週、私が教室まで行き、ランドセルにテストを入れてあげたのに、私が離れた後、テストをランドセルから出し、持ち帰らなかったのです。「そこまで持って帰りたくなかったのか!」と詰めが甘い私自身を反省しました。

そこで、「サイクルシート」を使って、今週は持ち帰るように伝えました。
今回使用したものは、先輩の通級指導教室の先生からいただいたものです。


実際に使用したサイクルシート

①どうだった(起きたこと)
②それはなぜ(原因)
③じゃあどうする(対策)
④やってみる(行動)
を順番に考えていきます。

①では、「テストを丸めてぐちゃぐちゃにした」こと、「家に持って帰らなかった」ことを書きました。
②では、「何で?」と問いかけ、「兄弟から、バカにされるから」などの原因を書きました。
③では、「じゃあ、どうする?」と尋ね、「テストは家に持って帰って家族へ見せる」と書きました。
④では、「やってみよう!」と伝え、「ランドセルにテストを入れる」「今度からは丸めない」と書きました。

このサイクルで考えることで、自分の行動の振り返りと今後のよりよい行動を考えることができます。これは、まさにSSTです。実際に、Aさんは家庭に持ち帰り、両親へ渡して見せることができたそうです。

担任が放課後に電話連絡した際に家族へ確認したそうで、喜ばれていたという嬉しい報告を聞けました。

たった1人でありますが、されど1人です。私の仕事は通級指導教室に通う子供の自立と社会参加のためにできる最大限をすることです。

テストを家庭に持ち帰らない、ぐしゃぐしゃに丸めるという行動面の課題があるのならば、「サイクルシート」で振り返り、改善していくステップを踏ませる支援が必要です。実際に上手く行ったようで、ひと安心です。

しかし、今後また同じ行動を繰り返すかもしれないし、違った不適応行動が表出するかもしれません。このことに満足せず、常にできる最大限の支援を行っていきたいと思います。

このサイクルシート、原因や改善点を可視化できるので、話す、聞くだけでは理解が難しい子供にとっては効果的です。また、教師が書いてやるほうが、スムーズで、短時間にできました。文字に抵抗感があったり読めなかったりする子供には、絵を描いて「コミック会話」のようにするとよいでしょう。いずれにしても、シートで形式的に話すことで後で見返して予防的な指導につなげることもできるし、活用方法は無限大です。ぜひ、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。通常学級でも、ご家庭でも、もちろん利用可能ですよ!

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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