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パリの街は移動祝祭日

"もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこですごそうとも、パリはついてくる。パリは移動祝祭日だからだ"

移動祝祭日ーヘミングウェイ

パリは、訪れた世界中の都市の中でも、私にとってひときわ特別で、お気に入りの場所である。その街を、ヘミングウェイは移動祝祭日だ、と表現する。本を開いた初めのページで目に入るこの一文で、私は心を奪われた。

初めてパリに行ったのは2019年、私が20歳の時だった。正直、その頃は定番観光地を巡り、お金のない学生だったので少し離れた治安の悪いエリアの安いホテルに泊まり、パリってこんなものか、と、まんまとParis Syndromeに陥った。

その翌年、私はパリに近い都市を留学先として移住し、生活を送っている。コロナの規制が緩くなってからは、3-4ヶ月に一回はパリに行っている。パリで暮らすことはしていなくとも、20歳で初めて訪れた時よりは、少しずつパリという都市のことが分かってくるようになったし、足を運ぶたびにまだまだ新しい発見があり、特別さは増していく。

ちょうど明日、日帰りにパリに行く。今回は大学の友達と、定番観光地でない美術館や建物を訪れようと、そして夜の街を楽しもうと、計画している。



香りと記憶。

初めてお店で香水を買ったのは先にも書いたパリで。せっかく華のパリに行くのだから、と、有名なFragonardというお店で小さな瓶を購入した。なんとも、大人の階段を登ったような高揚感と、こんな小さな瓶でこんな値段がするのか、、、という驚きと、その時の苦くて甘い感情をとても覚えている。

それを1年くらい使って、翌年またパリでレプリカを、マルジェラの店舗でたまたまいらっしゃった日本人のスタッフさんに案内をしてもらって購入した。その次は東京のnose shopで、当時はの私にとっては”清水買い”だった、Etat libre d'orangeと、名前に惹かれたBDKの香水。そして、ローマで少し冒険してみようと買った、ウッドテイストのLabsolueの小さな香水。どれも思い出深いし、初めてその香りを纏った場所や瞬間、あった人の思い出が蘇る。

私の香水遍歴はこんな感じであるけれど、香水ショップに足を運ぶたびに、香りの深さと、違いと、個々の性格と、自分のなりたい姿と好みを照らし合わせる作業が、とても心地よくて好きな時間である。

ちょうど普段使いしているレプリカと、Etat Libre d'orangeが少なくなってきているので、この半年くらいはタイミングが合えば香水のお店に足を運んで香りを試している。私はその場で購入せず、香水をつけて時間を経って変化まで好みか確認したいたちなので、長く使って記憶とリンクするような香水は大事に選びたい。一度、空港のJo Maloneでその場買いをして結局気に入らず人に譲ったこともあるので、購入には慎重だ。

今の候補は、Etat Libre d'orangeと、Byredoの店舗で探して試してみたい。Byredoは憧れのブランドで、以前sundayzedのサンプルをもらって数日試してみたんだけど、なんと言っても夏のイメージが今の私には強すぎたので、まだ購入する気持ちには至っていない。もう少し試してみたい。香りって、試すにしても一回で多くても数種類しか天秤にかけられないのが、なかなか歯がゆい。それがいいんだけども。

今会っている人が、とても香りに敏感な人で、よく香りの変化に気づいてくれるのだけど、その彼の香水はまだ記憶とリンクするほど香りを感じられてない。そんなに個性が強い方ではないので、とっても安心する良い香りなんだけどな。その一方で、香りと記憶がつながりすぎる怖さもなくはない。私は会う人にどんな印象を持って欲しいんだろうな。


最近読んだ香水のnoteで、これがとても印象に残っているし、自分の香水選びを振り返る良いきっかけになった。こんな選び方と、考え方もあるんだな。


とりあえず、大学の試験が終わって明日はパリに出かけて、休暇も南の方へ旅に出ます。まだあまり眠れていないし、あと5時間後、朝の5時から最終面接もあるんだけどな。今から面接で発表する課題を終わらせます。さようなら

読んでくださって、ありがとうございます。 いただいたサポートで、朝にお気に入りのカフェでコーヒーをいただいて、少し本を読んで、それから新しいnoteを書こうと思います。