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【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月25日(月) 32日目: Rehabilitation Center 7日目

Respiratory Therapist : 呼吸療法士

今日は夫と二人で研修の日。
リハビリ施設に9時過ぎに着いた。

長男はベッドの上で寝ていたが、
「もうすぐ理学療法士と訓練があるよ。今日は僕たちも一緒に訓練を受けるんだよ。」
と夫が長男を起こす。

長男の側には介護のシッターさんが椅子に座っていた。

夫が長男のブランケットをめくると、Tシャツに下着のパンツだったので、スウェットパンツを渡すと、長男はベッドの上で履き始めた。
その後、ソックスを履き、靴を履く。

体はベルトでベッドに固定されているが、自分で身支度をしていた。

理学療法士が来て
「じゃ、今からジムに行くわよ。」
と言った途端
「トイレに行きたい」
と長男。

どうもお腹の調子が悪かったようだ。
しばらく理学療法士とトイレに籠っていた。

その後、ジムへ。
理学療法士から以下のことを教わる。

1.歩く際は、長男の左後ろに立ち、右手は長男の右の腰、左手は長男の左肩に手を添えて歩く。
2.椅子に座ったり、立ったりする際は、長男の正面に立ち、長男の腰に両手を添える。
3.階段を上る際は、長男の後ろに立ち腰に両手を添える。降りる際は、長男の正面に立ち両手を添える。階段の段差で長男の足と自分の足が重ならないようにする。


夫と交代しながら長男のサポートをする。
といっても、既にサポート無しでも歩ける状態の長男だが、いつバランスを崩すか分からないので常に目を配っておく必要がある。

理学療法士に、リハビリ施設を退院後はどのくらいの頻度でリハビリ施設に通えばいいか聞いてみた。

「週に3回のペースがいいと思うわ。彼は若いから沢山リハビリして行くと良くなっていくわよ。」

次に作業療法士の訓練。

昨日、作業療法士に家の玄関、バストイレ、部屋の写真をemailで送っておいた。
その写真を見て、手すりの必要な個所を指摘してもらった。
トイレ&シャワールーム、玄関の階段部分に手すりを付けるように助言を貰った。

作業療法士からはシャワーの際の立ち位置などを教えてもらう。

その後ジムへ行き、長男はボールを投げたり受けたり、ボールを蹴ったり足でドリブルしたりしていた。

ジムから部屋に戻ると、これまで二人部屋を一人で使っていた長男にルームメイトが来る、と言われた。

「あなたと同じ若い男の子よ。スペイン語を話すわ。もちろん英語も話すわよ。」

ルームメイトが居ても、カーテンで仕切られてるし、まして「hey!」なんて挨拶できるレベルの患者同士ではない。

作業療法士から
「来週の明日、あなたは退院予定よ! それまではここで訓練をしていくわよ!」
と長男へ説明。

午後1時からは言語聴覚士の訓練の予定だったが、スケジュールが変更になり午後3時から。
私たちは午後2時に病院を出る必要があったので、言語聴覚士との訓練は残念ながら一緒にできなかった。

今回の滞在中に神経科医達に長男のメンタルについて相談に乗ってもらった。
長男の病室では話せない内容もあるので、奥まった廊下で話す。

「Help !  Help !  Help !!」
他の患者の部屋から叫び声が聞こえる。
ここはTBI棟、脳にダメージを受けた患者の病棟、agitation が酷い患者がいるのは一般的。

今日の長男は理学療法士、作業療法士の指示にちゃんと従っていた。
agitation も酷くなかった。

ベッド上で長男を固定するために巻かれていた鍵付きのベルト(バンド)も医師の指示で外されることになった。

最後に Respiratory Therapist(呼吸療法士)から、trach(気管切開)のチューブの替え方とガーゼの交換方法を習う。
長男は退院時には trachは外れてる予定だが、念のための訓練。

昨晩、11時頃に夫の携帯に長男から
「迎えに来てほしい。まるで人質にとられてる捕虜だ。食事も与えられてない。」
長男から私の携帯にも着信があったが、夜は着信音を消しているので気づかなかった。

私は隣の部屋で長男の話し相手をしてる夫を不憫に思いながらベッドで寝ていた。
”人質にとられてる捕虜だ”
って言ってた長男のことを笑いながら話してくれた夫。
食事は胃ろうでチューブ経由で栄養が取れてると長男に説明したらしい。

夫は長男との会話を楽しんでいるようだった。

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