私の「シェーンの誤謬」 その3 ルパン三世

こんにちは、すんどめパターソンです。
Facebookの「シェーンの誤謬」ページに掲載中の記事をこちらに転記します。
なにぶんFacebookタイムライン中の記事ですので、用語・体裁等、その仕様になっておりますことをご了承下さい。

【私の「シェーンの誤謬」 その3 ルパン三世】
ごきげんいかがですか、すんどめパターソンです。
私自身の「シェーンの誤謬」体験についてご紹介しているわけですが、今日はあの有名な『ルパン三世』シリーズにおいて生じた、ちょっとした「シェーンの誤謬」のことをお話しします。
シェーンの誤謬って何? 
という方は、本タイムラインの一番下、2018年6月27日の投稿をまずご一読下さい。
いや、それ以前に映画『シェーン』を観たことがないという方は、ぜひ一度ご観賞の上、1か月くらい経ってから再び当ページをご訪問くださることを強くお勧めします。
さて。
90年代初頭、『ルパン三世 ナポレオンの辞書を奪え』という新作が放送されました。
私がそれを観た当時の記憶には、ICPOの銭形警部(以下、とっつぁん)が、次のようなセリフを言ったという記憶が含まれています。
「ワシはルパンを捕まえたいと思うし、ルパンも、捕まるならワシにと思っているだろう」
(あくまで記憶による引用なので、一字一句はもちろん正確ではありません。)
さて、それから20年。
2010年前後になって、再観賞したところ。
私は驚きました。
なんとあのセリフは、とっつぁんが言ったセリフでは、なかったのです。
では、だれが?
実は、とっつぁんに変装したルパン三世(主人公)自身のセリフだったのです!
「ワシはルパンを捕まえたいと思うし、ルパンも捕まるならワシにと思っているだろう」
と、とっつぁんに変装したルパンが言ったのです。
前半はともかく、後半の、「ルパンも捕まるならワシにと思っている」という部分に、深い感銘を受けずにはいられません。
あろうことかルパンは、こんなところで本音を白状していたのです。
……俺も、とっつぁんに捕まりたいぜ……
そう言っているのです。
なんという根本的な記憶違いを、私はしていたことでしょう。
さて、現時点での「シェーンの誤謬」の私なりの定義は、
シェーンの誤謬:人々の記憶の中で物語が変質していく現象。えてして、物語がより合理化され、つじつまが合っていく傾向にある。
というものでした。
しかしこの『ルパン三世』における私の「シェーンの誤謬」は、果たしてこんな記憶違いをやらかすことによって物語が合理化され、つじつまがあっているのやらどうなのやら、私にはサッパリわかりません。
ただひとつわかることは、あの当時、ルパンのあの巧妙な変装は、観ていた私をも見事に、完璧にあざむいたのでした。

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