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悩み続けていることを養鶏家のおじちゃんに相談したら

  先日、佐賀で養鶏をしている方々の集まりに行ってきました。養鶏あるあるや事業経営など、生産現場の人の声(話)が聞けてとても面白かったです。私が養鶏にガッツリ関わり始めたのは、素ヱコ農園でのインターンシップからで、まだ熱く語ることはできません。なので、話題といえば大学院での研究内容や人生相談をしていました。そこでの気づきをシェアしたいなと思います。

始まりは就職先についての悩みから

  修士終了後の就職を考える中で、大きな悩みにぶち当たりました。それは、自分のやってみたい職業と自分に合っている職業に違いがあることでした。修士が始まる前から食に関わるコンサルティング系の仕事がやりたかったのですが、養鶏場でのインターンシップを契機に、動物と働くことへの複雑さや難しさに魅了されている自分がいました。友達や家族に養鶏場での小さな発見を話したり、大学の教授に進路相談をしたりしているうちに、現場で働くことが自分に向いていることに気がつきました。コンサルティングは、色々なデータや資料をまとめて、具体化したり、戦略を立てたり”考える”ことが多い職業だと思います。その反面、養鶏の現場では”感じる”ことが多い仕事だと考えています。例えば、鶏にとって過ごしやすい環境は何かを鶏の行動を通して感じたり、作業をしていてすぐに改善が必要なことを感じて行動に移したりすることが多いと気づきました。その自分の感覚で動くことに、自分自身の可能性と働く喜びを見つけることができました。楽しく働いている自分の姿は想像できるものの、自分がこれまで考えていた理想の職業(コンサルティングや新聞記者など)と離れていることにモヤモヤ感が残りました。

悩んでいることに対してではなく、それを”自分がどうしたいか”考え続ける

  モヤモヤした瞬間は進路に関することだけではなく、日常の生活の中でもよく感じていました。久しぶりに歩く福岡の天神の街並みや、飲食店のメニューの一言にもモヤモヤすることが多いです。そんなことも養鶏家の方達に話していると、「若いうちに引っかかりがあることはいいことだ。周りに流されてないということだから。」と言われました。「自分で納得して流されることを選ぶならいいけれど、そこに気づかずに年を重ねると、どこかで踏み外す時がくる。大切なのは、そのモヤモヤを自分自身がどうしたいか、どうしていきたいかじゃないかな。」と続けて話されました。その瞬間、自分が悩みの内容や頻度に落ち込んだり、就職先の選択の正解だけを求めようとしていたりしていたことに気づかされました。

異世代の経験則からの学び

  私は人との対話を通して得られる学びが大好きです。人の経験をそのまま鵜呑みにはできないけれど、信頼できることも沢山あると私は考えます。養鶏の現場において、自分の感覚で動くという私の未熟な経験則と私以上に色々なことを経験してきた人生の先輩の経験則とは、質や量は違っていても学びのベクトルは同じような気がします。こんな感じがするな?とかこうなんじゃない?みたいな曖昧なものにもきっと価値があるんだろうなと思いました。振り返れば大学生の時は、年が離れた人達と関わる機会が少なくて、目上の人と話すことに少し抵抗があったと思います。でも、海外で色んな年代の人と友達になれたこと、年なんて関係ない文化が日本よりも強いこともあって、帰国後は抵抗感がグッと減ったなと実感する一日でもありました。

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