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return to forever についての雑談④ light as a feather / 500 miles high

今回の話題は、return to forever 2作目のアルバム light as a feather より、名曲の 500 miles high を取り上げたいと思います。この曲は、今やジャズのスタンダードとなっている曲です。
 そして、500マイルの意味を考えてチック・コリアがどのような想いでこの曲を作ったのかを考えてみたいと思います。
では、早速、500 miles high をお聴き下さい。 

この曲が作曲されたのは、1972年です。
 その頃のアメリカの政治状況は、ベトナム反戦運動の中の真っただ中であったと言えます。ベトナム反戦のウッドストックコンサートが、1969年に開催されています。
若者間では、所謂カレッジフォーク・ロックが流行し、ボブ・ディラン、ピーター・ポール&マリー(PPM)、キャロル・キング、ジョニ・ミッチェル 等曲がもてはやされていたことでしょう。
 チック・コリアの生まれた年は、1941年です。チック・コリアがニューヨークのジュリアード音楽院で過ごした青春時代は、PPMの500Miles を否が応でも耳にしていた事は想像に難くありません。
   この曲は、アメリカンカントリーフォークのスタンダードで今尚、多くのミュージシャンにカバーされています。日本でも、忌野清志郎さんが良く歌っていた事でも知られていて、最近では、福山雅治さんもカバーしています。
  それでは、PPMの500マイルも離れて(500Miles)と忌野清志郎さんの500Milesを続けてお聴き下さい。


チック・コリアは、何故 500 Miles に high を付けて 500 Miles high
にしたのか?

 清志郎さんの唄う歌詞が、汽車なのに対して、チック・コリアは、500 Miles に high を付けたのたは、宇宙に飛びたかったからだと考えられます。

それでは、歌詞を見てみましょう。

500 Miles high 高度500マイル

Someday you'll look in to her eyes, then there'll be no good-byes,
いつかあなたは彼女の瞳をみつめ そこにはもうさようならはなく

and yesterday will have gone and you'll find yourself in another space
昨日はもう過ぎ去っていて 気がつくとあなたは別の宇宙にいるでしょう

five hundred miles high
高度500マイルの世界に

You'll see, just one look and you'll know, she's so tender and warm.
わかるでしょう 一目見れば 彼女は優しく暖かい

You'll recognize this is love. You'll find yourself on another plane
これが愛だとわかるはず そしてあなたは別の空間にいるのです

five hundred miles high.
高度500マイルの空間に

Be sure that your love stays so free, then it never can die.
あなたの愛をずっと自由に保ちなさい そうすれば愛は絶えることはありません
Just realize this is truth, and above the skies your will always stay
これが真実 それだけは知っておいて そうすればあなたはいつも空の上にいます

five hundred miles high.
高度500マイルの空間に

:  lyrics by  Chick Corea

 離れて行く愛する人が、汽車ではなく、ジェット機に乗って去って行ったのです。

前回の記事、Captain Marvel でお話ししたように、チックは、宇宙(銀河)に飛びたかったのです。

 500マイル(約800Km)は、ジェット機の速度 500mile /hで、高度500mile、着陸の地点が500mileを離れたところ、ニューヨークを起点とすると、約800Km先は、北は、カナダのケベック、西は、クリーブランド、南は、アトランタまでカバー出来ます。(日本だと西は東京から広島、北は札幌、函館間位の距離)

果たして、愛しの人は何処に向かったのでしょうか?





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