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うちカレー研究

落語家は落語実演家である一方、落語を教授する一面もあります。栄枯盛衰はあったにしろ、実に大げさな言いい方になってしまいますが、落語三百年と呼ばれ歴史があるのは、名人と呼ばれた名実演家と、後世にそれを残した名教授どちらも存在したからこそではないでしょうか。

「教える」というのは三度目の理解する機会だと思います。教わったとき、それを実践するとき、それを教えるときの、三度。

長い前置きはさておき、ある日いつものカウンターで「カレーのつくり方」のはなしになりました。40年という長くも短くもない人生で、カレーなど何度となく作っていますが、ひとに教えるというのは、やはりなかなかに難しいことです。

そのひとつに「どうしてそうするの?」があると思います。あたりまえにつくり、あたりまえのようにできているものに、「どうして?」という視点からあらためて試行錯誤してみました。そして、その結果「たのしい」と思ったので、残しておきたいとおもいます。

自分の決まりごと

誰のために、なにをつくるか。わたしの日々の料理はわたしのためのものでしかありません。友人を招くときには友人を招くための、友人知人先輩後輩家族恋人もしくは下心大アリ。それぞれに準じて、それぞれのひとを思いながら台所に立ちます。

なので、今回のカレー研究についていえば、5歳と1歳半のお子さんをもち、旦那さんと暮らすおかあさんのためのカレー研究です。ちなみにシャバシャバのカレーのレシピをご所望です。

そこでまず決まりをつくりました。

・うちにあるものでつくる
・せめてスーパーで手に入るもの
・手の込んだ作業はなるべく省く

この3点です。

いくつかの検証点

さて自分に対する決まりごとを決めたところで、これですねってレシピを決めるには、まずいくつかの検証点が浮上しました。

・玉ねぎをどの程度炒めるか
・鶏肉を炒めるか(肉は鶏肉一択)
・スープの素をつかうか
・ヨーグルトをつかうか
・ココナッツミルクをつかうか
・トマトは生かカット缶かホール缶か

これらを最低限の手順で検証しながら、これでつくってみてください。というレシピづくりがはじまりました。検証といっても、何度の火入れでタンパク質がどうのこうのなど、化学的なことや数値的なことはわかるはずもなく、すべて、こっちのほうが美味しいよ。という、主観だけです。

かくして、わたしの「うちカレー」研究がはじまりました。

そう、その時、わたしはとてもヒマだったのです。

#カレー #家庭料理 #男の料理
#落語 #落語家







書くことは、落語を演るのと同じように好きです。 高座ではおなししないようなおはなしを、したいとおもいます。もし、よろしければ、よろしくお願いします。 2000円以上サポートいただいた方には、ささやかながら、手ぬぐいをお礼にお送りいたします。ご住所を教えていただければと思います。