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どうせ住むなら

家を建てて(買って)どうせ住むなら…と考えたことはありますでしょうか?
理想の間取りや設備、好きなデザインの家もいいでしょう。
ですが、その前にちょっと考えてほしいことがあります。

理想の間取りは家族構成が変わる十数年で変わり、設備は10〜15年で交換の時期が来ますし、デザインも十数年で飽きが来ませんか?
それなら今後50年以上変わらず、次世代に繋げられる「家の性能」にお金をかけるのが一番合理的とは思いませんか?

別視点で言いますと、収益化が優先される賃貸では設備やデザインに凝った建物はあっても、性能の高い建物はほぼゼロと言っていいほどありません。
それならどうせ家を建てる(買う)なら、賃貸では住めない性能の家に住みたくありませんか?

【賃貸住宅のコラム】
一般的に家の断熱性能は、
近年の戸建て>一般の賃貸>従来の戸建て
となり、世代によって認識が異なります。

なぜ一般の賃貸の断熱性能が良いかというと、家を六面体の箱としたときに6面のうち2〜4面ほど外ではなく隣の家に接しているから、戸建てよりもその分有利になるからです。
また防音用に断熱材が入っていたり、気密の高いコンクリート造だとより有利になります。

なので、せっかく賃貸から出て戸建てに住むのに、新居の戸建ての方が寒いのでは虚しくなってしまいます。

前置きはここまでにして、じゃあその性能とは何かって話ですが、一言で言えば、健康・快適・経済性を確保できる省エネ性能(断熱性能を含む)です。

もう少し深掘りして言うと、省エネ性能を維持するために短期的な地震に強くなる耐震性能、長期的に持つようにする劣化対策、メンテナンスを最小限の工事で行うための維持管理対策の4つの性能(いわゆる長期優良住宅)になります。

【日本の住宅のコラム】
ナショナルエコノミーというボードゲームをご存知でしょうか?

作った建物を売ることで経済規模が大きくなる経済の基本が勉強できるゲームなんですが、実は日本の住宅の価値はローンを払い終える頃にはほぼゼロと言われているのでこのゲームのようなことにはなりません。

極端な話、高いお金で家を買っても、それを売れないのでお金が増えず、家族単位で豊かになれません。
そのことがわかっているので国は、海外のように中古住宅市場を活性化できるよう、住宅に性能を設けて中古住宅に価値を見出そうとしているのです。

それが長期優良住宅の成り立ちです。
そうゆう面でも住宅に性能は必要なのです。

長い長い話になるので先に結論を書いておくと、新築の性能だと最低でも以下の項目はチェックしておきたい

①断熱等級6(できれば6.5相当)
②耐震等級3(できれば構造計算)
③気密測定C値0.7以下
④Low-Eガス入り樹脂窓(樹脂スペーサー)
⑤太陽光発電パネル+昼炊きエコキュート
⑥熱交換換気(メンテナンスを継続できる人に限る)
⑦日射設計(設計できる人は少ないのでできれば)
⑧適切な空調設計(上記スペックなら夏用冬用エアコン各1台あれば充分ですが、設計できる人は数える程度しかいないのでできれば)

【断熱性能のコラム】
今の住宅戸建て市場は、主に補助金が100万円程度出ていることもあり、新築もリフォームも2030年に義務化するZEH水準(断熱等級5)が最低レベルになりつつあります。

ですが、これは光熱費とエネルギーの観点で言っているだけなので、真に断熱性能を体感するなら断熱等級6以上はほしいところです。

続いてリフォーム(リノベーション)の性能のチェックしたい項目は、

①浴室のユニットバス化(ヒートショック対策)
②給湯器の取替え(エコキュートかエコジョーズではない場合)
③間取り改修(生活空間の見直し)
④樹脂窓への取替え又は内窓(2023年から半額補助の補助金あり)
⑤気密処理+換気システム(きちんとできる人が少ないのでできれば)
⑥床断熱(冬対策)と天井断熱(夏対策)
⑦壁断熱(結露リスクと改修コストが高いので大規模改修以外オススメできない)
⑧耐震改修

重要なポイントは、新築時に性能を上げておかないと改修時はかなりコストが割高になるところです。将来的に回収できる光熱費にも差が出るので後で必ず後悔します。

解説は別の機会があれば。

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