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【詩】炭酸刺繡 ハイボール

降りしきる雨の中
傘もささずに
家路を急いだ

家で一人
濡れた髪を拭いて
おもむろに開ける冷蔵庫

ぽつんと一つだけ
たたずむハイボール缶

迷わず取り出し
フタを開けた

レモンの酸味と
ウィスキーの苦みが
泡とともに消える

さっき見た光景がよみがえる

彼がいた道の反対側
隣には私の親友
腕を組んで歩いて行った
私が見ているのも知らずに

あの光景は
私の心を刺す
チクチクと
針と糸で施す刺繍のように

残したくないのに

残したくないと思うほど
私の心に縫い付けられるあの光景

ハイボールの泡みたいに
悲しみも苦しみも
弾けてしまえばいいのに

消えてしまえばいいのに


初めて詩に挑戦してみました。
そして無謀にも、企画に参加します。

…これって詩ですかね?
詩じゃないよってことであれば、精進します。

「炭酸刺繡」という言葉の響きが気に入って、
どうにか参加したくて、
数日考えていたものなので、
恥を忍んで出してみます。

どうか、よろしくお願いいたします。

#炭酸刺繡

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