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【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月29日(金) 36日目: Rehabilitation Center 11日目

夫と一緒にリハビリ施設へ。

月曜に私たち夫婦は研修を受けたのだけど、まだ不足してるものがあるのでそのフォローアップをしてもらった。

朝9:30に長男の部屋へ着くと、ベッドの上で携帯をいじっていた。

着替えの服を持ってきたと伝えると
「長袖の服がほしい」
というので、持ってきたパーカーを渡す。

長男が
「How is ***(弟の名前) ?」
(弟はどんな感じ?)
と、聞いてきた。

「大学の寮が18日にcloseするから、家に戻ってくるよ。夏のインターン先も決まったよ。」
と伝える。

先週の土曜に次男が長男の病室に訪れた時に、何も会話もできずにいたのが気になっていたんだろう。

しばらくすると作業療法士がやってきた。
長男が作業療法士の方を向いて頷いたり話したりしている。

月曜に会った長男とは別人になっていた。
まるで、元気な時の長男だった。
驚いた。

普通に会話をしてるのが不思議だった。
一体何が起こったのか?
恐ろしいほどの回復力だ。

その後、理学療法士が来て訓練。
今日は外に出て歩行の練習と、私たちの車に乗り降りする練習、外階段での練習、などを一緒にした。
立っている時にたまに体がぐらつくことがあるので、いつも隣にいる必要がある。
しかし、歩行も階段も一人で十分できるまで回復していた。

長男は、昨日から胃ろうと共に、自分で syringe(注射器)を使って流動食を口から入れて食事を取り始めていた。

言語聴覚療法士が、長男の syringe を使っての食事について説明をしてくれた。
まだ飲み込める量が多くできないので、目盛りの 5 のところまでを一回分の目安として入れるように、とのことだった。

ただ、長男は言語聴覚療法士や看護師の見ていないところで、目盛り 15 位の量を一気に流し込んでいた。
わかる、その気持ち。

今日の朝食は、オレンジジュース、牛乳、ミルクプリン、グレイビーソース。
昼食は、クランベリージュース、お茶、トマトスープ、ミルクプリン。

syringe を使うと時間もかかるし、一度に入れる量も多くできないので胃ろうから栄養を取り入れることも必要らしい。

看護師から胃ろうを通して栄養(今回はプロテインドリンク)を入れる方法を習った。

胃に繋がっている胃ろうの管に大き目の syringe を取り付け、そこにプロテインドリンクを流し入れる。

あっという間に胃の中に吸い込まれる。
が、長男はこれがとても嫌いなようで、
「もうお腹いっぱいだ」
と言って不機嫌になっていた。

胃ろうから食事を取ると、お腹の調子が悪くなるらしい。

午後は、レクリエーション療法士が来て説明。
2年間は飲酒、マリファナ、THCオイル などは取らないように、と言われていた。
*マリファナ、THCオイル は、アメリカ国内で合法な地域がある。

また、頭がダメージを受ける可能性があるスポーツ(サッカー、バスケ、水泳、他)もしないようにとのこと。

いくら自分で大丈夫、回復したと思ってもTBIは脳のダメージを受けてるので何事も慎重にする必要がある。

TBIのサポートグループもあるので、そこに参加することも可能だ。
同じ病気の人達との交流も必要だろう。
助け合いの精神。

レクリエーション療法士から渡されたペーパーに長男は目を通していた。

あっという間に午後1時半になっていた。
家の用事もあるので、夫と一緒にリハビリ施設を後にした。

帰り道に、
「回復力、すごくない? 毎日すごいスピードで回復してるんだけど。」
と、お互いに話していた。

先週まで agitation が酷く、眼つきも鋭かった長男。
だが、今は元の長男に戻りつつある。
眼つきも優しくなっていた。

この一か月でここまで変わるとは…。

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