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【エッセイ】エンパス!現実主義の母と私と幽霊と 15. 前世の引き出しを開けましょう

 前回の記事から話は続くが、自殺未遂の後、突然私の態度や言葉遣いが変わったのも、実は上の存在(霊的存在)たちからのアドバイスがあったからだった。

 いつも旦那には気を遣い、機嫌を伺ってばかりだった結婚生活。妻である私がそんなオドオドした態度でいるから相手が図に乗るのだと、あの時私は気付かされた。
 とにかくこのままではいけないと、だからこそ守護霊様達が前世の記憶を思い出させたのではないだろうか。

 前世が中国人だった私と夫。
 そこでは私の方が立場的に上だったし、改めてその当時の関係性や映像を見せられた事で、今後どう接するべきか、おのずとそれが分かってしまった。
 具体的には、オドオドしない。へりくだらない。何を言われても毅然とした態度で。などなど。
 旦那に対してはあの頃のようにそっくりそのまま振る舞う訳じゃないが、端々にでも少し差し込み再現するような形だ。

 あとは目から鱗の意外なアドバイスを二つほど授かった。
 まず一つは、旦那には積極的に前世の事など話した方が良いというもの。
 母のあの拒絶反応を見てきたので、これまで不思議体験などあまり言わないようにしていたのだが、旦那には何かが変わるきっかけになるというのだ。
 実際に話を聞けば疑うだろうが、仮にそんな態度を取ったとしても魂の深い部分では思い出す所があるだろうと。魂の記憶に触れるだろうと。


 あともう一つは、服装や言葉遣いを変える事があなたにとっては身を守る一つの術になるだろうと教えられた。
 これは旦那はもちろん、今後関わる人間関係においても有効だと……。

 服装はともかく、ある日とつぜん言葉遣いを変えるなんて普通なら難しいと思うが、これが何とあら不思議……。前世を思い出した事によりそれは難なく実行できた。
 というのも、要は男性だった前世もあるので、その当時の態度や口調などを思い出しただけなのだが。もともと自分の中にあった引き出しを開けて使うみたいな、そんな感じなので自然に体が対応出来た。

 ……だが。だがしかし……

 やはり周りから見た当時の私はかなりヤバい人のように思われた。
 私としてはただ違う時代の自分を思い出しただけなのに。言葉遣いだって、変えたと言ってもほんのちょっとだ。言葉尻を変えただけで、例えば……

「知らない」→「知らね」 
「あるんじゃない?」→「あるんじゃね?」
「やばい」→「やべ」
「そうじゃないよ」→「そうじゃねぇよ」
「……はい?」→「……あ?」


 ……とまあ、書き出してみたが……。
 う〜ん、改めて見ればやはり少しアレだろうか。大人しいやつが急にヤンキーになったみたいな? もちろんこれは普段使いで然るべき時にはちゃんと丁寧になりますけれど。

 私自身としては言葉遣い一つでこんなに変わると思わなかった。身を守る一つの方法というアドバイス通り、不思議と自分が強くなったような、まるでそれが人と戦う為の鎧を身に纏ったような感覚で、実際、よく自分勝手に振る舞う人とか、エネルギー吸い取るヴァンパイアみたいな人がいるけど、そういう自分にとって害になる人をあまり近付けさせなくなったと思う。
 ただ、人によってはこの言葉遣いは粗暴で感じの悪い人と思われてしまうかもしれないが、私にとっては必要だった。自分の身が守れるなら粗暴に思われても構わない。これは一生使う必須アイテムみたいになった。



 改めてだが本当に、あの時前世を思い出した事は私にとってはとても良かった。
 何故母に対しあんなにも苦手意識を持ってしまうのか、それが前世を思い出した事により「ああ、そういう訳か」と深く納得する事が出来たのだし。
 だって想像してみて欲しい。誰だって自分を死に追いやった原因が、自分を殺した張本人が目の前にいたなら恐怖や嫌悪感を持ってしまうのは当然だろう。

 高校卒業した辺りかな? 一度母との関係改善を図りたいと思い立ち、これまでバイトしたお金で一緒に旅行に行った事があるのだが、これがびっくりするほど楽しくなかった。
 旅行の他にも水族館や動物園にも行ってみたけど楽しくなくて。楽しめない自分に、こういう感情を抱いてしまう自分にどこか罪悪感さえ感じていたけど、あのような前世があったのなら仕方ないと気持ちがすごく楽になった。

 前世療法とか聞いた事があるけど、あれは悩める人にはとても有効なのではないだろうか。
 納得した事でモヤモヤが晴れて楽になったし、あとは前世の引き出しが開けられた事でそれまでとは違う側面での価値観で物事を見る事が出来るようになったからだ。
 いろいろレクチャーされた事で何か達観した気持ちにもなったし、ほんと分からなかった事が分かっただけで見える景色が全然違う。

 こんなに良いことづくめならみんな前世を思い出したらいいのにとか、私ももっと早い段階で思い出させて欲しかったなんて思うけど……やっぱりそれは安易かな。

 何故なら、どこかにチラッと書いたと思うが、やはり私には冤罪により刑に処された過去世(お金にまつわるもの)があり、それも一緒に思い出した事で、より人に対する苦手意識が強まったからだ。

ふとした時に「人は裏切る。私は信じない」と呟いてしまう事があるし、そう思うとやっぱりそれは良し悪しかな。


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