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正職員になったら、心は満たされますか?

非常勤の看護師として、働くことにした。

「絶対、看護師には戻らない」そう思いながら昨年の夏に退職したから、正直、自分でも驚いてる。


8ヶ月経ってまた看護師に戻ろうと思ったのは、どうしても1人暮らしがしたかったのと、”好きなこと”を続けたいと思ったから。

最近、ちょこちょこだけど、キャリアプランナーや、スタートアップの手伝いをさせてもらっている。

自分でやりたくて始めたから、諦めたくなくて。
でも、それだけではまだ生きていけないから、生活のために看護師に戻ろうと決めた。

そんな理由で、2月からは本腰を入れて就職活動をしていた。

本当に、本当に、怒涛の2ヶ月だった。


毎日のように転職エージェントの人と電話して、履歴書を書いて、ゲストハウスの仕事が終わってから面接に向かって。

とんでもなく、忙しかった。


きっと私の担当のエージェントさんは、私のわがままに頭を抱えただろう。

プライベートの時間が取れること、副業ができること。これだけは絶対に譲れなくて、どんなにお給料が良くても首を縦に振ることができなかった。

副業とライフスタイル、好きなことを最優先にして、生きたいと思っていた。

ずるいと思われるかもしれないけど、私は好きなことをするために、看護師の資格を利用した。


最初から「非常勤も考えてる」とお伝えはしていたけど

「正職員の方が、将来的にも良いですよ」

「まだお若いから、経験を積むことも大切だと思います」

「”好きなこと”をやるにしても、お金は必要じゃないですか?」

耳にタコができるくらい「正職員の方が…」と繰り返し言われ、流され、私は正職員の看護師に戻るのか…とぼんやり考える日々を過ごしてた。

でも結局、正職員として看護師をしている自分が想像できなくて、非常勤として働かせてもらうことにした。


正職員で働いた方が良いなんて、私だってわかってる。

お給料は全然違うし、福利厚生だって受けられないものが多い。

将来ライフスタイルが変わって、病棟看護師に戻りたいと思った時、宙ぶらりんな看護師歴では疑問を持たれることも。

若いうちに夜勤で経験を積んで、急変時に対応できるようになった方が、良いことも。

私が、1番わかってる。


「正職員の方が〜」と言われるたび、ズシリ、ズシリと、自分の心が重くなっていくのを感じて、私のやってることは間違ってて、私は頭がおかしい人なのか。と何度も思った。


「どうして正職員にしなかったの?」

家族と親族に言われた時は、もう笑って流すことしかできなかった。



ゲストハウスのスタッフさん達に「非常勤で働くことにしたんです」と伝えた時の第一声は「良いじゃん、最高じゃん」だった。

その一言に安心して「正職員の方が良いって、みんなに言われて。わかってるんですけどね」と、つい弱音を吐いてしまった。

「でも、他の好きなことできるんでしょ?良いじゃん」

「”正職員の方が良い”って言ってくる人たちは、カイリちゃんのやりたい事を知ってるの?想いを知ってるの?」

「知らないから、言うんだよ」

ああ、私はなんて心強い味方に囲まれているんだろう。

言葉をかけてもらうたびに、私が欲しかったのはお金でも福利厚生でもなくて「好きに生きて大丈夫だよ」って、応援してくれる存在なのだと感じた。


きっと正職員の看護師に戻ったところで、私の心は満たされない。

収入が少なくても、安定とはいえなくても、自分と向き合う時間をつくって、友達と会って話して、好きなことを自由にしている。

その方がよっぽど、私らしくいられる気がした。



本当のことを言えば、看護師には戻りたくなかった。

「看護師以外の道には進めない」それを認めるようで悔しかったし、看護師の正職員になってしまったら、また「誰にも優しくなれない自分」に戻ってしまいそうで、それが怖くて仕方なかった。

それでも看護師を選んだのは、自分の力のなさと努力不足だと思う。

努力できなかった、私の結果なんだ。


非常勤とはいえ、もう一度看護師に戻る。
私にとって、大きな決断だった。

でも非常勤だからこそ、自分の力を身に付けたい。

何度目の決意かわからないけど、空っぽの新居を見ていたら「やるしかないんだ」って覚悟に変わった。

フリーランスだって転職だってなんでも良い。自分が熱狂できることを仕事にしたい。仕事に繋げるんだ。

特にこの1ヶ月は、自分の未熟さを痛感した。


もう3月も終わってしまうけど、今年自分はどう生きたいか?改めて考えたときに、自律したいと強く思った。