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子どもの熱について(解熱剤はいつ使えば良いの?他)

Take Home Message

□ 発熱は悪いものではない。病気を治すためには必須の体内反応。
□ お子さんの高熱はよくある。脳の機能に問題が出るのは42度以上
□ 解熱剤は40度以上、不機嫌で寝付けない時などはなるべく使用。
□ 3ヶ月未満の発熱は緊急疾患。時間を問わずすぐに受診を。


1 熱はどうして出るの?


 発熱は人間の防御機能です。ウイルスや細菌などの病原体が感染した際、体内では白血球をはじめとした免疫系が働きます。これらの免疫系は体温が高ければ高いほど活発に働きます。
逆にウイルスや細菌などの病原体は、平熱時の方が繁殖しやすいです。
その為、発熱という生体反応は病原体を倒す上では必須の働きです。
時折40℃の発熱で頭への影響を心配するご家族がいらっしゃいますが、41℃までは、脳の各細胞の機能は保たれると考えられています。しかし、42℃以上になると、意識障害を引き起こすので注意が必要です。

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大正製薬㈱「大正健康ナビ 子供の発熱」

2 熱が出た時はどうしたら良いの?

  お子さんの発熱のほとんどはウイルス感染に伴う風邪です。そのため、特効薬はなく、対処療法(症状をとってあげる治療)をすることが大切です。  ゆっくり休み、お子さん自身の免疫力で治す必要があります。
 しかし発熱や、咳、鼻水などの症状で食事が食べられなかったり、寝れなかったりしますよね。そのため、鼻水、咳を和らげる薬(痰切り薬、咳止め)を飲みながら、体力が回復し、免疫の応答が起こるのを待ちます。これが基本的な治療です。発熱に関しても長く続くと体力を消耗するので、それを和らげるためにお薬を飲みます。それが解熱剤と呼ばれるお薬です。

*「風邪ってなに?」「おうちでどんなことをしてあげたら良いのか?」などの疑問や抗生剤の使用についてなど、意外と知らない風邪についてはこちらをクリック。

3 解熱剤はいつ使えばいいの?

(1)積極的に使用をおすすめするお子さんの様子

 ・高熱時(39度後半〜40度以上)
 ・不機嫌でぐったりしている
 ・寝付けないとき

*解熱剤使用時は一緒に首、脇の下、足の付け根のクーリングも行いましょう。クーリングのポイントについてはこちらから。

(2)それ以外にも…

 高熱時は不機嫌になったり、ボーッとしたりすることで、水分摂取、睡眠などが妨げられる可能性があります。間隔を守っていただければ、以上のような様子が居られなかった場合でも使用可能です。お子さんの苦痛が強い場合には積極的にクーリング、解熱剤を使用しましょう。体温が少し下がり、水分がとれたり、眠れたりすることで、余分な体力の消耗をなくすことができます。

*あくまでも解熱剤は熱を一時的に下げるお薬です。
平熱まで下がることもあれば、病気の勢いが強い場合には、1度程度しか下がらないこともあります。その為、その時の体温を解熱剤使用の指標とするのではなく、お子さんの活動具合を指標にするといいでしょう。


4 座薬と内服で違いはあるの?気になる座薬の使い方

 特に内服、座薬で効果に差はありません。お薬を飲むのが苦手なお子さんや、ぐったりしていて飲めない場合には、座薬を選択すると投与が楽な場合もあります。

┃挿入した座薬が出てきてしまった場合
坐薬が溶けずに出てきたら、もう一度挿入しましょう。溶けたものが出て    きたら、いくらか吸収されているので2時間程経過をみて、熱が下がる傾向がなければ再度使用を検討してください。


┃座薬の挿入方法
ベビーオイルなど滑るものをつけて、先のとがった方から肛門に挿入して、しばらく(5秒ほど)肛門を押さえていましょう。

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