クライアントワークでプロジェクトを開始するときに、良質なインプットを得るコツ
こんにちは!Sun*のバナです。Sun*ではUXやUIのデザインを担当しています。
今回は、「クライアントワークでプロジェクトを開始するときに、良質なインプットを得るコツ」について書いていきたいと思います。
テーマの背景
「プロジェクトを開始するとき」には大きく2種類あります。ひとつは新規プロジェクトの立ち上げメンバーのとき、もうひとつは進行中のプロジェクトに途中から入るときです。
上記の2種類でインプットの方法に多少の違いはありますが、いずれにしてもプロジェクトそのものについてや、クライアント、競合、市場、類似サービスなどインプットすべき情報は山ほどあります。
「インプットの時間が取れない」「インプットすべき量が多すぎて頭に入らない」「インプットしたことを他のメンバーにうまく共有できない」などの悩みを感じたことはありませんか?
良質なデザインワークのためには、良質なインプットが必要ですよね。
では、限られた時間で良質なインプットをして、それを上手くメンバーに共有するにはどうすればよいのでしょうか?
社内で週2回開かれる気軽なナレッジ共有の場「Designer's Talk」にて、ディスカッションした内容をQ&A形式でお伝えします。
「Designer's Talk」については、こちらの記事もぜひご覧ください。
Q. クライアントから提供された資料が膨大で、短期間ではすべてを把握できません。どうすればよいでしょうか?
A. 分担できるものはメンバーで分担し、お互いシェアする。
資料によりますが、メンバーで分担できるものは分担して、それぞれが把握したことをmiroにまとめます。ぱっと見てわかりやすいように、図に整理することも多いです。
大切なのは、メンバーで共有するだけでなく、まとめた内容をクライアントに見せて、確認することです。
クライアント自身が認識できていない内容もあるため、図解で確認することは有効だと思います。
A. クライアントから提供された資料のポイントを外さないようにする。
クライアントから膨大な資料を提供された場合、短期間で細かいところまで全てを把握することは無理です。ですので、ポイントを抑えた把握が必要になります。
失敗談になりますが、あるクライアントから100ページ近くの検討中のワイヤーフレーム資料をもらったことがあります。
そのとき、細かい説明欄は後で読めばいいだろう、と思って読み飛ばしてしまったのですが、なんとその説明欄に追加してほしい画面が多数記載されていたのです。そのことを把握していなかったために、制作する画面数を誤って見積もってしまいました。
その資料で確認すべきこと、合意すべきことが何なのか、ということをあらかじめ確認しておく必要があります。
Q. インプットした内容を、メンバーと上手くシェアする方法をおしえてください。
A. すべてをmiroにまとめて俯瞰して見る
調べたことだけでなく、全ての資料のスクリーンショットをmiroに貼って、俯瞰して見るようにしています。
全体を俯瞰して見ると、資料の中で矛盾している点や疑問点が出てきます。そこに印をつけておき、クライアントに確認します。
特に、クライアントが「やりたいこと」を解像度高く理解することを心がけています。
A. ConfluenceやBacklogにまとめる
miroもよいですが、ConfluenceやBacklogもおすすめです。
miroだと、情報をうまく整理しないとどこから見ていいかわからなくなってしまうことがあります。
ConfluenceやBacklogのよいところは、エンジニアも使い慣れているためシェアしやすいことと、目次とページの構成がしっかりしているため、体系化しやすいことです。
要件定義のドキュメントなどと一緒にインプット情報を一元化できますし、途中から入ったメンバーも必要な情報を探しやすいと思います。
Q. 類似サービス、競合サービスの調査はどのように進めていますか?
A. 海外のサービスを調査し、トレンドを把握するようにしています。
海外のサービスは日頃から調査しているので、その引き出しの中からあてはまりそうなサービスをピックアップします。取り入れられそうな技術があれば候補としてクライアントに提案します。
A. アプリであれば、ダウンロード数を1つの目安として、人気があるものを調査します。
例えば、TOP10をすべてダウンロードして触ってみます。メンバーで分担すれば、それほど時間もかからないことが多いです。
A. クライアントが特に注目している競合があれば、詳しく調査します。
ダウンロードして使うのはもちろんですが、スクリーンショットを撮ってすべてのフローを画面遷移図に起こします。そうすることでユーザーの課題が見えたり、差別化ポイントが見えてきたりします。
A. クライアントに、過去に行った調査がないか聞いてみる
クライアントによっては、競合サービスの調査報告書があったりします。自分たちでももちろん調査はしますが、クライアントがどのようなサービスに注目し、どこを競合ととらえているか理解する助けになります。
Q. クライアントをより理解するためにやったほうが良いことはなんですか?
A. 組織図を把握します。
クライアントのホームページなどをチェックし、組織図を把握するようにしています。どの組織の誰が決定権を持っているのかを把握することは、プロジェクトをすすめる上で重要です。
組織図を理解すると、クライアントとの会話もよりスムーズになります。
A. ニュースリリースや投資家向けの情報をチェックします。
クライアントの新しい製品やサービスを理解することは、そのままクライアントの理解につながります。ニュースリリースは雑談としても話題になるため要チェックです。
事業の方針や新規事業計画など大きな方向性については、IR情報で確認することができます。こちらもクライアントの理解につながります。
まとめ
「Designer's Talk」の30分でディスカッションした内容をQ&A形式でまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。
30分という短い時間でも、意外とナレッジがシェアできると思いませんか?
良質なインプットを得るコツとして、少しでもヒントになれば幸いです。
Sun*では、一人ひとりが自由に学び、仲間とともに学び合うカルチャーが醸成されています。今後も、そんなSun* Designersの様子をお伝えしていきます。どうぞお楽しみに。
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