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会議の密度を上げるために行った工夫とは?

 〔2022年3月追記〕
この記事は新型コロナウイルスが流行前に行っていた方法です。今も方法は違いますが、社員同士コミュニケーションを取りながらリモートワークを行なっています‼︎
1日でも早い収束を願っています。

イノーバの社内にいると、いつもどこからか拍手が聞こえてくる。実はこれ、イノーバの会議メソッドの1つである、「ポジティブ・フィードバック」があちこちで行われている証拠。だれか一人の発表が終わると皆で拍手をして、その意見を肯定的に受け止めるのだ。

イノーバの会議は、ただ何となく話し合うだけではなく、効率的かつ生産的で新しいアイディアが生まれる会議。もちろん、全員参加は当たり前。今日はそんなイノーバの会議メソッドを紹介したい。

■企業にとって、会議はなぜ重要なのか?

企業で働いてると、会議がルーティーンのようになっていて、その重要性について考える機会は非常に少ない。しかし、イノーバの経営顧問(当時)であった吉田さんいわく、「モノを作らない会社にとって、会議は競争の源泉」だという。

つまり、皆で知恵を集めて新しいものを生み出す過程が、会社の競争力に繋がっていくということ。つい、自分の仕事は自分の力だけで終わらせようとしてしまうが、仕事の質という観点から考えると、この方法はベストな方法とは言えない。会議やブレストを通して、なるべく多くの人を巻き込んだ方が、仕事の質は絶対に上がる。

例えば、営業の提案資料を作成する場合。僕がいいと思う方法は「壁打ちブレスト」。誰か先輩や同僚を捕まえて、クライアント役などになってもらって、プレゼンを聞いてもらったり、資料の説明をしてみるのだ。すると、自分だけでは出てこなかったアイディアや意見をもらえたりするので、一人で作った資料よりも圧倒的に良いものができるだろう。

これがまさに、会議が競争の源泉である理由。一人で悶々と考えているよりも、集まってアイディアを出し合った方が新しいイノベーションも生まれやすい。そして、社員一人ひとりがこの会議の重要性を理解して参加すれば、だらだらした会議は自然となくなり、活発な議論ができるようになるのだ。

■イノーバのブレスト方法

では、実際にイノーバの会議がどのように行われているか紹介しよう。

まず、会議を行うにあたって、「イノーバグランドルール」というものがある。これは、会議に参加する人が必ず守るべき基本的なルール。これを全員が守り、尊重することで、個人が発言しやすい環境を作ることができる。

そして欠かせないのが、ブレストタイム。会議の参加者全員で、とにかくアイディアを出しまくる。この時に重要なのが、アイディアを出す「発散」の時間と、皆の前でアイディアを発表する「収束」の時間に分けること。それぞれの時間は5分から10分。

発散タイムに、一斉に付箋にアイディアを書き出す。そして「収束」タイムで、それぞれの案をホワイトボードに張り出して、全員が発表。発表が終わった後には、冒頭で紹介したように、必ず拍手をしてポジティブ・フィードバックをする。

その後はそれぞれの案をグループ化したり、構造化したりして、ホワイトボードにまとめる。

そして、最後には「じゃあいつまでに誰が何をするべきか?」という期限も必ず決める。この方法の素晴らしい点は、どんな議題でも効率的に会議運営ができること。議題が、「今までより10倍売れる営業資料の作り方」であっても、「組織の課題」であっても、同じ運営方法で議論ができる。

だからイノーバでは、ブレスト会議の頻度が非常に多い。通常のブレスト会議では、誰からもアイディアが出なくて行き詰まったり、まったりした会議になってしまうことがよくある。一方イノーバのブレスト会議は、分刻みでアジェンダが組まれているので、まったりしている暇もない。むしろ集中力をものすごく使うので疲れるが、頭をフル回転させるので、慣れてくるとブレスト会議が楽しく感じられるのだ。

■イノーバ会議メソッドで変わったこと

この方法を取り入れてから約3ヵ月。最も変わったことは、社員に「自分はこの会議に参加しているんだ」という意識が生まれたことだ。必ず自分の意見を言わなくてはいけないので、全員が主体的に会議に参加できる仕組みを作ることができている。大手の会社にありがちな、役職や年齢が上の人ばかりが発言して、その他の人は頷くだけ・・という謎な会議は、イノーバではあり得ない。

もう1つ変わったことは、「みんなで会社の課題を解決していこう」という動きが出て来たこと。一般的に、会社にはたくさんの課題がある。商品の課題、売上の課題、組織の課題・・・。見つけようと思えばいくらでも出て来る。

そして実は、皆それらの課題に気付いてはいるものの、多かれ少なかれ見て見ぬふりをしている。なぜなら、どう解決していいか分からないから。誰に言えば解決するのかも分からないから。企業に属している人であれば、思い当たる節があるだろう。

しかし、全員参加型の会議をしていると、そのような「みんながあえて口に出さないようにしている問題や課題」もブレストしながら、探すようになる。常に課題を探して、じゃあ解決のために会議しようよ、という非常にポジティブな空気が生まれたこと。これも、大きな変化の一つだ。

■日本企業の会議からイノベーションを生み出すには?

新しい会議の方法を取り入れてから、僕も会議についての本を50冊くらい読んだ。正直、似たような内容が多かったが、下に挙げた二冊だけはとても参考になったので、紹介したい。

日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ(著:漆原 次郎)
https://www.amazon.co.jp/dp/4492502319

吉越式会議 (著:吉越 浩一郎)   https://www.amazon.co.jp/dp/B00XVQ86WO

皆で集まって知恵を生むという意義を考えると、非常に重要であるはずの会議を、あまり活用できていない企業は多いと思う。だから日本の会議からはイノベーションが生まれにくいのかもしれない。

今後、僕が目標とするのは、「全員が経営者目線を持った楽しい会議」。より良い組織にするにはどうするべきかを、全員が経営者目線で考えられたら、さらに充実した会議になるだろう。また、新しいイノベーションを生み出す会議やブレストは、楽しいものであるべき。皆が自由闊達に意見を出せて、楽しみながら議論できる場所。そんな会議を、イノーバは目指している。

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