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なぜか嫌われてしまう?日本の営業職が抱える3つの課題

イノーバのビジョンの1つが、「営業革新」。従来の営業とは違った、新しい未来の営業の形を作っていくのが目標の一つだ。アメリカでは、営業を専門としている人材は、企業から重宝されている。しかし日本では、営業職に対してなぜかマイナスイメージが先行してしまっているのだ。

実際にGoogleで「営業」と検索すると、「営業 辞めたい」「営業 辛い」などの検索結果が多く出て来る。さらに内容を見てみると、こっちまで辛くなるような状態。

(参考画像:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10144063805)

では、この状況を変えるためには、どうすればいいのだろうか?今日はこの問題について考えてみる。

■会社経営にも役立つ、営業職ならではのメリットとは?

営業は会社経営をする上で、欠かせないスキルでもある。なぜなら、営業をすると「どうやったらお客さんの興味を引けるのか」「どういう言葉で伝えればいいのか」を学ぶことができ、顧客のニーズに対する理解が深まるから。顧客が分かっていれば経営は失敗しないし、顧客のニーズをつかんでいる会社は強い。

実際に、著名な経営者の中にも、もともとは営業職をやっていたという人物が何人かいる。

例えばスティーブ・ジョブズ。彼がiPhoneを生み出せた理由の1つは、「ものすごく高いレベルでお客さんに共感しているから」だと僕は思う。お客さんは何に興味があるのか。どんな商品を必要としているのか。商品の値段やデザイン。これら全てにおいて、顧客目線での理解ができているからこそ、皆が欲しいと思うような商品を生み出すことができたのだろう。

もう一人はヴァージン・グループのリチャード・ブランソン。彼は17歳の頃に学生向けのフリーペーパーを創刊。その時に、企業相手に雑誌の広告枠を売りさばいていた。今では多くのビジネスを成功させている、リチャード・ブランソンもかつては自ら営業をしていたのだ。つまり、営業は商品開発のベースでもあり、マーケティングのベースでもあるのだ。

営業職で学べることは、他にもある。例えば消費者心理。人は商品を購入する時に必ずしも合理的な判断だけで購入するわけではない。数字で判断するだけでなく、直感や信頼で購入する人もいる。人が商品を購入する心理やプロセスを、間近で数多く見ることができるのも、営業職の特権。営業職を極めていけば、お客さんとの距離を計る対人関係スキルも身につき、組織運営にも役立つだろう。

■今の日本の営業が抱える、3つの課題

このように多くのメリットがある営業職だが、残念ながらこれらのメリットが正しく認知されていない。その理由として、今の日本の営業職が抱えている大きな3つの課題がある。

まず1つ目に、営業が専門職化していないこと。アメリカでは、営業職の給与が非常に高い。なぜなら専門職として認識され、フルコミッション型(完全歩合制)になっていることが多いからだ。そうすると、一人あたりの単価も高くなるため、企業側にも「どうやったら効率良く売ってもらえるか」という工夫が必要になる。

また営業職個人としても、より売れる商品を求めて企業を2、3年単位で変わる人も多い。そうすると、企業は優秀な営業職の人材に留まってもらうための努力(報酬やトレーニングなど)をしなくてはいけない。結果として、個人も成長することができるし、会社の売上も上がって、組織としても成長できるのだ。

一方日本では、まず新卒一括採用で営業に配属されることも多く、営業のスキルも「先輩の背中を見て学ぶ」というように属人化している。このままでは、企業側も営業職を伸ばすための努力をしていないし、営業スキルが形式化されていないので専門職化しにくい。だから営業個人の成長が、組織全体としての成長につながりにくくなっている。

2つ目の課題は、営業に対するイメージ。日本では営業職が稼げるという認識は、まだあまりされていない。しかし、アメリカでは営業職の給与がかなり高い。アメリカのHubspotというベンチャー企業の営業責任者に、女性の方が1名いる。その方がインタビューの中で営業をやっている理由を、このように答えていた。「20代の内に給料を稼げるから」。

本来ならば営業職は、稼げて、やりがいもあって、スキルも身につく仕事なのだ。しかし、そのイメージが日本にはまだあまりなく、マイナスのイメージばかりが先行してしまっている。

3つ目が、離職率の高さ。従来の日本の営業スタイルは「とにかくお客さんの所へ足繁く通って、仲良くなりましょう」というヒューマンスキル営業。一昔前はとにかく通っていれば、なんとか売上はあげられていた時代だった。さらにバブル期には、勢いで売るガッツ営業も多かったので、体育会系の売り込み型営業のイメージはここから来ているのだろう。しかし、今のインターネットの時代に「これらの営業方法が本当に効果があるのか?」と、若い世代を中心に懐疑的な見方をする人も増えている。

また、今は働く側が「自分は何のために働くのか?」という意味を考えて、仕事を選ぶ時代。ある調査(※)では、平成生まれで入社3年以内に退職した人の理由を調べたところ、最も多いのが「キャリア成長が望めない」だったという。

(参考画像:http://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_14)

つまり今の時代、企業は「何のために働くのか?」という意味付けを、きちんとしなくてはいけない。スキルが形式化されていない、ガッツ営業や「先輩の背中をみて学ぶ」という風潮を続けていれば、若い世代は離れていってしまうのだ。

営業革新という大きな目標を達成するためには、まずこれらの課題を解決するべきだろう。

残念ながら今回の記事では解決策までは言及できなかったが、今後の記事では「日本の営業をどう変えていくべきか」という点についても、取り上げたいと思う。

■求められているのは「新しい営業の形」

僕がイノーバで従来の営業を変えていきたい理由の1つは、今営業職に携わっている人たちに、営業という仕事を通して、やりがいや成長を感じて欲しいから。営業をやっている若い世代の人たちが次々と辞めてしまうと、企業の売上も伸びなくなってしまうし、営業のノウハウも社内に蓄積しにくくなってしまう。そんな課題をイノーバは企業と一緒に考え解決し、営業の未来の姿を作っていきたいと思っている。

※参考調査:http://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_14

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