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mitsumi
2022年12月8日 16:57
テーブルの上の水がすっかり干からびてしまった斜めに挿し込む夕日は やけに オレンジ色で長く 長く 伸びる影を ただ そこで見つめながら小さく溜め息ついた君は確かに此処に居て 幸せそうに笑っていて戸惑いながらうつむいた私の手を握りしめてつい昨日のことのように よみがえる君からの手紙 今はすっかり日に焼けてしまった窓越しに見える街が やけに白々しくてとめども無く続く時間を ただ
2021年4月14日 15:24
たまごを茹でる あなたと食べるコーヒー淹れて あなたと分けて寝癖のままで おはようのキス朝日は今日も 静かに笑う歪んで見えた ちいさな部屋でかけちがったこと はじめて気づく当たり前のことは 当たり前じゃなくて努力なしには 得られないことテレビをつける 一緒に笑うふとしたことで 喧嘩になって背を向けて寝る 寝付けない夜声を殺して 闇夜に溶けるあかりの消えた ちいさな部屋
2021年3月11日 09:39
貴方のついた優しい嘘を今日もきっと幾つか見送るうっすら透けたレースの向こう夢のように溢れる木漏れ日光の小人が眩しく舞った惑わされているのはわたし見えないように呼吸を潜め小さく息を空に放って貴方のついた優しい嘘を今日もきっと幾つか見送る貴方のついた優しい嘘を明日もきっと幾つか見送る風に揺れてるレースの向こうとても冷たくとても静かな時に
2021年3月8日 13:33
途方にくれて吹雪の街を交差点から眺めていた行き交う人は誰もみなほんのり楽しげで金曜の夜は金管楽器の音色みたいに鳴ったこんなに酷い天気なのになぜかドラマチックに都会の街に取り残されてふるさとに手を伸ばすしんしんと降る雪の中で閉ざした心そっと開いてじっとここから眺めていた行き交う人は誰もみなほんのり哀しげで日曜の朝は木管楽器の音色みたいに
2021年3月7日 20:19
足元を擽る風群青色の風戸惑うほどに澄んでひんやり 裾を揺らす夕暮れ 黄昏 秋祭り戯れ 手を引く君の小さな 小さな 掌に幸せあれと ただ 願うひざ先を擽る風薄紅色の風戸惑うほど 優しくふんわり 髪を揺らす夕暮れ 黄昏 通学路きらきら はしゃぐ君の小さな 小さな 足元が明るくあれと ただ 願う遠くに 遠くに 居るけれどあの日の 君を抱きしめて届かぬ想いを 握
2021年2月24日 12:22
ぱちぱちと弾ける ソーダ水の中 僕はうるおったような錯覚に囚われる弾ける音色の 心地好さの中 僕は小さな事全部なかった事にするからっぽな水色をまとってガラス瓶の中詰め込まれた僕ら丸いものだけの感触を毎日同じように受け流している遠く空には真っ黒い雲の群れもうすぐ雨がやってくるそして僕らは思い出すそっと閉ざしたいろいろをぱちぱち弾けるソーダ水の中 僕は満たされたような錯
2020年12月1日 15:32
手繰っている。手繰っている。手探りで。それはもう、手探りで。探している。探している。手探りで。たよりない、面持ちで。置いていかれているようで。置かれた場所で咲くようで。ただただ焦っているようで。あなたが先に行くようで。わたしはわたし。あなたはあなた。わたしの答えはそこにはない。漁っている。漁っている。手探りで。みさかいも、ない風で。叫んでいる。叫んでいる。手探り